カプアン通信

映画「ギフト(仮題)」


2週間くらい前に、見知らぬ名前の外国人からメールをいただきました。

そもそも外国人からメールを受け取ることは、ほぼないので
迷惑メールかな?と思ってしまいましたが

本文は日本語で、Animal Walk Tokyoさんからご紹介されました
と書いてありました。
それならボランティア関係のメールです。

Animal Walk Tokyoさんは、在日外国人が中心のボランティアグループで
日本の犬猫保護団体を支援するチャリティーイベントを何度も開いてます。
わたしも、チャリティードッグウォークPUB QUIZといったイベントでご一緒し
前代表のブランディさんとは何度かメールのやりとりをしたことがあります。

さて、今回いただいたメールは

日本育ちのアメリカ人の映画監督リンダ・ホーグランドさんという方からで
ご自身が作られた「ギフト(仮題)」という新作映画が
「東京フィルメックス映画祭」に招待作品として上映されることになり
上映会にぜひご招待したいとのことでした。

リンダ・ホーグランドさんとはどういう方だろう?と思い
ホームページを拝見すると、大変な方だとわかりました。

宮崎駿、黒澤明、深作欣二、大島渚、阪本順治、是枝弘和、黒沢清監督作品等、
200本以上の邦画の英語字幕制作を経験され
NYで話題になった、故中村勘三郎さんの英語歌舞伎のセリフを指導。
横尾忠則氏をはじめとする多くのアーチストの作品翻訳や通訳を担当し
横尾さんとは親友とのことです。

1970年代~80年代の日本のグラフィックデザインに憧れた私にとって
横尾さんは一時、崇拝対象に近い存在でした。

これは行かないとだめだ、と
監督に「お招きありがとうございます」と返信しました。

そして連休明けの火曜日に有楽町マリオンの朝日ホールに出かけてきました。




ホールのロビーで監督にお目にかかり
ご招待のお礼を伝えました。
監督の後のポスターは、今回の映画のポスターです。




「ギフト(仮題)」は、
レスキュー活動を通して、動物と人間の関係を追ったドキュメンタリー映画です。
日本でも最近「犬と猫と人間と」など、いくつかの動物愛護に関わる映画が
公開されてますが、それらの邦画とはちょっと印象が違います。

犬の譲渡会のシーンや、オオカミ犬をレスキューしている団体も出てきますが
それらはストーリーのほんの一部であり、愛玩動物にかぎらず
動物園で処分されそうになった猛獣たちのサンクチュアリを作った人や
ニューヨークの大聖堂で行われた、巨大な動物感謝祭の様子や
引退後の競走馬の世話をする刑務所の囚人、
北海道で40年以上、冬のタンチョウヅルに餌を与える93歳のおばあさんなど
複数のシーンは場所も人種も、動物の種類もバラエティです。

映像は息を飲むほど美しく、
「美しいものをみなさんに差し出す」というのが監督のポリシーでありスタイルだそうで、
過去に「広島原爆」や「安保闘争」をテーマとした映画を制作してますが、
どれも、美しい芸術作品となっているそうです。

今回も、監督が世界一のカメラウーマンと呼ぶ
クリスチャン・ジョンソンさん(マイケル・ムーア監督の『華氏911』などを撮影)
が撮影を担当し、ソニーの高性能スローモーションカメラが多用されています。
スローモーションは音声のシンクロができないため、
これもハリウッドの凄腕技術者が編集を担当しました。

また、エンディングには、坂本龍一氏が音楽の提供・演奏を担当してますが
20年来の知人で、動物愛護活動に熱心なことから
楽曲提供を快く承諾されたそうです。


映画には、過激な発言をする人や、学者は出てきません。
動物を救うことや関わることに真摯な人々が淡々と自分の言葉で語っているだけです。
何かを訴えるとか、押し付けるようなところは一切ありません。
むしろそのほうが映画を見た個人個人が
自分の心で感じることができるのかもしれません。

ドキュメンタリーフィルムシーンの間に、映画の「軸」となる
日本の民話「鶴の恩返し」のアニメーションが挿入されます。

このアニメーションは、香港出身でアメリカで活躍するイラストレーターに
伊藤若冲(じゃくちゅう)の鶴の絵を見せて
「若冲へオマージュの「鶴の恩返し」を想像して欲しい」と注文したそうです。
私はテレビ東京の「何でも鑑定団」のファンなので伊藤若冲の名前は知ってますが
ほとんどの日本人は、そんな古典画家は知らないと思います。

そして「鶴」の印象的なシーンのナレーションは
大女優「ヴァネッサ・レッドグレイヴ」が担当しています。

このようなドキュメンタリーフィルムはいままでなかったのではないでしょうか?
カテゴリーとしても、アート作品でもあり、社会派のドキュメンタリーでもあり
なかなか類似の映画は思いつきません。




映画祭ですから、上映後に監督と東京フィルメックス・ディレクターによる
質疑応答が行われました。

Q&Aの詳細はこちらのページでご紹介しています。

観客に外国人が多かったそうで、
監督は日本で生まれ育ったバイリンガルですから、自分の発言は
早口の日本語と英語で交互にしゃべり、ディレクターが日本語で質問すると
すぐに内容を英語で通訳し、質問が英語だったら、内容を日本語でと
即時通訳の切れ味も見せました。

「ギフト」というタイトルについて監督から説明がありましたが
ギフトは「贈り物」だけでなく、「賜物」「恩恵」「才能」「能力」
といった、幅広く、ふくよかな意味がある言葉だそうです。

そして、鶴の恩返しはご存知のとおり、鶴がふすまに隠れて
自分の羽を抜きながら美しい着物を織るという物語ですが
これは、傷ついた動物が人間を信頼するようになる姿を
暗喩しているとのことです。

ニューヨークでの上映会では誰も質問をしなかったそうですが
この日は、つぎつぎに挙手があがり
鶴の恩返しの解釈への質問や
日本における競走馬の殺処分問題からアメリカの動物愛護についての質問や
人権問題に関する質問まで、いろんな質問が投げ掛けられ
そのつど、監督はユーモアを交え、軽やかに日本語と英語で質問に応えてました。


映画祭って何をするところだろう?という興味もあったのですが

公開前の話題作を見たい純粋な映画ファンも大勢きてましたし
内容が、レスキューということで動物愛護関係者も多かったと思います。
そして、日本での公開はまだ未定ですが
映画配給会社の担当者も来てましたので、ぜひ来年、ロードショウ公開して欲しいな
と思いました。




一番最後に、監督から
「本作で動物保護に興味を持った方は、
どんな小さなことでもよいので支援の手をお願いします。
きょうは動物保護団体のちばわんからメンバーの人に来てもらっています。
アベさん、どこにいますか? 立ってください」と呼びかけられ

焦り、照れながら、会場のオーディエンスにお辞儀をしましたが
意外にも大きな拍手をいただきました。

アニマルレフュージ関西さんも4~5人で来られていて紹介されました。
もしかしたら、エリザベス・オリバーさんもみえていたかもしれません。

監督の呼びかけにより、さっそくロビーで、保護犬を飼いたいという若い女性から
どうすれば飼えますか?という質問をいただき、いぬ親会への来場をオススメしました。


監督の話の中で、印象的な言葉がありました。

「10年くらい前から、NYあたりでは、犬を買うのはダサいと考えられるようになった」
「保護された犬を飼うことはクールという考えが広まっている」

という話でしたが、羨ましく感じました。
日本も早くそんな風潮が広まって欲しいです。


来年、この映画が日本で公開されましたら、どうぞ観に行ってください。
動物と人間のかかわりについて
自然に共感するようになる映画だと思います。














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迷子犬探しています。



11月3日朝、埼玉県南埼玉郡宮代町中央3丁目でちばわんの卒業犬が迷子になっています。
首輪もリードもつけておりません。埼玉県南埼玉郡宮代町周辺の方がいらっしゃいましたら、
注意していただけると助かります。

これらの犬を見かけましたら、場所と時間と、どちらに向ったかを
表記の連絡先までご連絡をよろしくお願いいたします。
ちばわん迷子ブログもご覧ください。→http://maigowanny.exblog.jp/

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ちばわんいぬ親会ねこ親会(保護犬保護猫の譲渡会)のおしらせ


明後日開催! 品川地区今年最後のいぬ親会ねこ親会です。私も顔を出します。
参加にゃんこの詳細はこちら→http://shinagawac.exblog.jp/
参加わんこの詳細はこちら→http://shinagawad.exblog.jp/
ウエルカムセンター周辺への路上駐車・駐輪はご遠慮ください



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動物愛護センターで使用する古新聞紙を募集しています


●お手数ですがチラシの混入のないようお願いいたします。
●ちばわん各いぬ親会ねこ親会会場へお持ちください。
問い合わせ先:gluck.lulu★gmail.com(★を@にかえて下さい)

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