アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎著 (創元推理文庫)
今年読了済みのものがたまっているので、
作家別に記しているが、数ヶ月前に読んだもの。
冒頭、またもや荒唐無稽に始まり、既に伊坂ワールド3冊目であったのでそれに面食らうこともなく読み進めました。
またしても読み始めから引き込まれる。。。
彼の作品には必ず1点、普通であれば目を覆いたくなる悪むき出しの部分が登場するのですが、(とはい . . . 本文を読む
オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎著(新潮文庫)
この作者の著作は4冊目。
最初、「ラッシュライフ」を読んだ時は、交差するような手法が馴染めずに面食らった記憶があるが、2冊目の「重力ピエロ」でかなり好きになった。
この「オーデュボンの祈り」は彼のデビュー作ということだが、しっかりとした土台にふわふわのメルヘンを載せたような彼独特の不思議な世界にすぐに引き込まれてしまう。
あとがきにミステリー倶楽 . . . 本文を読む
【夜のピクニック】恩田陸著
☆☆☆☆★
(↑全くの主観的な好みです)
恩田氏の作品、嫌いではないので読んでみたいとは思っていましたが、本は電車内で読むことが多いので、文庫化を待っていました。
噂にたがわず良い内容!
2日間で80kmを歩くという学校行事。
なかなか興味深いです。
聞けば、作者の出身高校での行事らしく、リアルな描写で引き込まれます。
「青春」と言えば、『さわ . . . 本文を読む
☆☆☆☆★
(↑全くの主観的な好みです)
最近、石田衣良氏の著作を読み漁っているのは、
どんな悲惨な内容のストーリーでも、読後感が爽やかでほっとするからだ。
爽やかで切なくて暖かい。
代表作のひとつ、「ウエストゲートパーク」のシリーズは、どうもタレントのイメージが先行してしまってずっと手が伸びなかったのだが、
4TEENで初めて氏の著作を読ませていただき、先入観が払拭された。
こ . . . 本文を読む
新潮社凍える牙 乃南アサ著
★★★★☆
深夜のファミレスで男が炎上する事件と、獣に喉笛を喰いちぎられるという連続殺人事件。
互いに反発しあいながら、事件の真相に近づいてゆく孤高の女性刑事と女性蔑視の中年刑事。
そしてついに見つけ出した崇高なまでの獣の正体とは?
推理小説、あるいはミステリー小説とは思わないほうがいいと思います。
女性作家ならではの清潔な筆致と、後半ほぼ主役に匹敵するウルフド . . . 本文を読む
新潮社ラッシュライフ
★★★☆☆
信念を持った泥棒、
「神様を解体しよう」と持ちかけられる青年、
再就職がままならぬままなぜか忠実な老犬と拳銃を手に入れる失業者、
まるで身勝手な精神科医、
生きた証に強盗を考える老夫婦、
日本語の収集をする白人女性、
尊大な画廊経営者・・・。
まるでバラバラで興味深い登場人物たちの織り成す
それぞれのストーリーが、最後にみごとに絡み合ってくる。
とてもおし . . . 本文を読む
講談社半落ち
嘱託殺人・・・。その犯人を知る人は、皆彼を救いたいと思う。
が、犯行後の空白の2日間がそれを妨げる。なんのために彼は隠さねばならないのか。
彼をめぐる人々の思惑と、意外な真実。
数年前、映画化されたときにハードカバーは書店に平積みで出ていましたが、
文庫になるのを待ちました。
なるほど、緻密に組み立てられた骨太のストーリー。
刑事、検事、新聞記者、裁判官、弁護士、そし . . . 本文を読む
講談社変身
主人公は世界初の脳移植手術を受ける。
手術は成功したかに見えた。実際成功したのだ。
が、手術の思わぬ影響が、ひたひたと主人公に忍び寄る。
彼自身を消滅ならしめようと。
主人公を消し去ろうとしているドナーとは?
そして主人公の最後の抵抗は?
東野作品は2作目。
以前読んだものがあまりにも残らなかったものだから、
少し躊躇はありましたが、映画化されるということで、面白いかな、と。 . . . 本文を読む
新潮社回想のビュイック8
数日前、やっと読了。
時間の合間合間で読んだので、寸断されつつの読書でした。
そういうこともあり、感想は?ときかれると、どうだろう・・・う~ん・・・
あまりにも非現実すぎて、初めは面食らいました。
着想が突飛!
結局謎の車ビュイック8と、車とともに現われて消えた謎の男の正体は
わからずじまいで消化不良気味かとも思いながら読み進めましたが
ストーリーの主軸はそこ . . . 本文を読む
講談社流星ワゴン
重松清氏の作品は2冊目。
かなりさらっと読めました。
ディケンズの【クリスマスキャロル】を思い出します。
家族はばらばら、リストラでぼろぼろになった自分、
再生不可能な現実を投げて「死んでしまいたい」と思う主人公が
既にこの世の人ではない親子を道案内として、それまでの人生の分岐点に立ち返ります。
「ここで違う行動をとっていれば・・・」
しかし彼には「違う行動」をどうとれ . . . 本文を読む
講談社のだめカンタービレ
以前の職場の友人から久しぶりにメールが来ました。
その彼のおすすめ、【のだめカンタービレ】。
>家に数巻転がっていたのを読んで、続きを買いに本屋に走った・・・
そうなので、きっと面白いのだろうと。
とりあえず、1・2巻を買って読みました。
表紙の絵柄はあまり好みでないかなとも思いましたが、
内容が面白くて絵柄も気にならず、続きも購入。
その後一気に12巻読み . . . 本文を読む
角川書店青の炎
ものごと、やってみなければわからない。
シミュレーションではうまくいくはずのことも、
実際に実行することで不備が見つかるということは良くある話だ。
しかし、殺人計画においては1つのミスも許されない。
「家族を守る」
その為の殺人だ。自分の犯行が露呈すれば、それも家族を傷つける。
罪、それも殺人。
殺す相手がどんな人間であれ、人殺しの自分に逃げ場はない。
「こんな思いをす . . . 本文を読む
新潮社神様のボート
江國さんの世界は独特の空気感を感じる。
透明でけだるく、おとぎの国のようだが、その中で現実もピリッと効いている。
母と娘の2者で語られるこの物語、母の世界の一部だった娘が、
成長につれて自己を確立していく。
次第に2人は互いを思いやりながら、傷つけ合っていく。
なんだか物悲しい気持ちになった。
結末はどっちなのかなぁ。最初はただ、ハッピーエンドでよかったよかったと、泣いて . . . 本文を読む
<btarget="_blank">新潮社きよしこ
一人の少年の成長とともに語られるエピソードが短編で7話。
人の成長過程で普通に起こりうる普通の、そしてほろ苦い出来事を、少年を通して思い出させられた。
主人公は吃音で言いたいことを思うように言えない。
いいたいことが言えない・・・誰しも多少なりとも味わったことのある感覚だと思う。
そんな思いの中で出会う友達、大人、そして恋人・ . . . 本文を読む
小学館月館の殺人 上 (1)
佐々木倫子氏のマンガは
【動物のお医者さん】、【おたんこナース】、【Heaven?】と読んでいる。
それ以来なのでほんと、久しぶり。
今回たまたま本屋で見つけました。
原作は、綾辻行人氏。未読です。
ミステリーを佐々木氏が?と、ちょっと意外だったけど、ギャグ満載の中身は今までどおりの佐々木ワールド。
殺しが題材というのが今もってしっくりこない気もしま . . . 本文を読む