カプアン通信

犬の命を救う自治体はどこか(平成27年度殺処分データより)


犬猫殺処分をなくすにはどうすればいいでしょう。

簡単に言えば、保健所、動物愛護センターに収容される犬猫を減らし
入れられてしまった犬猫は、処分される前に出せばいい訳です。

しかし、収容を減らすことは簡単ではありません。
犬でいえば「狂犬病予防法」という法律があり、狂犬病予防員は
首輪などに鑑札、狂犬病予防注射済票をつけないでいる犬を見つけた場合、
捕獲する義務があります。

善意で迷子犬猫を交番に届ける場合もあると思います。
すぐに飼い主が見つかったり、見つけた人が保護してあげられればいいですが、
交番に届けたままだと、結局、動物愛護センターに送られることになります。

以前は、飼い主の都合で、センターに引取を依頼される犬猫が多かったですが
現在は、環境省から「できるだけ生存の機会を与えること」という通達が出てますので
以前より多くないはずです。しかし、まだまだ飼い主の啓蒙が必要です。

センターから出す方法は大きくわけて2つあり
ひとつは「返還」。つまり迷子犬猫の飼い主への返還です。
平成27年度の統計では、山梨県の返還率が高く、収容された犬703頭に対して
533頭が返還されています。約76%です。
ま、迷子犬が多いのも考えものですが。
また、猫の場合は、収容される猫のほとんどが野良猫のためか、返還数はとても少ないです。
一番多かった福岡県で年間34頭です。返還数ゼロの県もたくさんあります。
犬の返還は全国合計13,220頭ですが、猫の全国合計はたった345頭です。

もうひとつは「譲渡」です。個人ボランティアやボランティア団体が引き出すだけでなく
愛護センター自体が譲渡会を開いて譲渡に積極的な場合もあります。
前にも書きましたが、千葉県の場合、平成27年度に収容された犬は1,656頭でしたが
989頭が譲渡されました。収容犬の約60%が譲渡されたことになります。


ここまでは前置きです。
犬猫を扱っている自治体のうち、
どこが犬や猫の命を大切に考えているか調べる方法があります。

前々回までご紹介した。殺処分数も目安になりますが
もうひとつは、「生存率」です。

ものすごく簡単に書くと
引取数-(返還数+譲渡数)=殺処分数 ということになります。
※引取数とは飼い主からの引取と捕獲(猫の場合は所有者不明の引取)の合計です。
※細かくは翌年度への繰り越しや、収容中の死亡もあるので、厳密なものではありません。

前段に書いたとおり、殺処分を減らすには、収容数をできるだけ減らして
返還および譲渡をできるだけ増やせば有効なわけです。

その結果を数値化したものが「生存率」です。
引取数100頭だったとして、殺処分数が10頭だったとすれば殺処分率が10%で
90頭は返還もしくは譲渡で生き残れたわけですから生存率は90%です。


「引取数」が少ない自治体は、職員が飼い主を説得して持ち込みを減らしているかもしれません。
または、捨て犬や、迷子が少ない自治体かもしれません。
「返還数」が多い自治体は、飼い主さんに迷子を熱心に知らせているか
飼い主さんが一所懸命迷子の子を探す自治体かもしれません。
そして「譲渡数」が多い自治体は、自治体としても犬猫の命を救うことに熱心な自治体です。


先日、環境省のデータを計算しながら、もしかしたら処分率や生存率をリスト表示できるファイルを
自分でも作れるのでは? と思い、チャレンジしてました。その結果・・・

「自治体名」「引取数」「殺処分数」を入力するだけで、
「殺処分率」「生存率」「ランキング」が一瞬で表示できるデータベースを
「ファイルメーカー」というソフトウェアで作ることができました。
これは「エクセル」でも作れますし、会計などのお仕事をされている方なら1分で作れるかもですが
自分の会計処理用に独学で使っているソフトなので、やや苦労しました。


生存率と言っても、引取数が1,000頭の自治体が100頭の殺処分をした場合と
引取数が10頭の自治体が1頭の殺処分をした場合では同じ90%ですが、
労力が違いますから単純比較はできません。
なので、引取数が比較的多い「都道府県」
引取数の少ない「指定都市」「中核都市」を分けました。
また似たような生存率だったとしても、引取数が多い自治体のほうが努力していることになります。

とりあえずご覧ください。今回は自治体別「犬」の生存率をご紹介します。

まずは都道府県のランキング。
これは自治体としての都道府県のことであり、都道府県エリアのことではありません。



都道府県の生存率の平均は67.89%です。意外と高い割合だと思います。
この中で引取数(収容数)1,656頭ながら生存率約88%の千葉県はかなり努力してると思います。

続いて政令指定都市のランキングです。



なんと平均生存率90.23%
187頭引取ながら1頭しか殺処分がなかった千葉市は素晴らしいです。

続いて中核市のランキングです。



ここは殺処分ゼロの市がふたつありますが、同じゼロでも内容がすこし違います。
長崎市の場合は、収容数105頭で、返還数が56頭、譲渡数が49頭できれいにゼロになります。
西宮市の場合は、収容数17頭ですが、返還数2頭、譲渡数9頭で計算が合いません
もしかしたら、翌年度に6頭繰り越しになったのかもしれません。

中核市の生存率も高いです。管轄エリアが狭いので、引取数も少ない場合が多いですし
一般に、都道府県の自治体より指定都市や中核市のほうが動物愛護予算が多いようです。


次回は猫のランキングをご紹介する予定です。






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千葉県の広範囲で捜索中です。
東京東部でも目撃情報があります。
上記写真の犬に注意していただけると助かります。
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