Afee blog

Anwish

ライブキャラバン Wish on a Rainbow ~港町から港町へ・祈りよ届け大槌町へ!~�

2013-08-22 23:50:20 | Weblog

そして、私がこの岩手の訪問で、一番衝撃を受けたのが、数十名の命が奪われたという、大槌町の町役場。



ここに立った時、誰もが言葉を失った。

訳もなく涙があふれそうになった。
うまくは表現出来ないけれど、魂が宿っているようで、思いがつまっているようで胸が押しつぶされそうになった。

きっと写真では伝わらないだろう・・・

出来る事なら一度は、この場所に立ってみてほしい。

言葉でも写真でも、伝え切れない多くの事を感じてほしいから。



最終日には、三陸銘菓「かもめの玉子」を作られている、さいとう製菓さんが運営されている「津波伝承館」に行かせて頂いた。

この日は、お盆休みで休館のはずが、館長である、さいとうさんのご好意で入館させていただく事が出来た。



この伝承館は、震災、そして津波で多くの尊い命が奪われた事実を風化させない為に、そして今後、震災や津波で一人でも多くの人に助かって欲しいという強い思いから作られた。

今後も日本は、大規模な南海トラフ地震がこの100年の間に発生する可能性が高いと言われている。

もし、発生すれば東日本大震災の10倍の被害が出ると言われ、死者は最悪で32万人。

でも、適切な対応で死者は5分の1に被害を抑えることが出来るとも言われている。

南海トラフ地震の予想は、M9.1。
津波は最大で、高知県34mが予想されている。

それを考えると、「津波伝承館」の存在は本当に大きい。

伝承館でお聞きした事は、「人は災害時などに、自分自身には大変な事は起こらない」という、冷静にいようとする心理が働くそうで、亡くなられた方々の多くは「ここまでは、津波はこないだろう」と逃げなかった方や、一度は非難したのに、自宅にまた戻られた方がとても多いとの事だった。

「地震があったらすぐに高いところに、非難する。そして、絶対に戻らない。」
簡単な事のようだけれど、その時、本当に動けるのか。
この伝承館が一番伝えたいことだ。

また、伝承館では、実際にさいとうさんが撮影されたビデオが放映されている。
地震発生から、津波に街が飲み込まれていく様子。

建物がきしみ、潰れていく音
あちらこちらから吹き出る煙
あっという間に全てが飲み込まれていく

「もうやめてくれー!」と泣き叫ぶさいとうさんの声と共に
多くの方々の泣き叫ぶ声が収められていた。

もう、誰も涙を止められなかった・・・

ビデオ放映の後は、食料確保等に大変苦労された体験もお話くださった。

「お金なんて何の役にも立たないよ。物々交換になるからね。」
そして、周りの人達との日々のコミュニケーションが大切だと強く語られていた。

そして、印象的だったのは、

「震災後何もなくなってみんなもうダメだと思った。でも、ボランティアの方の姿を見て、私らも頑張らないといかんのやと気がついた」

と、復興のきっかけを語られた言葉だった。

そして「人は、決して一人では生きられない。」

そうおっしゃっていた言葉が忘れられない。



美しい岩手



あったかい岩手



私達は、決して一人では生きてはゆけない。

そう、みんなどこかでつながってる。

神戸の震災の時も多くの方々から支援を戴いて、今の神戸がある・・・

どこまでも続く平地、ボロボロの建物、山のように積まれた瓦礫。
岩手の「復興」への道のりは、まだまだ遠い。

支援を、みんなの愛を、どうか少しでも岩手へ。

そして、物質的なものだけではなく、一番長くかかる「心の復興」も忘れてはいけない

私達はいったい何が出来るか。

この訪問で、ほんの少しだけだけれど、分かった事。

それは「何が出来るかではなく、自分がやれる事を精一杯させて頂く」という事。


そして、今回、横浜、神戸から応援メッセージ、カンパ、募金で応援してくださった皆様。
私たちを暖かく迎えてくださった岩手の皆様。
最高にアツイTEAM LINKSのみんな。

応援してくださった全ての方々に

本当にありがとうございました。

このblogが、震災を振り返り、支援の輪が広がるきっかけになりますように
そして、今後震災にあった時に一人でも多くの方が助かる為に少しでも役立ちますように

あなたの為に、そしてあなたの大切な人達の為に


ライブキャラバン Wish on a Rainbow ~港町から港町へ・祈りよ届け大槌町へ!~③

2013-08-22 21:49:06 | Weblog

マストに来て、時間を忘れて展示会を拝見させて頂いていたようで、気がつけばもうすっかりお昼になっていた。

こんなにも苦しい。
こんなにも悲しい。
でも誰もそれを、決して表に出さない。
出会う人、出会う人、みんな優しげな笑顔だった。

私たちが今、出来ること。

それはやっぱり「精一杯歌わせて頂く事」だった。
亡くなった方々を偲び、鎮魂の思いをこめて。
そして、それぞれの傷をおいながらも今を懸命に生きている方々のために。

そう心が決まった。

いよいよLIVE会場である「福幸きらり商店街」に向かう。



福幸きらり商店街はプレハブで出来ていた。
やっぱりここでも、みんな笑顔で迎えてくださった。

そして「Team LINKS」の皆と再会!



「ライブキャラバン」のフライヤーを貼って横浜から車で何時間も走りっぱなしで来てくれたんだ。





言葉では、表現しきれない・・・
みんな、アツイ最高の人なんだよ!



そして、横浜の方々も応援に駆けつけてくださったりと、なんだか同窓会気分で、テンションはあがっりっぱなし。



今回初対面のミュージシャン「JIINO」



抜けるような青空の下、JIINOの声がみんなのheartに響いていた・・・

私達が演奏する頃には、もう日が陰りだしてきた。



空は高く山は青々としている。

空や、山、海を感じる。

柔らかな風がふいていた。

亡くなった方々の魂や思いが、岩手の自然と一体になったような気がして。

魂が思いがそこにあるような気がして。

思わず手を伸ばした。

見えないけれど・・・

「来たよ」とつぶやいた。



なぜか、目の前にたくさんの方々が優しい気持ちで見てくださっている。
そんな気持ちで立っていた。



君の心が濡れてしまわぬように
いつでも僕が傘になる

未来は二人見つけに行こう
だから今日は少し雨宿り

その悲しみにいつか虹がかかる
降り止まない雨なんてないから
信じて きっと守ってみせる
君の空が晴れに変わるまで

日は昇り必ず君を照らす
いつでも僕がそばにいる
(「虹がかかるまで」より)

4曲、心をこめて歌わせて頂いた。





そして、神戸と横浜から頂いた寄せ書きを商店街の会長さんに、お渡しさせて頂く事が出来た。



神戸のみんなの笑顔が思い浮かぶ。

何度もありがとう、ありがとうと心の中でつぶやきながら、商店街を後にした。



次のLIVE会場「おらが食堂」
お客様にとっては、突然のLIVEとなる。

でも、JIINOも私達もやっぱり暖かく迎えて頂いた。







住み慣れた故郷。
見慣れた光景は、もうそこにはない。
今までの日々が嘘のように、どんなに目を凝らしても、もう何も見えない。
大切な人と共になくなってしまった。

こんなにも苦しい。
こんなにも悲しい。

でも誰もそれを、決して表に出さない。

「遠いところから来てくれてありがとう。」
みんなそうやって、優しく微笑んで迎えてくれた。

聞けば、お母さんや、おじいちゃん、大切な人を失くされた人・・・

でも、優しく微笑んでくれるんだ。

おじいちゃんが言う。

「大槌は街を歩けば、みんな知り合いだった。でも、今は誰も会わないよ。
人が歩いてると思って話しかけたら、県外からのボランティアの人なんだよ。」

って。

漁師だったおじいちゃん、船と右腕だった相棒が津波に流されてしまった。

「飲んでくれよ、飲んでくれよ。」

そうやって、微笑んでくださった笑顔が忘れられない。



そして、大槌町の若者達。
彼らの未来の為にも、岩手は立ち上がらなければならない。



みんなで思いっきり盛り上がったね。

ありがとう。

本当に、ありがとう。



「また、絶対来てくれよな!!」

そう言って一人の若者が、これをくれた。



そして、

「大槌を忘れんといてくれよ。」

真っすぐの目で、そう言った。

忘れないよ、絶対。

また必ず帰ってくるからね。



横浜、そして神戸からのたくさんのカンパと寄付。
そして、心のこもった寄せ書き。

自分達は、野宿でもいいと当日まで宿さえとらず、必死に奮闘してくださったTeam LINKSのみんな。
何時間もかけて、応援に駆けつけてくださったみんな。
そして、岡畑農園の方々も当日同行くださり、熱中症対策にと、たくさんの梅干しを差し入れてくださった。

たくさんの思い、たくさんの愛に支えられて、私達は岩手の皆さんの前で歌う事が出来ました。

本当にありがとうございました。

なんかね、あったかくて、嬉しくて、テンション上がっちゃって、もう思わず梅かぶっちゃった(笑)






みんなみんな、本当にありがとう!!



いつも、心は岩手のみんなと共に。

私達の活動は、まだまだ始まったばかりだ。

(photo:イッセイ コバヤシ)