KANON廃園

スタジオカノン21年間の記録

 2005年の仕事③〜 奥様は箒に乗って恋をする。

2020年01月11日 | カノンの記録

☆奥様は魔法少女 2005年7〜9月放送 全13話

原作  J.C.STAFF 、錦織博 池口和彦

監督  錦織博

シリーズ構成  錦織博、松倉友二、池口和彦

キャラクターデザイン 長谷川眞也

美術監督  柴田千佳子

色彩設定 石田美由紀

撮影監督  福世晋吾

アニメーション制作 J.C.STAFF

 

「天使になるもん!」「あずまんが大王」の監督である錦織さんの作品に再び参加となりました。

 原作がなくJ.C.STAFFのオリジナルアニメーションのため、まだ具体的なストーリーがない段階でしたが、とりあえず山口県の萩市を舞台にするということで美術だけ先行して取材に行くことになりました。

街の全体の景観や空気感を抑えて、オススメの名所をいくつか回り、あとは温泉でまったり。

作品には登場しませんでしたが、秋吉台の鍾乳洞も見学できて充実の取材旅行となりました。

 

萩市といえば、なんといっても吉田松陰の松下村塾があります。

伊藤博文や久坂玄瑞など幕末の志士たちの生家なども観光名所となっていました。

古くは毛利家が築いた萩城の跡があり、歴史が紡ぐ素晴らしい景観の街です。

で、なんで萩?魔法少女とどう関係が?というところですが、そこはアニメの勝手なこじつけで、27歳の人妻である嬉子(うれしこ)さんは実は魔界からこの街の管理者として派遣された魔法少女だったのです。

都会でなく、大きすぎず風情があって特徴的な街として、なんとなくこの萩が抜擢された感がありますが、背景美術的には、名所旧跡おりまぜて風情ある舞台作りに貢献したつもりです。

ただし、のちにここがアニオタの聖地巡礼の場になったかは不明。

(場所当て探しのブロクはあったような。)

キスしたら魔法が使えなくなるという理由で夫とは別居中なのに、冴えないメガネの下宿男と恋に落ちるとか、お話や設定には???なところ多々あれど、そもそも声優の井上喜久子さんに色っぽい人妻役をやらせたいがための当て書きのお話だったのでは?と勝手に推測したりして。

もちろん諸事情は何も伺っておりませんが。

(井上さんは近年、「あまんちゅ!」でおばあさん役を演じ、多彩な役者ぶりに感心しました。

でも「あまんちゅ!」の打ち上げ会では嬉子さんのような雰囲気そのままの素敵な方でした!)

 

瓦や塀が美しい城下町の通り

巽が下宿する嬉子さんが住む家。裏庭が広く、魔法で形作られたおかしな植物があります。

生活用水として活用された水路のある旧跡の街並み。床下にも水が流れている家があります。

嬉子さんの夫はこの辺りに住んでいる作家先生。

浅めの夕景

夕暮れの川辺も風情があります。

旧家の縁側でのんびりできます。

おなじみ松下村塾もデートコースで登場。

萩焼の窯場。たくさんあります。

このあたりの背景はパインウッドさんにお手伝いいただきました。ありがとうございます。

 

魔女友が集うアンティークな喫茶店。

そのほか、学校はもちろん明倫館が舞台となり、東光寺の石灯籠もバトルで壊され、見所いっぱいです。