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心に移り往く、日々の由無し言.....

聞こえてくるのはアナウンスの声

2006-02-22 | 詩・写真詩
私は雪が少し積もった川辺にいて、
持っていた白い貝殻を川の中に投げ入れる。
川の水は澄んでいたので、
貝殻がどこにいったのかはすぐにわかった。
素足のまま雪の上を踏みしめて、
新雪に足跡を残しながら歩いて、
少し川に入りながらそれを取りに行こうとしていた。

おそらくどこかで誰かを殺してしまった私は、
すぐにその場を去りながら携帯を取り出して、
アリバイ作りのためにメールをしようとしていた。
警察に、誰かに捕まらないように、隠れながら出口に向かっていた。
出口にはもう何人もの警官のような人達がうようよしていて、
どうしようと困っていると彼からの電話が鳴った。
私は、何故かすぐに出ることをためらった。
電話はすぐに鳴り止んだので、気になった私は折り返しコールしてみたが、
すでにその電話は不通となっていた。

「お客様がお掛けになった電話番号は現在使われておりません・・・」

わけがわからず何度も掛けてみるが、
聞こえてくるのはアナウンスの声。
結果は同じ。
彼がもう捕まってしまったのだろうと悟った私は
とにかく悲しくなり、大声を上げて泣いた。


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