KANON廃園

スタジオカノン21年間の記録

2002年の仕事①〜ちよちゃんのおさげは人参!?

2019年09月07日 | カノンの記録
★あずまんが大王 2002年4月〜9月放送

 原作 あずまきよひこ(メディアワークス刊「月刊電撃大王」)
 監督 錦織博
 シリーズ構成 大河内一楼
 キャラクターデザイン 加藤やすひさ
 美術監督 柴田千佳子
 色彩設定 店橋真弓
 撮影監督 高瀬勝
 アニメーション制作 J.C.STAFF

  ※前年の冬、TV シリーズに先立って、5分間の劇場版が作られました。


原作は4コマ漫画で綴る女子高生の日常学園コメデイといったところ。
愛すべきキャラたちのちょっと間が抜けたようなボケとツッコミギャグが織りなす平和な世界。
このまったり感がスルメのようにじわじわと癒し効果をもたらしたのか、多くのアニメファンのハートをつかんだようです。
ユニークなOPも話題に。



「天使になるもん!」の錦織監督の依頼で初めてJ.C.STAFFの仕事をすることになりました。
それまではJCさんと言えば、美形キャラ、リアルめの背景というイメージがあり、
「闇の末裔」など背景会社の下請けでお手伝いしたことはあったものの、自分が美術を依頼されることはないだろうと思っていました。

「あずまんが大王」だからこそ、明るく楽しい4コマ作品の背景ならなんとかこなせるだろうと比較的甘い乗りで引き受けたものの、
 JCに初めて伺った時は何かとても緊張したような気がします。
 (イケメン、強面織り交ぜて、当時のJC制作部はプロデューサーの目が光る男性軍団だったからか!?)

この作品は学校の教室やそれぞれのキャラの家、住宅街などがメインの背景でしたが、 
「行事」によっては描き込みを要するシーンが色々出てきました。
夏休みはキャンプ場のバンガロー、初詣の神社など、
そして沖縄への修学旅行編がありましたが、残念ながら取材には行けませんでした。

吉祥寺あたりなど取材写真をレイアウトにした原図が度々入ってきましたが、
沖縄編の時はスケジュールも押してしまい、
結構大変な内容なので急遽「スタジオ風雅」に手伝っていただきました。
さすが風雅様、素晴らしい背景でした。
その節はありがとうございました。


沖縄の某ホテル





 石像がハーモニー処理でした。


沖縄とくればやっぱり首里城!

その他、色々な背景会社にお世話になりましたが、驚くべきは、当時のスタジオジブリの背景部にお手伝いいただいたことです。
丁度「千と千尋の神隠し」も終わり、手が空いていたのでしょうか。
こういう軽めのTV作品も経験して、描くスピードを上げたかったのかもしれませんが、丁寧に仕上げていただいて、大変恐縮してしまいました。
後にも先にもジブリとのお付き合いはこれだけでしたが。
皆様本当にありがとうございました。