きょうの話は犬とはまったく関係なく
長くて地味ですが
犬のおやじが日頃ギモンに思ってることです。
しばしおつきあいください。
原発事故処理の問題では、誰も電力会社の言うことを信じないのに
何故か夏の電力需給の情報には、疑問をもちません。
東京電力のホームページや、都心の駅の掲示板に
以下のようなデータが毎日掲示されています。
『本日のピーク時供給力は、○○○○万キロワットしかないので
これを越える電力を消費されますと大停電が起こります。なので
皆さん節電してください』
と、報道でも伝えられているので
大方の人はこれを信じて、暑いなかエアコンを止めたりして
節電に協力しているわけですが
そもそも、ここでいう『ピーク時供給力』は、
電力会社で発電可能な総電気量のことではありません。
このことは、電力会社も認めていることです。
ニュースで「どこどこの発電所が復旧しました」と報じられれば
発電所が復旧したのだから、供給力も増えるはずですが
増えるとは限りません。それどころか、日によっては供給力は減ります。
電気というのは、基本的には、作ったものを保存しておくことはできません。
多めに作っても、使われなければ無駄になります。
電気を作るには、自然エネルギー以外では「燃料」も入りますし
施設の老朽化も早まります。
なので、昔から電力会社は、その日に使われる（買ってくれる）電気の量を
発電前に予測して、その予測よりちょっぴり多めになるように電気を作っています。
たとえば、天気予報を参考にして、エアコンがいらないような日や、
休日など経済活動が低くなるときは、発電機をとめて
『供給量』を下げているのです。
これは、食品メーカーなどの商品の製造方法とさほど変わりません。
わかりやすく例えると、アイスクリーム屋さんが夏場、暑い日の前に
大量にアイスクリームを作ったり、冬場、製造を控えるのに似ています。
ただし、アイスクリームは冷凍庫で保存できますし、売れ残ったら
店員が食べてしまうこともできますが、
電気は消費期限「ゼロ」の商品といえます。
ということで、『ピーク時供給力』と別に、
『発電可能な総電気量』があるのですが、こちらの方は企業秘密のようで
どこにも発表されてませんし、マスコミもさほど関心を持ってないように見えます。
しかし、グーグルなどで『ピーク時供給力 推移』と検索すると
いろいろ興味深い記事が読めます。
長くなるので、ひとつひとつは紹介しませんが
今まで私が知らなかった発電方法に「揚水発電」というのがありました。
これは、夜間など電力需要の少ない時間に、
発電所のモーターで高い場所に大量の水を汲み上げ
電気が必要なときに、その水を落として発電する水力発電の一種です。
「電気は保存できない」と書きましたが、実は、この水を高いところに貯める
という方法で、（電気にかわる）エネルギーとして蓄えておくことができます。
この「揚水発電」の発電量は、週刊ダイヤモンドによると
東京電力では1,000万キロワット分以上の発電能力があり、
東京電力はこのことをいままで隠していたそうです。
つまり、イザとなれば、電気は足りないわけではないらしいのです。
もしかしたら本当に、国民や企業を節電で苦しめて、
「やっぱり原発は必要だ」という世論が出てくるを待っているのかもしれません。
九州電力のように失敗する会社もありますが（怒）
とはいっても、今後、突発的な事故により
停電が起きないとは断言できません。
夏場、電気が止まって困るのは、家庭では、エアコンが使えないこと、
そして冷蔵庫の中身が腐ることでしょう。
いま家庭用の太陽光発電が話題になっています。
たいてい、太陽光発電装置を売っているメーカーは
上のような図でしくみを説明します。
これを見たら、家電製品はすべて太陽光でまかなえ、電気を売ることもできる
素晴らしい。と誰でも思うでしょう。
停電時にもってこいではないか。と思いネットで検索したら
停電時の利用には、どうもいろいろ問題があるようです。
念のために、昨日、太陽光発電装置を売っているメーカーに
「停電のときエアコンが使えますか？」と
電話で聞いてみました。
結論からいうと「使えません」
なぜなら、このメーカーの製品だと
太陽光により最大1,500Wの電力が作れますが
太陽が雲に隠れたりすると、一気に電圧が下がります。
現在のエアコンは、電圧が下がったとたんに運転が止まります。
パソコンなどの電子機器を使用する場合も故障する可能性があります。
いまの家電製品は、ほとんどのものは、安定した電気でないと使えないのです。
蓄電装置を設置すれば、一定の電圧で電気を供給できるので
エアコンも使えますが、残念ながら、車のバッテリーのように
長期間の蓄電はできません。また現段階の能力も
条件がよくて最大に蓄電できたとしても
エアコンなら数時間しか動かないだろうとのことです。
それではと、いろいろ調べたら、こんな製品もありました。
HONDA発電機 EU55is
これは、ガソリンで動く発電機としては高性能なもののようです。
最大連続運転時間はおよそ10時間。
最大出力5,500W、上記の太陽光発電の約4倍の能力があります。
インバーター式なので、エアコン、パソコンも動きます。
燃料タンクは13.8リットル
ただし、太陽光なら燃料代がタダですが、
こちらはガソリン満タンで今なら2,000円くらい燃費がかかります。
そして商品価格は50万円くらいします。
かなり高額ですが、人工呼吸器使用中の患者さんがいるなど、
どうしても電気が必要な家庭の
緊急時の自家発電機としては有用かもしれません。
（ただし、震災の影響でかなり品薄のようです）
ながくなりましたが、もうひとつだけ
みんなで節電しないと停電になる。なんて仕組みはヘンだと思います。
私が子どもの頃、どこの家でも、
配電盤に「安全器」という陶器の小箱があり
規定以上の電気を使うと、箱の中の「ヒューズ」が溶けて
停電になりました。
ズルをしようとしてヒューズのかわりに銅線なんかをつけると、
電灯線が発熱して火事になりました。（汗）
「本当」の総発電量を明らかにしたうえで
この仕組みを応用して、電気の使う場所ごとに正確に使用量を制限すれば
大停電なんて起きないんじゃないかな、と思うのですが・・・
私は、かって電気大学付属の高校で、エンジニアになることを挫折した
電気いじりは好きだけど、学問的科学に弱いオヤジですので
記事の内容は保障いたしません
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