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Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

STAR WARS Ep3 ~ノベライズを読み終えて・・・

2005-10-01 23:28:00 | STAR WARS
スター・ウォーズ・エピソード3・・・すでに7回鑑賞。
プリークェル・トリロジー(新3部作)の完結編にして、エピソード4につながる重要なポイントとなる
今回のこの作品は、最後の1本だけあって中身も濃いと思う。
でも、どうもアナキンがダークサイドに落ちる描写が簡単すぎて、唐突な感じがするのは否めない。
なぜだろう?なぜアナキンは(もちろん苦悩していたのだけれど)こうもアッサリと皇帝の前に跪いてしまったのか・・・。

何度観ても納得のいく答えは得られなかったのでノベライズを読んでみることにした。
かなり分厚い本だ。戦闘場面などは文字で描写されていると、結構読むのが大変かも。映像で観るのとはちがう。
想像力を逞しくして頭の中で映像を思い浮かべながら読み進む。
アナキンとオビワンの心理描写が面白い。
兄弟のような師弟。一心同体のふたりは「死ぬときも一緒」だと考えている。
しかし、ここで、今まで漠然としていたジェダイの心のあり方が繰り返しヨーダの言葉で語られる。
ジェダイは何に対しても心を動かしたり動じたり執着したりしてはいけないのだと。心に迷いを生じたり何かを愛したり悲しんだり怒ったりしたらフォースに乱れが生じて心を曇らせ、ダークサイドに落ちるきっかけを生むのだと。
愛さえも禁じられた厳しい掟の中でアナキンはパドメと恋に落ち、秘密の結婚をしている。
そして今回パドメはふたりの愛の結晶を宿している。(ルークとレイア!)
彼は自分の力や強さに自信をもち、ジェダイ・マスターとして周囲にも認められたいという野心も
持っている。

アナキンがダークサイドに落ちるきっかけとなったのは、繰り返し夢にみる最愛の妻パドメの死への恐怖と、自分をマスターにしてくれないジェダイ・カウンシルへの苛立ちと不信感だ。その苦悩にシスの暗黒卿パルパティーンがつけこみ、甘い言葉をささやいて巧みにアナキンを自分のアプレンティス(弟子)にしようと誘いかける。まるですべてを包み込む父親のようなふりをして。
皇帝を父のように慕い、パドメを盲目的に愛する彼。ジェダイ最強の力をもつアナキンは強くて美しいのに、その心はどこか脆くて危うい。彼は短気で気性があまりにも激しい。彼は永遠の命を守ることが出来るというシスの秘密を知るために、シス卿の誘いに乗り魂を売り渡すことになる。
このあたりの心理描写は映画の時間の枠の中で描ききることは無理なのだ。
ノベライズの方ではこのあたりの心の動きが綿密にじっくりと描かれていて、アナキンがパルパティンの前に跪く行動が唐突には思えない。パルパティンの言葉の巧みさはアナキンでなくても悩みを抱えたものの核心をつき、酔わせる麻薬のように彼らの心を侵食する。シスは1000年かけてジェダイと銀河の征服を企ててきたのだから決してあせらない。冷血動物のように慎重で巧妙で狡猾なのだ。

次第に狂気に変わるアナキンの変貌に心痛めるオビ・ワンの心の描写も怠らない。
彼が弟のように愛したアナキンと戦わなくてはいけなかった哀しい運命についてもノベライズの中ではていねいに描かれていて、彼のすばらしい人格がよりいっそう輝いている。キャッシークでのグリーヴァスとの戦いの時に登場するヴァラクティルという愛すべき青トカゲ(メスだったとは^^;)~なぜか印象的だった~との心の交流などはノベライズでないと分からないから面白かったね。

映像はマジックだ。想像をはるかに超える世界をみせてくれたりもする。
だから映画は面白い。そしてスター・ウォーズは映像で楽しむものだ。
でもあえてノベライズを読んでみて、映画はよりいっそう深みをました。
映画では簡単にしか語られていなかったヨーダとクワイ・ガンの交信についても小説の中では
さらに言葉が綴られている。
クワイ・ガンの言葉「永遠の命は己を高めるのではなく、手放すことから来る。貪欲ではなく、思いやりからくるのです。愛が闇に対する答えです。」
ヨーダはクワイ・ガンのアプレンティスになり、古びた伝説の中に生きるフォースではなく、愛を容認する生きるフォースを学ぶのだ。
仲間や家族を思う暖かい心はルークやレイアに引き継がれていく。彼らこそ新しい時代のジェダイでクワイ・ガンが強い信念で伝えた血の通ったフォースを感知することができる者たちなのだ。

「だが、最も深い夜のなかでさえも、夜明けを夢見る者もいる」
~~これって「Del Amanecer」だね(笑)~
夜明けを夢見て未来に託される双子の赤ちゃんたち。
アナキンとパドメの子供たち、ルークとレイア。

「闇は寛大だ。しかも忍耐強い。そして常に勝利する・・・
  しかしその強さの核には弱さが存在する。たった一本のキャンドルが、闇を食い止める。
   愛はキャンドルよりも強い。 愛は星にすら命をもたらす。」

ノベライズはこんな印象的な言葉で締めくくられている。

さて無事ノベライズも読み終えたので8回目を観にいきましょう!(^^)v

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2 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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なるほど! ()
2005-10-02 01:06:20
自分もエピソード3を観た時に、アナキンがダークサイドに堕ちていく過程が唐突で説得力なく感じ、納得いってなかったのです!

でもこれを読んでなるほどと思いました。ノベライズにはそのあたりの描写が細かく書かれているのですね。



映画ではじっくりと丁寧にに表現できなかった部分だったかも知れませんが、もともとのルーカスのイメージ(ストーリー)の中にはもちろんあったのでしょうか・・。
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はじめまして (Angelita@管理人)
2005-10-02 01:26:55
ぽ様

いらっしゃいませ。早速読んでくださってありがとうございます!

単純明快なのが魅力だったはずのスター・ウォーズも最終回になるとこんなに考えさせられる作品になってしまったか(笑)という感じだったのですが、アナキンの心の葛藤は見ごたえがありましたね。

でも本当にあの場面は何回みても納得がいかなかったですね~。

スター・ウォーズは本来映像を楽しむ作品だと思うのですが、ノベライズもなかなか読み応えがあって面白いですよ。お勧めです。

ルーカスはすべてを想定して映像化したと思いますが、ある程度観客の想像力にもまかされてしまう作りだったような気もします。





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