カプアン通信

啓蒙ポスター



千葉の犬猫たちの現状を憂える預かりさんから
「犬猫を飼育する人を啓蒙するポスター」を作りたい
というご相談を受け、ポスター制作のお手伝いをしました。

この度、千葉県在住のボランティアさんたちのご協力を仰ぎ
千葉県各所に掲示していただくことになりました。


千葉県といっても広いのですが、
そもそもポスターを作るきっかけは、主に南部の犬猫の飼育状況が良くない
どうにかして正しい飼い方を知らせたいという話でした。
そのことは、千葉県動物愛護センターのデータにも表れています。

http://www.pref.chiba.lg.jp/aigo/toukeidata/doubutsuaigo/documents/7-14.pdf

いちばん下の「表14 動物の管理及び処分」を見てください。
「他所属から」という項目がありますが
これは、管轄外の地域から移送されてきたことを示します。
管轄地域より、よそから運ばれてくる犬猫の方が多いのです。

では、千葉県の動物行政の管轄地域はどうなっているのでしょう。
動物愛護センターサイトの管轄地名リストを元に色分け地図を作ってみました。



上の地図の、濃いピンク色の部分が千葉県動物愛護センター本所管轄地域です。

濃い青色部分は千葉県動物愛護センター東葛飾支所管轄地域です。

黄色は柏市の管轄。明るいブルーは船橋市の管轄。緑色は千葉市の管轄です。

そして残りの薄いピンク色の部分が、動物愛護センター管轄外で
保健所が捕獲管理して、千葉県動物愛護センター本所に移送される地域と思われます。


ポスターの重点配布地域確認の次は、ターゲットですが
どうも千葉県のお年寄りの飼い方がひどいらしい、という話を聞きました。

たしかに、自分の子どもの頃の犬猫の飼い方を思うとひどかったですし
それがそのまま続いていると考えられます。

いずれ古い人間はいなくなります。
次代を担う子どもたちの教育が大事です。
そこで、現在、小さいお子さんを子育て中の若いお母さんたちにアピールする
という目標を設定しました。


今回、ポスター作成に関して心がけたことがあります。
それは、カフェなどのお店でも気持ち良く貼ってもらえるよう
刺激的な表現はやめよう。ということでした。

たとえば、環境省の動物虐待防止ポスターなどは、表現が強すぎて
店舗などでは「それを貼るのはちょっと・・・」と言われることがあるそうです。
また、センターの写真などはどうしても悲惨な様子が強調されます。
それは事実ですし、伝えたいことですが、見る事を拒む人もいます。

そこで下記のように、猫と寄り添う、ちょっと困った表情の犬をメインビジュアルにしました。

なんとも哀愁あるお顔だと思いませんか?
この写真を選んだ時点で半分は仕事が終わったようなものでした。

完成したポスターです。部分部分をアップでお見せしますが本文が読めますでしょうか?
実物はA3サイズ、オフセット印刷ポスターです。









「8,556」という数字は、ちょっと説明がいるのですが

内訳は、犬2,641頭、猫5,915匹。千葉市、船橋市、柏市の頭数は含まれていません。

犬猫処分数合計の比較ですと全国ワースト1位になりますが、
犬のみでは全国ワースト4位、猫は全国ワースト1位です。


自治体別の数値比較はALIVEさんの「平成21年度版 全国動物行政アンケート結果報告書」を
参考にしました。

上記報告書には、地域別のワーストリストは毎年掲載されてますが
自治体別の順位は掲載していません。
データ使用の許可をいただくために、ALIVE事務局の方とやりとりしたときに
「地域によっては、施設が少ない場所があり、そういうところは処分数が多くなってしまうので
不公平をなくすために、あえて、地域別の紹介にしている」とのことでした。
まさに、千葉県の都市部周辺以外は、動物管理施設はありません。

しかし、千葉県は長年、犬猫の持ち込み数が多く、とくに子犬子猫の持ち込みが多いので
処分問題の改善に時間がかかっており、早急に地域の飼い主を啓蒙したい。
そのためにはあえて「全国ワースト1位」という目を引く表現で訴えたい。
と説明して、納得いただき、データ使用を了解いただきました。


ここに書かれた4つのルールは愛犬愛猫家のみなさんならご存知の
基本的なことばかりですが、まずは、これらの約束事を知ってもらい、
意識改革をしていただきたいと切に願います。





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ちばわんねこ親会いぬ親会のおしらせ

10月のちばわん品川ねこ親会いぬ親会


来週10月30日(日)11:00~15:00  品川区ウエルカムセンターにて開催!
参加にゃんこの詳細はこちら→http://shinagawac.exblog.jp/
参加わんこの詳細はこちら→http://shinagawad.exblog.jp/
ウエルカムセンター周辺への路上駐車・駐輪はご遠慮ください

コメント一覧

カプアンパパ
あずきママさん
すでにご存知だと思いますが
tomotenkuriさんが、千葉県在住の方にかぎり啓蒙ポスターをお配りしています。
http://wanyanfull.exblog.jp/16093782/

ポスターの効果が出てくれるよう願っています。
あずきママ
カプアンパパさん、ポスターはできるだけ効果のある(ありそうな)ところに貼るのが、いいですよね。捕獲や持ち込みの多い地域で少しでも多くの人の目に触れることを願っています。

カプアンパパさんが制作にあたって協力されているんですね。ありがとうございます。

予備は次回の参考になさるおつもりと思いますので、今回は遠慮して、もしこういうポスターをまた作る機会があれば、その時にでも・・・と思います。

それにしても、活動資金が必要ですものね。それによって枚数も限られてきますしね。
カプアンパパ
りりまむさん
ありがとうございます。
犬猫問題は、人によってとらえ方の温度差が大きいですね。
とくに、千葉県南部はよろしくない、と聞きましたので
基本的なルールを、なるべくわかりやすく読んでもらおうと思い作りました。

センターに入ってしまった犬猫たちを、ちばわんはじめ多くのボラさんたちが引き出すのに必死ですが、「入り」の方を減らさないと何時までたっても改善できませんね。そのためにも「啓蒙」が大事だと思います。

ほんとは、知事とかまわりのブレーンも、動物を取り巻く環境改善に努力して欲しいのですが、「金にならない」と思っているのか、あまり協力的には見えませんね。

おっしゃるとおり子どもたちの教育が、時間がかかるようでも、確実に環境を改善できるのではと思います。命の大切さを知ることは、犬猫だけでなく人間社会の安定にもつながるはずです。
カプアンパパ
あずきママさん
アンジェロも千葉県南部の町で捨てられ、保護されました。
南部は数えるくらいしか行ったことがないので、
実態がよくわからないのですが、自然が豊かで、放し飼いが多かったりするのでしょうね。

このポスターは、ちばわんの活動資金で作らせていただいてます。
活動資金はすべて、ご支援いただくかたがたからのご寄付です。
今回は、配布先の予定がある程度は決まってるようなので、余らないのではと思います。
1部でよろしければ予備をもらってますので、こんどいぬ親会のときにでも差し上げます。
カプアンパパ
ロンママさん
配布のご協力ありがとうございます。
多くの人の目にとまり
早く効果が現れて欲しいと願っています。

ロンママさんは、社交的で、飛び込み営業も得意な人に見えますが(笑)
カプアンパパ
はなこさん
ほんとに、おっしゃるように、
期限いっぱいで移送されてくる子たちは、
ただ殺されるために送り込まれるようなものなので、
ボランティアさんたちも辛いですね。

そういう子たちをできるかぎり救いたいという目的でも
このポスターを作りました。
またいずれ、違ったアプローチでポスターを作りたいです。
カプアンパパ
チャコ姉さん
ありがとうございます。
おっしゃるように、「もっと知りたい」とか
「自分にも何かできないか」と思う人が増えれば
きっと環境は変わっていくと思います。
そう願いたいですね。
カプアンパパ
ゆうぴょんさん
ありがとうございます。

もちろん、
すべてのお年寄りが犬猫にひどい仕打ちをしているわけではなく
保護ボランティアにかかわる人だっていますが
おっしゃるように、次代背景として「畜生」などと低く見ていたことはあったと思います。

ただ、現代はテレビや映画にも犬猫がたくさん活躍して
犬猫が好きだ、という人も大勢いますが、捨てられ、処分される犬猫が多いのは矛盾しています。
ただしい飼い方や情報を伝え続ける必要はありますね。

銚子、旭市など、海岸方面は、野犬化した犬が多いと聞いたことがあります。もしかしたら、食べ物(魚?)などが豊富なんでしょうか? でも、簡単に捕獲されるのは野犬などではないですね。捨て犬や迷子犬だと思います。
カプアンパパ
チビスケ母さん
ポスター制作にご協力ありがとうございました。

わたしなど、たいした活動をしてませんが
預かりボラさんたちの思いをカタチにできるよう
微々たるものですが、お手伝いをさせていただいてます。
千葉県の殺処分が急速に減るよう願っています。
りりまむ
完璧ですね!素晴らしいです!千葉県知事宛てに送ってやって下さい!先日、又しつこく千葉県ホームページよりメールをしました。愛護センターへ足を運び現状をしっかりと目に焼き付け改善をすべきだと!いつまでも鎖国状態になっている施設を何とかして欲しいと。県民の意識改革が一番大事な事ですが県の方でもちゃんとやってもらわないと。以前、どうぶつ福祉ネットワークさんよりポスターを取り寄せて近所の小、中学校に貼って貰いました。子供達に命の大切さを教える為に良いと校長先生もおっしゃられて、お役に立てたようです。より多くの人達に知って貰いたいですね。
あずきママ
カプアンパパさん、こういう啓蒙ポスターは、ぜひあちこちに貼って、関心を持ってもらいたいですね。
千葉県、特に南部の方がひどいという状況は事実のようですが、都市部の多い地域でも、こういうポスターを見たら、買うよりも保護犬にしようとか、飼い方に注意を払うようになると思います。

このポスター、寄付金を募って(金額は決めなくてもいいかもしれませんが)、手に入れるようにはできないでしょうか。

自宅の塀やフェンスに貼ったら(各自防水を考えて)少しでも多くの人に見てもらい、関心を持ってもらえると思うのですが。

手間がかかりすぎますでしょうか。

ロンママ
ポスターですが、あちこちにお願いしています。
引っ込み思案で人見知りで、飛び込み営業がなによりも苦手な私にとってドキドキの毎日です。
でも、いろいろな人たちの目に留まればいいと思っていますし、必ずいい方向に向いてほしいから頑張りますね。
はなこ
http://blog.livedoor.jp/hapnapmm/
センターには数度しか出向いたことがありませんが、
いわゆる”他所移送”の子が本当に多いと感じました。最終部屋に数匹しかいない日も、移送のあるときは収容室がいっぱいになるほどとか。

そして、そういう子は愛護センターレポートに載るチャンスさえなく、誰の目にも触れずに処分されてしまうのかと思うと、胸がつぶれます。

啓蒙ポスター、素晴らしいです。
多くの人の目に留まって、みんなの意識の下に着実に残っていくよう願っています。
チャコ姉
ありがとうございます。
http://chakoane.blog95.fc2.com/
パパさん、いつも情報ありがとうございます。
今回もまたすばらしいポスターが出来上がったようで、これは感動ものですね。

まずは視覚に訴える。
そしてポスターを目にした人の中にきっと「もっと知りたい」と自ら調べる人がいるはず。
さらにその中にきっと「自分も何かできないか」と動く人がいるはず。
少しづつ、少しづつでも変わっていくと信じてます。
ゆうぴょん
すばらしいポスターですね。
カプアンパパさま、こんにちは。
ポスター、分かり易いですね。
私もポスターが沢山の方々の心に届くことを願います。

”お年寄りの飼い方がひどい”のではとの指摘、わかります。ウチの叔母は70代後半ですが、昔、”犬畜生”という言葉を聞いた時は 耳を疑いました。叔母の家ではポメを何代も飼っていたのにも関わらずだったので。。
http://blog.livedoor.jp/nanakailua/archives/51289612.html
こちらのブログでも指摘されていますが、この世代の問題点は行動が矛盾しているところで ”ドッグフード”を全く食べないと言いながら、その横でありえない量のおやつをあげていたりします。
とにかく、次の世代への働きかけが大事ですね。

センターのデータの表10の地域別の数も 興味深いですね。特に3桁になっている”香取市”(はっちもこちらで捕獲でした。)”銚子市” 旭市”は私も前からセンターレポートで、何かあるのでは?と引っかかってました。

色々な気づきがありました。ありがとうございます。
チビスケ母
この眼差しが、多くの人の心に届くことを、切に切に願います。

パパさんの献身的な活動には、本当に頭が下がります。
ホントにホントに、ありがとうございます。
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