そして、私がこの岩手の訪問で、一番衝撃を受けたのが、数十名の命が奪われたという、大槌町の町役場。
ここに立った時、誰もが言葉を失った。
訳もなく涙があふれそうになった。
うまくは表現出来ないけれど、魂が宿っているようで、思いがつまっているようで胸が押しつぶされそうになった。
きっと写真では伝わらないだろう・・・
出来る事なら一度は、この場所に立ってみてほしい。
言葉でも写真でも、伝え切れない多くの事を感じてほしいから。
最終日には、三陸銘菓「かもめの玉子」を作られている、さいとう製菓さんが運営されている「津波伝承館」に行かせて頂いた。
この日は、お盆休みで休館のはずが、館長である、さいとうさんのご好意で入館させていただく事が出来た。
この伝承館は、震災、そして津波で多くの尊い命が奪われた事実を風化させない為に、そして今後、震災や津波で一人でも多くの人に助かって欲しいという強い思いから作られた。
今後も日本は、大規模な南海トラフ地震がこの100年の間に発生する可能性が高いと言われている。
もし、発生すれば東日本大震災の10倍の被害が出ると言われ、死者は最悪で32万人。
でも、適切な対応で死者は5分の1に被害を抑えることが出来るとも言われている。
南海トラフ地震の予想は、M9.1。
津波は最大で、高知県34mが予想されている。
それを考えると、「津波伝承館」の存在は本当に大きい。
伝承館でお聞きした事は、「人は災害時などに、自分自身には大変な事は起こらない」という、冷静にいようとする心理が働くそうで、亡くなられた方々の多くは「ここまでは、津波はこないだろう」と逃げなかった方や、一度は非難したのに、自宅にまた戻られた方がとても多いとの事だった。
「地震があったらすぐに高いところに、非難する。そして、絶対に戻らない。」
簡単な事のようだけれど、その時、本当に動けるのか。
この伝承館が一番伝えたいことだ。
また、伝承館では、実際にさいとうさんが撮影されたビデオが放映されている。
地震発生から、津波に街が飲み込まれていく様子。
建物がきしみ、潰れていく音
あちらこちらから吹き出る煙
あっという間に全てが飲み込まれていく
「もうやめてくれー!」と泣き叫ぶさいとうさんの声と共に
多くの方々の泣き叫ぶ声が収められていた。
もう、誰も涙を止められなかった・・・
ビデオ放映の後は、食料確保等に大変苦労された体験もお話くださった。
「お金なんて何の役にも立たないよ。物々交換になるからね。」
そして、周りの人達との日々のコミュニケーションが大切だと強く語られていた。
そして、印象的だったのは、
「震災後何もなくなってみんなもうダメだと思った。でも、ボランティアの方の姿を見て、私らも頑張らないといかんのやと気がついた」
と、復興のきっかけを語られた言葉だった。
そして「人は、決して一人では生きられない。」
そうおっしゃっていた言葉が忘れられない。
美しい岩手
あったかい岩手
私達は、決して一人では生きてはゆけない。
そう、みんなどこかでつながってる。
神戸の震災の時も多くの方々から支援を戴いて、今の神戸がある・・・
どこまでも続く平地、ボロボロの建物、山のように積まれた瓦礫。
岩手の「復興」への道のりは、まだまだ遠い。
支援を、みんなの愛を、どうか少しでも岩手へ。
そして、物質的なものだけではなく、一番長くかかる「心の復興」も忘れてはいけない
私達はいったい何が出来るか。
この訪問で、ほんの少しだけだけれど、分かった事。
それは「何が出来るかではなく、自分がやれる事を精一杯させて頂く」という事。
そして、今回、横浜、神戸から応援メッセージ、カンパ、募金で応援してくださった皆様。
私たちを暖かく迎えてくださった岩手の皆様。
最高にアツイTEAM LINKSのみんな。
応援してくださった全ての方々に
本当にありがとうございました。
このblogが、震災を振り返り、支援の輪が広がるきっかけになりますように
そして、今後震災にあった時に一人でも多くの方が助かる為に少しでも役立ちますように
あなたの為に、そしてあなたの大切な人達の為に