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第94回 全国高校野球選手権大会 予選展望4 ≪近畿≫

2012年06月26日 | 高校野球

第94回全国高校野球選手権大会 予選展望4


【滋賀】(参加53校)
力を落とした北大津の間隙に、滋賀学園が割り込む?!横綱・近江は今年も健在。

◎ 近江
〇 比叡山
△ 滋賀学園
▲ 綾羽 北大津 八幡商

夏の出場停止から、新興名門校・北大津は迷走を抜け出せないでいる。しかし、宮崎監督が今年初めに復帰、しっかりとした練習に裏打ちされたチーム作りが復活すれば、また甲子園に戻ってこられるだろう。しかし、今年のチームは残念ながら甲子園までは届かない気がする。その合間を縫って、大阪から好選手を集めてチームを強化する滋賀学園が、候補の一角に浮上してきそう。1年生大会で連続Vを飾るほど、いわゆる”素材がいい”選手がそろっているのは確かで、夏の戦い方を身につければ一気の浮上が可能だ。しかし、本命にはやはり選抜出場の近江が上がる。近江は3本柱の投手陣をチームの中心に据えるが、例年夏場にかけて攻撃力がグッとアップするのも特徴で、夏の大会を迎えるころには攻守に揃った戦力で盤石の体制を作るのではないかと思われる。さて、今年の春は波乱が相次いだ滋賀県大会。その中で優勝を飾ったのは、古豪の比叡山だ。比叡山は秋の大会の出場を辞退した鬱憤を春に晴らした格好だが、そのモチベーションを夏まで持ち続けられるか。例年好チームを作る綾羽、彦根東に昨年の代表校・八幡商らが上位陣を追っていく展開になりそうだ。



【京都】(参加78校)
3冠に挑む選抜出場の鳥羽。高橋の豪打に期待、龍谷大平安。

◎ 鳥羽 龍谷大平安
〇 福知山成美 
△ 京都国際 立命館宇治
▲ 京都成章 西城陽 北桑田

さほど評判は高くないが、鳥羽の”実戦力”を買って本命に推す。センバツ、そして春の近畿大会などでは強豪に歯が立たず敗れたものの、府内の大会では秋春連覇。戦い方を熟知しているという点では、他校の追随を許さない。エースの五味は安定感抜群の投球を見せる。聖光学院、智弁学園など全国の強豪相手に堂々と渡り合った投球は見事というほかはなかった。最後の夏にかける意気込みも半端じゃない。対抗馬には、2年連続の夏を目指す龍谷大平安。何と言っても、プロ注目の主砲・高橋の打棒に注目だ。3本柱が確立した投手陣にも目途が立ち、完璧な戦いでのVを目指している。ここ数年、毎年候補の筆頭に挙げられながら最後に甲子園まで届かない悔しさを味わい続けている福知山成美はどうか。圧倒的な戦力を整えながらの敗戦に、戦い方の変更も余儀なくされそうだが、今年も戦力的には府内屈指。ガチンコになればの思いは強いはずだ。そのほかでは、下級生中心ながら京都国際の評判が高い。投・打の、その”数字”の圧倒的な威力には脱帽。立命館宇治は、卯瀧監督の好采配で浮上のきっかけをつかみたい。西城陽、北桑田などの公立勢も狙いは一つ。京都成章に京都外大西の両名門も、一発逆転の好機と狙いを定める。



【大阪】(参加181校)
充実の大阪桐蔭に死角なし。春夏連覇へ、視界は良好。

◎ 大阪桐蔭
〇 履正社
△ PL学園
▲ 東大阪大柏原 大商大堺 此花学院

選抜優勝の大阪桐蔭は、藤浪を温存した春の府大会、近畿大会でも他校を全く寄せ付けずに圧勝。夏への心配事は、ほとんどない”絶対王者”に君臨する。大阪桐蔭にとっては、さほど出来のよくなかったセンバツで、接戦を次々に勝ち抜いて優勝旗を握ったことが、大きな自信になっている。今まではともすれば『圧勝か接戦負け』と言われていたが、それも今は昔。接戦を獲れるようになったことで、チーム力はMaxまでグレードアップした。藤浪の剛球と安定感、リリーフ澤田の素晴らしさ、随所に飛び出す長打と鋭い打球など、今そこにスキを見つけるのは困難。あっさりと【春夏連覇への切符】をゲットするとみるのが、妥当だろう。追っていく一番手としては、すっかり強豪として定着した履正社が挙がる。しかし大阪桐蔭との戦力差はいかんともしがたく、今年は対戦すれば『ダメもと』で突っ込んでいくしかない状況だ。去年の夏その大阪桐蔭に土をつけた東大阪大柏原は、エースの福山が健在。福山の好投が大阪桐蔭に対抗する唯一の術と考えられるが、その可能性は持っている。万が一大阪桐蔭が食われるとするならば、可能性が高いのが此花学院の剛腕福田だ。初戦や2戦目と、エンジンのかかっていない段階での対戦が望ましい。大商大堺は、大阪桐蔭に対してもひるまず向かっていくチーム。アンダースローの江頭がはまれば、もしやも有り得るか。PL学園は、ガチンコでは大阪桐蔭の牙城は崩せそうにない。名門の意地を見せて、何とか一泡吹かせたいところだ。いずれにしても、1強vs他校の対決になる公算の強い大阪大会、桑田・清原の頃のPL時代を彷彿とさせる大会になりそうだ。




【兵庫】(参加161校)
報徳・田村は最後の夏を飾るか。ライバル・東洋大姫路も戦力充実。

◎ 報徳学園
〇 東洋大姫路
△ 神戸国際大付 社 育英
▲ 明石 明石商 関西学院 

1年生の夏、センセーショナルな甲子園デビューを飾った報徳学園・田村。しかしその後、同級生の大阪桐蔭・藤浪、智弁学園・青山らに実績で大きく後れを取ってしまった。”世代のフロントランナー”だった自負を持つであろう田村の、最後の夏は果たして・・・。その報徳が、候補の筆頭に立つ。もともと『甲子園に出なければおかしいチーム』である報徳は、なんとしてもこの夏に悲願を達成したい。悲願とは、甲子園出場ではなく、甲子園制覇だ。田村は怖いものなしの1年次のようなストレートは封印し、安定感を求めたピッチングにシフトチェンジ。”勝てる投球”を覚えれば、その力は無限大だ。打線は、伝統の強力打線というわけにはいかないが、得点力は高く田村を援護する。連覇を狙う東洋大姫路は、昨年の原のような大黒柱こそいないものの、全員が戦術理解度に長け、総合力では他校を一歩も二歩もリードしている。大型チーム、神戸国際大付属は、今年もドラフト候補を2名抱え、個々の力で他を圧倒する戦術。育英のエース山下も好投手。夏の大会では、上位は対戦したくない投手だろう。春の近畿大会で智弁和歌山に圧勝した明石のパワーにも注目。そして明石商も、狭間監督がそろそろ結果を出していきたい年だ。春4強の社、秋準優勝の関西学院なども、覇権争いに顔を出す実力は十分に備えている。




【奈良】(参加42校)
智弁の優位は変わらない。実力上位の奈良大付属は、どこまで覇権争いに食い込む?!

◎ 智弁学園
〇 天理
△ 奈良大付属
▲ 関西中央 

過去30年以上にわたり2強時代を築き上げ、ライバル対決を繰り広げてきた智弁学園と天理。今年は揃って選抜に出場したが、両校ともに悔しい負け方をして甲子園を去った。捲土重来を期す夏の戦いは、例年にも増して激しさを増すだろう。しかし、この奈良でちょっとした地殻変動が起きている。奈良大付属、関西中央という”甲子園未経験”の私学が、グーンと実力をあげ2強に迫る勢いを見せ始めたのだ。そういうこともあり、今年の奈良は一筋縄ではいかない可能性を秘めている。青山・小野を擁する智弁がそれでも圧勝するか、天理が名門の意地を見せるか。面白い夏になりそうだ。智弁は戦力的には盤石。時折見せる『全く打てない』状態に陥らなければ今年も甲子園は堅そうな気もするが、気を引き締めて臨みたい。天理は、エース中谷の出遅れが気がかり。しかし智弁には相性もよく、最後の戦いでの逆転は十分に可能だ。さて、上記に挙げた続く2チーム、奈良大付属、関西中央の実力のほどは。奈良大付属は、昨秋の県大会を制して近畿大会でも8強。十分にセンバツ圏内だったのだが、智弁・天理が上位に行ってしまったため【1県から3代表はNG】という選抜規定に引っかかってセンバツ出場はかなわず、という悲劇に見舞われたチームだ。しかしその実力は折り紙つき。春の県大会決勝でも、青山が登板してガチンコで来た智弁相手に、がっぷり四つに組んだ素晴らしい戦いを見せた。甲子園に行っても十分に戦えるだけのものを持った好チームだ。関西中央もここ2年ほどですっかり強豪の仲間入りを果たしたチームで、2強の構図に風穴を開けるという役割を担った好チームだ。守り勝つ野球で、何とか甲子園を掴み取りたい。この4チームが4強を形成する今年の夏、他校が入り込むスキは、ほとんどなさそうだ。




【和歌山】(参加39校)
やはり智弁和歌山を中心に大会は回る。しかし、今年は”絶対”ではない。

◎ 智弁和歌山
〇 和歌山商
△ 市和歌山 
▲ 那賀 海南 近大新宮 

智弁和歌山の8連覇がなるかが焦点。智弁和歌山が築いた【絶対王朝】はまだ崩壊してはいないものの、じわじわとその終焉は近づいてきているように感じる。そしてその後に来るのは、群雄割拠の時代か。しかしながら、まだまだその威光は衰えてはいない。今年の智弁和歌山は、例年ほどの打線の迫力を感じることはできず、投手陣を中心とした総合力のチームに映る。蔭地野をエースに、2年生の吉川を2番手に据えた投手陣は例年通りなかなかのレベルだ。高嶋監督は、こういう年は必ず1年生を起用してチームに新しい風を吹かせるため、今年の新しい風に期待も高まっている。1年生によって全くチーム力が違ってくる智弁和歌山の新しい姿に、関係者は注目している。その智辯和歌山を破るとしたら、どこだろうか。秋は那賀が優勝、春も4強入りして、本命を脅かす存在に。しかし夏の連戦をエース福井に頼るチーム構成では、勝ち抜くのはかなり厳しいと思われる。逆に名門の和歌山商、市和歌山の方が面白い。和歌山商は打撃偏重のチーム構成。それだけに、はまった時の怖さは半端じゃない。智弁和歌山が最も警戒するチームだろう。市和歌山は例年通り、エースを中心にした守りで勝負。好投手の上の投球が命運を握っている。秋準優勝の海南、近年力をつけてきた近大新宮にダークホースの呼び声も。いずれにしても、ようやく『智弁和歌山だけじゃない』所を見せたい各校にとっては、今年は大チャンスの年になりそうだ。


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