風の族の祝祭

詩歌の森のなかで、風に吹かれて、詩や短歌や俳句の世界に遊んでいたい。
著作権は石原明に所属します。

俳句 JULY,2010

2010-07-13 07:29:52 | 俳句
<みちのくにて>


缶ビール買ひ忘れしがはや白河
白河越ゆ隣の女のどくだみ茶
蕉翁も見しや蔵王の新樹光
梅雨晴や新樹はすべて天を指す
唐突に仙台はじまる夏野かな
みちのくの一句を恵む青葉風
野辺地過ぐ彼方に陸奥の夏の波
新緑に切れ目はあらず夏泊
浅虫の沖なる社夏日差す
玫瑰の実にふてぶてしき未来あり

夏列車一輌全部中国人
海底駅夏の気圧と水圧と
白詰草の四葉ありしや五稜郭
歳三のごとき野良猫五稜郭
草刈機斬首のごとき五稜郭
姫女苑五稜郭のこと夢のこと
田を越えて鴎を追ひし青田風
青田風遺跡のごとき墓石群
隧道を抜ければ津軽比婆蒼し
空洞のごとくに鴎風に浮く
コメント
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