風の族の祝祭

詩歌の森のなかで、風に吹かれて、詩や短歌や俳句の世界に遊んでいたい。
著作権は石原明に所属します。

「日月宙」88号冬号 「続続 食物譚」20句

2016-02-25 11:50:23 | 俳句
芋平さんの「日月宙」に20句投句しました。今回も食物譚。我ながら食い意地が張っていますねえ。(笑)


続続 食物譚

パン焼けばレーズン熱し風光る
春昼のバター風味のマーガリン
コンビニに蕨餅あり小糠雨
朝ドラのをんなは強し蓬餅
さまざまに笑へる朝の蜆汁
春暑しぼろぼろ剥ける茹で卵
ソーダ水これが季語かと飲みにけり
初夏の南国フルーツ飾り切り
カツ丼のグリンピースに夏立ちぬ
新茶淹れおまへも付喪神なりや
葛桜暗黒星雲包みをり
カツプ焼きそばの湯零しつつ夜長
黄葉の空ポッキーで攪拌す
黒葡萄を地球と思ふケムンパス
木通の実顔見合はせてから食す
梨を食む口に口髭伸び縮み
猫舌であれど松茸土瓶蒸し
小春日や皿に動物ビスケット
木枯やスルメで掬ふマヨネーズ
元日は田作り神となるごまめ

コメント
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