谷口慎也氏の「連衆」71号に特別参加作品として「火にせよ」22句を寄稿しました。
「火にせよ」
散る桜ちるちる電動車椅子
春の日にひとは尻尾を出して寝る
紋白蝶死角はここよと睦みあふ
夜桜や鬼は童子を名乗るべし
つちふるや草生す屍ひとむしり
繊毛の戦ぐ生殖養花天
蛸と少年見つめあひつつ磯遊
行く春やバンドエイドの巻き心地
広島忌の汗を量産する機械
千代紙は折りて火にせよ原爆忌
どうしてもセシウムは白薔薇に降る
未使用の柩のごとき夏の蝶
木下闇君は本田圭祐だらう
誘蛾灯だからワルツは踊れない
水中花のやうにプールに身を投げよ
夏潮を抹香鯨で押し通す
囮鮎ほどの悪意や川綺麗
蜻蛉来て俺に似てると言ひて去る
鵙高音ちよいと殺した贄ばかり
流星は鯨の燃え滓かも知れぬ
少年は液体酸素秋の水
聖夜祭コツプに嗤ふ総入歯
「火にせよ」
散る桜ちるちる電動車椅子
春の日にひとは尻尾を出して寝る
紋白蝶死角はここよと睦みあふ
夜桜や鬼は童子を名乗るべし
つちふるや草生す屍ひとむしり
繊毛の戦ぐ生殖養花天
蛸と少年見つめあひつつ磯遊
行く春やバンドエイドの巻き心地
広島忌の汗を量産する機械
千代紙は折りて火にせよ原爆忌
どうしてもセシウムは白薔薇に降る
未使用の柩のごとき夏の蝶
木下闇君は本田圭祐だらう
誘蛾灯だからワルツは踊れない
水中花のやうにプールに身を投げよ
夏潮を抹香鯨で押し通す
囮鮎ほどの悪意や川綺麗
蜻蛉来て俺に似てると言ひて去る
鵙高音ちよいと殺した贄ばかり
流星は鯨の燃え滓かも知れぬ
少年は液体酸素秋の水
聖夜祭コツプに嗤ふ総入歯