諒の辛辣さは止まらない。
「自分の周りに迷惑かけて。男の影をアピールして。よっぽどのことがあったんでしょ。引退しても悔いがないくらいの。」
すると、社長は怒ってしまい、
「 あっちの都合は知らねーよ。よそのタレントのことなんか!」
「諒、俺は…」
「麻也さん、どうして2人きりで話してくれないの? ツアー終わったら別れようってこのことだったの?」
「それだけは違う」
「だけって何? 何なの?」
麻也は全く言葉に窮してしまった。
言えば言うほど墓穴を掘ってしまう。麻也は黙ってしまった。と諒は、
「とにかく麻也さんも今は普通の体じゃないんだし。プライベートのことは保留にしよう。ツアーが終わるまでは、これまで通りの付き合いってことでそれでいこう、それでいいんじゃない。」
信じられていないというのは悲しかったが、社長たちに深夜にこれ以上迷惑をかけるのも嫌だったので麻也はその提案を受け入れることにした。
「わかった。そうする。」
そして、
「社長、須藤さん、鈴木さん、すみません。
ツアーは絶対きちんと続けますので…」
それを聞いて諒はまた何か言いたそうに、きっ、と鋭い瞳を向けたが、口をつぐんでしまった。
そして、
「すみませんでした」
と諒は立ち上がると頭を下げ3人が帰らざるをえない雰囲気にしてしまった。
3人を見送って2人きりになると、やはり言葉はなかった。
しかし、麻也はこうしていても始まらないと思い、次の日のライブに備えて眠ることにした。
パジャマはいつしか諒とおそろいではなくなっていた。ふと見れば、今夜もオシャレでゴージャスな内装のダブルの部屋だ。
まさに美しく才能のあるロックボーカリスト・日向諒にふさわしい…いや、こうして同じようにパジャマ姿で、ベッドのサイドライトの間接照明の光に照らされている横顔はやっぱり出会った頃や、諒の部屋で初めて結ばれた時の、みずみずしい美少年の面影を失っていなくて…麻也には本当にいとおしい…
麻也の視線を感じているだろうに、諒はこっちに目を合わせてはくれない。
そのままベッドに入ると、
「…おやすみ」
目をそらしたまま言うと諒は自分の方のライトを消した。
背を向けられたまま…
それで麻也も急いで自分の方のライトを消した。おやすみ、と。
次の日の楽屋では、諒は麻也にべったりだった。それは身内から見ても確かに不自然だったが、楽屋を訪れる客たちをびっくりさせるには十分だった。
「自分の周りに迷惑かけて。男の影をアピールして。よっぽどのことがあったんでしょ。引退しても悔いがないくらいの。」
すると、社長は怒ってしまい、
「 あっちの都合は知らねーよ。よそのタレントのことなんか!」
「諒、俺は…」
「麻也さん、どうして2人きりで話してくれないの? ツアー終わったら別れようってこのことだったの?」
「それだけは違う」
「だけって何? 何なの?」
麻也は全く言葉に窮してしまった。
言えば言うほど墓穴を掘ってしまう。麻也は黙ってしまった。と諒は、
「とにかく麻也さんも今は普通の体じゃないんだし。プライベートのことは保留にしよう。ツアーが終わるまでは、これまで通りの付き合いってことでそれでいこう、それでいいんじゃない。」
信じられていないというのは悲しかったが、社長たちに深夜にこれ以上迷惑をかけるのも嫌だったので麻也はその提案を受け入れることにした。
「わかった。そうする。」
そして、
「社長、須藤さん、鈴木さん、すみません。
ツアーは絶対きちんと続けますので…」
それを聞いて諒はまた何か言いたそうに、きっ、と鋭い瞳を向けたが、口をつぐんでしまった。
そして、
「すみませんでした」
と諒は立ち上がると頭を下げ3人が帰らざるをえない雰囲気にしてしまった。
3人を見送って2人きりになると、やはり言葉はなかった。
しかし、麻也はこうしていても始まらないと思い、次の日のライブに備えて眠ることにした。
パジャマはいつしか諒とおそろいではなくなっていた。ふと見れば、今夜もオシャレでゴージャスな内装のダブルの部屋だ。
まさに美しく才能のあるロックボーカリスト・日向諒にふさわしい…いや、こうして同じようにパジャマ姿で、ベッドのサイドライトの間接照明の光に照らされている横顔はやっぱり出会った頃や、諒の部屋で初めて結ばれた時の、みずみずしい美少年の面影を失っていなくて…麻也には本当にいとおしい…
麻也の視線を感じているだろうに、諒はこっちに目を合わせてはくれない。
そのままベッドに入ると、
「…おやすみ」
目をそらしたまま言うと諒は自分の方のライトを消した。
背を向けられたまま…
それで麻也も急いで自分の方のライトを消した。おやすみ、と。
次の日の楽屋では、諒は麻也にべったりだった。それは身内から見ても確かに不自然だったが、楽屋を訪れる客たちをびっくりさせるには十分だった。
…女の子のウワサを消すため…?
…いやいや何よりこの二人、本当にデキてるのかもわからないし…
そんな視線を感じながら、諒の笑顔も見ながら、
(この優しさはすべて演技なのかな…)
と、自分が傷ついているのを感じていた。
…いやいや何よりこの二人、本当にデキてるのかもわからないし…
そんな視線を感じながら、諒の笑顔も見ながら、
(この優しさはすべて演技なのかな…)
と、自分が傷ついているのを感じていた。