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あをまる日記

つれづれエッセイ日記ですv

嫌われヒロイン 

2013-03-22 04:11:57 | 我が愛しのヒロインたち
女性読者にに嫌われがちなヒロイン、というのはいるものである。
有名どころでは「タッチ」の南ちゃんとか。

私は南ちゃんは特に嫌いではなかった為、あちこちでやたら毛嫌いされてるのを見て少しばかり驚いた記憶はあるが、書き並べられているその理由を読んで行くうちに、ああそう言われれば確かに敬遠される要素は持ってるんだなとも思った。
まぁ南ちゃんに関しては元々「好きでも嫌いでもない」キャラクターだから別に良いんだが、実は私が好む女性キャラクターはこんな風に女性に嫌われているケースが多く、これが結構辛い事なのだ;


決して判官贔屓であえて人気の無いキャラクターを好んでいる、とかではない。
たまたま読んで(観て)「ああ好みだ!」と、思うとまず彼女らは人気が無いのだ。

ネットの海で二次創作やイラストを求めて検索掛けても全然出て来ない。
……つまりは、そのキャラクターが好きなお仲間は全く見つからない訳だ。
(ちなみに男性読者には嫌われてこそいないものの、やはり人気はさして高くはない為、エロ系の創作物も同様に見つからない)


その代わりにやたら検索で引っかかるのがその作品のファンサイトに置かれている所謂「100の質問」の
「○○(キャラ名)をどう思われますか?」「○○に一言!」といった質問項目。

===========================
100の質問(ひゃくのしつもん)とは、あるテーマに沿った複数の質問文の一群、並びにその質問文に対する回答のこと。
名称は通常質問文が100個で構成されることに由来する。
=====================(ウィキ)

前述したようにファンコミュニティでは嫌われがちなキャラ故、回答者の「苦手、嫌い」等々ネガティブなコメントとセットになって、ズラズラと検索結果に並ぶ。



反対に女性人気を集めるヒロイン、というのも無論いるものである。
私も人気キャラクターを好きになる事はあるが、人気キャラの魅力が私の琴線を素通りしてしまう事も結構多かったりする。
……まぁそれは単純に「好みは人それぞれ」って事で、多少嗜好が世間の流行と逆を行った所でそこに何も問題は無い…筈なのだけど;

問題は、100質や掲示板などで私の好きな不人気ヒロインを叩く方々の大半は、この「人気ヒロインファン」だったりする事だ。
しかも彼女らはファンコミュニティ人口の大半を占めている…ように見える(あくまでネットサーフの印象であり、実際どうなのかまでは分からない、単にその層の声が大きく聞こえるだけかもしれないが)

…それがやがて人気ヒロイン&そのファン、そしてファンコミュニティへの抵抗感、警戒感という形でいつも私の中で負の感情をじわじわ育ててゆくのが地味に辛かったりもする。

これはもう大昔からの嫌なサイクルで、古くはアニメ「ビックリマン」の愛然かぐやに惚れた頃から…いや待てよ、よく考えたら私は幼稚園児の頃「キャンディキャンディ」のアニーちゃんが好きだったな;アニーもそういえば嫌われヒロイン…(汗)


そういうパターンになった数多い作品のひとつに北条司の「シティーハンター」がある。
北条先生の漫画は、前作「キャッツアイ」の頃から好きで、小学生時代、都会的な大人の魅力を放つ美しい姉妹に強く憧れていた。
(そういえば北条先生は昔から愛ちゃんのように女子高生は「乳臭い子供」として描く人だったよなー「女」はあくまで成人以上、みたいな…よく考えたら少年誌の作家としてはちょっと珍しいスタンスのような気もする…)

シティーハンターも同じく好きで、主人公のリョウも好きだったが、それ以上に他のジャンプ連載陣よりもリアルタッチの絵柄で描かれる美しい依頼人達が特に好きだった。
ただ主人公のパートナーでありヒロインの香に対しては、あまり思い入れが無かった。

初登場時は結構好きだったのだが、絵柄とキャラが安定していった頃から徐々に彼女にピンと来なくなっていった。
北条先生の絵柄はリアルタッチであり「グラマラスな女性」という設定であってもバストが極端に大きく描かれたりはせず、肩幅もしっかりあり、ウエストや太腿などの肉付きもバランス良くリアルに描かれていて、少年漫画というより美術のデッサンのような印象を受ける。
香も同様、誰が見ても上から下まで成熟した女性の顔と体つき。
顔立ちも当然女性的で、服装もミニのタイトスカートにストッキング、パンプスとそれなりにフェミニンな服装もしているし、これで「度々男に間違えられる」という設定なのにだんだん納得が行かなくなった、ってあたりが多分一端。(序盤は作画も割と中性的だったんだけど)

ナイスバディの水着美女が長髪ウィッグ外れたくらいで「オカマがいる」と騒がれるか?
長髪のカツラを被るだけで男達が争い合う程の美女になれるんなら、ちょっと髪伸ばしてとっととコンプレックス解消すりゃいいんじゃ?
……とか、瓶底眼鏡外したら美女、みたいな本来「漫画のお約束的なもの」に過ぎない部分へのせんのない突っ込み感情があった。

それからもうひとつ。
ボーイッシュタイプのヒロインによく冠される「女性特有のいやらしさが無いのが良い」みたいな評価についていつも思うが…そもそも「女特有のいやらしさ」って何だ?
陰湿で嫌らしい男だって世の中にゃ腐る程いるぞ?

また登場する依頼人や他のレギュラー女性も皆魅力的なので、特に香嬢が際立っている印象も受けず、ますますその辺りがピンと来なくて連載後半に登場するミックというジゴロの「何て真っすぐな女だ、こんな女は初めてだ、この俺が初めて本気で惚れた」という彼女への評価にも
「真っ直ぐな性格の女性って結構出て来てなかったっけ?」という戸惑いが先に立った。

ちなみに「リョウが香とくっつく」事には別に何ら異論はなかった。
(というかその辺りの恋愛模様にはあまり関心が無く、どうせ両想いなら長々引っ張らずさっさとくっつけりゃいいじゃん、みたいな)途中から度々「本命は香」という伏線が張られてたので「まぁ最終回付近で纏めるんだろうな」程度に認識してた。あと女好きの30男が主人公の漫画で、最終回に至っても本命とはキスもさせなかったのは徹底してるなとも思った。


とはいえ「あまり思い入れが持てなかった」というだけで、読んでる間は別段強い苦手意識を感じてた訳でもないし、本来「ピンと来なさ」「思い入れの低さ」なんてのは特別に意識するような事ではない筈…だった。

こと改めてそれ意識するきっかけとなったのが、コミックス30巻に登場するゲストキャラクター「及川優希(ユキ・グレース)」
この漫画で唯一私が思い入れた依頼人である。
(前置き長ぇ;)

記憶喪失のスタントマンにして実は異国の王女、というキャラで、彼女が登場するストーリー終盤にちょいとリョウとの「身分違いの悲恋モノ」風に盛り上げた演出が入った為に香ファンの反発を受け、めでたく嫌われキャラとなったという事らしい。

大使館前にて車を降りる直前にキスを交わし、その後「王女と一般人」としての短い再会ののちに永遠の別れ、という演出は明らかに映画「ローマの休日」のパロディになっている。
及川優希編のかなり前に「アルマ王女」という別の別の王族キャラの話があったけれど、確かあちらは北条先生が「ローマの休日はまだ見たことが無いけれどこんな話なのかなとイメージして描いた」みたいなコメントをしていたかと思う。
及川優希編は「ローマの休日」を見た後、改めて描かれた話だと思われる。

「リョウの本命は香」がハッキリ提示されて以降は、依頼人がリョウに恋する展開になってもリョウの方からそれとなく一歩引いたり、リョウと香の絆に気付いた彼女らが「香には叶わない」と諦めたりする事が多くなっていた為、及川優希編のラスト演出はちょっと異色ではあったと思う。
(そうは言っても「まず二度と逢えない」設定の女性ならではの盛り上げでしかないんだよな)
おかげで検索かけりゃファンコミュニティに配布されてるアンケートの「嫌いなキャラは誰ですか?」項目とともに彼女の名前が並ぶ羽目になったと。

異国の王女、というドラマティックな設定ながら、彼女自身にはあまり目立った特徴は無い。(容姿も一応外国人風に描かれ、貴人ならではの性格付けもされていたアルマ王女と比べると)
ビジュアルはこの漫画に出てくる美女キャラに最も多い、前髪に軽いウェーブのかかった長い黒髪で、性格面も楚々として淑やかな印象ではあるが、香のハンマーでリョウをぶっ飛ばしたり、風呂を覗かれれば熱湯ぶっ掛けたりとそこそこ気は強い…と、まぁ見た目も性格も過去の依頼人との明確な差別化はされてないというか、特に強い印象は無い人。
(北条先生は確か、依頼人達のビジュアルはあえて描き分けしてないと言ってた気がする。あだち充漫画のヒロインの顔が皆同じだとよくネット上で揶揄されているようだが、北条先生がそう言われないのは男性読者の支持度の違いが出ているのかな。…ちなみに私はあだちヒロインの描き分けはちゃんと付いてると思うんだけど)


私が彼女に惹かれたきっかけはというと、別にそういった事情やら演出やらとは何も関係無く、リョウの発した「あの日本人とは思えないような白い肌は~」というたった一言である。
これはアルマ王女と違い日本人女性の外見を持つ彼女が「実は異国の血を引いている」事を指すささやかな伏線なのだが。

「王女ユキはこの世で最も自殺とは縁遠い人格だから、自殺させれば暗殺が疑われる」というのが彼女にスタントマンをやらせる理由となっているが、当の彼女は憂い顔のシーンが多くそこまでポジティブな女性というイメージは無いし、日本で普通にアパート暮らしも出来ていて、王族らしい一般人との感覚のズレも見られない。
…要は設定の割にキャラが薄いのだ。

……だからなのか、私の中で彼女の最大の個性は「肌が白い事」とインプットされた…らしい;
長い黒髪の楚々とした日本人女性の容姿ながら、有色人種ではありえぬ程白く透き通るような肌を持つ女性。…こりゃ好みだ、と。
(「日本人とは思えないような」なんて、余程際立って白くなきゃ言わないよな、と。それが単なる「白人とのハーフであるという伏線」だとは知りつつも;)

最も絵柄が安定し、女性キャラが美しく描かれた時期に登場した彼女は、ヌードっぽい扉絵やシャワーシーンや水着シーンやらと何気に作中での肌の露出度は高かった。
…成程、このお肌はそんなに白いのか、と;モノクロの絵から幾度もイメージしつつ、そう考えてみれば

「いい子だ…私の言う通りにするんだ…」
「君はそのまま溺れるんだ…いいね?」

と、退廃的なムードを持つ暗殺者(アニメ版ではキモい変態になってたが;)に優しい口調で残酷な死の暗示をかけられる「催眠術」というシチュにも倒錯したエロスを感じる。

…と、一度膨らんだ想像から、彼女への強い思い入れはどんどん強くなっていった。

で、無いと知りつつアレコレ検索したりした結果、同志が見つかるどころか、またもや「愛したキャラは嫌われていた」パターン;
こんなマイナーゲストキャラでさえこのパターンになるのか、と;
そしてネガティブコメント発信者は「カオリスト」と呼ばれる香ファンの女性陣らしいと知る事になり…


印象的だったのは、ある女性のコメントで
「実は私、この人結構好きなんです…!皆さんにいつか言おうと思ってました」
…みたいな奴。

それは「彼女を嫌っていない」事をカムアウトするだけの事に一定の覚悟が必要なコミュニティの存在を伺わせ、何やら脱力したが、今後も女性キャラに惚れた時はあちこちのコミュが「閲覧注意」になるパターンは続きそうな予感がする。

…茨の道はいつまで続く!(泣)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (通りすがりのネットサーファー)
2020-05-24 20:03:51
私は香大っ嫌いでしたね。

北条司先生の絵は女性ファンも多いので、

「香ってサバサバしてて好きー!」←どこがや!?

とかいう周りの女子の中でひとり

「サバサバしてる女の方が闇が深いで」

と言い切って周りから非難轟々でしたよ(苦笑)

だって実際そうなんだもん(これは30超えたらわかるんだけどなぁ〜)
 
まあ要はサッパリ感を装った嫉妬深い女が私は嫌いなんですよ。

ひとり語りすいません。

あまりにも理解者がいないのでおもわずコメントしてしまいました。
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コメントありがとうございます。 (あをまる)
2020-06-17 01:36:49

放置ブログゆえ返信が遅くなり申し訳ありません。

香さんに関しては「嫉妬」も確かに気になるんですよね。

この辺りは作品自体の評価の高さもあって、そう強く言われる事は無いようですが、
一部の男性読者からは「一応相思相愛とはいえ恋人同士で無い以上、リョウに対して満更でも無い依頼人
との仲まで邪魔するのはどうなの?」って声も上がってはいたようですし。

特に冴子さんとベッドインしそうになった所に怒鳴り込んで行ったのは、何かまさに「人の恋路を~」だし。
(お互い踏み出せなかったからホッとしてる、ってのはあくまで「たまたまの結果」でしかない訳で)

あと「無垢で鈍感、お洒落に無頓着」って設定と「男に間違えられると怒る」とか、時折あからさまにリョウにアプローチかける
所に「こういうキャラとして見せたい」と「実際の行動、印象」との食い違いを感じるのですね。

あ、エンジェルハートの香さんは普通に大人の美人なので違和感は無いです。



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