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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

選抜出場校  こんなこと思い出しました 2017(その4)

2017年02月16日 | 高校野球

思いつくまま、気の向くままの連載記事。
第4回『東海・北信越編』です。



≪選抜出場校 思い出編4≫


東海代表  静岡(静岡)     16度目(2年ぶり) 
                         夏24度出場  甲子園通算31勝38敗  優勝1回 準優勝2回

静岡県の高校野球界で、昔から今まで、常にトップの位置に君臨して引っ張ってきたこの静岡高校。今回が40回目の甲子園出場という節目の大会になります。昔から≪サッカーどころ≫として名高かった静岡県。野球はどうなのといえば、温暖な気候を生かして練習量が豊富な分、細かいプレーの精度が高く、ち密な野球を好むという印象があります。そして県民の気質もあるのでしょうが、しっかりとした試合運びが特徴となっています。ワタシが高校野球に興味を持ちだしたころからしばらく、静岡県の高校野球の勢力図は、【東の静岡、西の浜松商】という感じで、両校を中心として鎬を削る数校が群雄割拠していたというものだったと記憶しています。そんな中で静岡高校が最も輝いた年は、なんといっても昭和48年の夏準優勝した大会でしょう。あの江川が注目を浴びた大会で、決勝を戦った相手は広島商。『真剣渡り』に代表される精神面が鍛え抜かれた名門中の名門で、決勝戦は『名門対決』として沸きました。静岡はこの大会、イメージにあるきちんとした正統派の野球というよりは、打撃を前面に出して打ち勝つ野球が持ち味のチームでした。植松、白鳥などとにかく打てる選手が多くて、初戦を二ケタ得点で大勝した後は、3回戦で強豪・天理の”ジャンボマックス”佐藤を完璧に打ち崩し、準々決勝ではあの江川の作新に勝った銚子商の土屋を序盤に急襲。見事な戦いぶりで破り、勢いに乗って決勝まで勝ち上がりました。その大会、優勝候補であった春準優勝の広島商は、勝ち上がってはきたものの決して盤石のチーム状態ではなく、打線の湿り具合はやや深刻ですらありました。まあ、それでも四球や相手のミスなどに乗じて小技を絡め得点を奪うところは『さすがに広商』と言われてはいましたが、ワタシはスケールの大きい静岡が勝つのではないかと思ったりしていました。結果は広島商がサヨナラスクイズで優勝を決めるという劇的なもの。満員に膨れ上がった観衆の大歓声がこだまする、実に内容の濃い決勝戦でした。静岡はその後四半世紀以上の間、太田投手、大久保投手、赤堀投手、高木投手、増井投手など時々で後にプロ入りする好投手を擁して甲子園に出場してくるものの、勝ち運には恵まれませんでした。そして世は『公立校衰退の時代』へと向かっていきます。静岡県内ではライバルだった浜松商が勝てなくなり、73年に甲子園で決勝を戦った広島商も、以前のようなチームを作っては来られなくなりました。静岡はその中では比較的落ち込むことはありませんでしたが、それでも県内の新興私立に強豪が表れ始め、以前のような戦いはできなくなってきているのが実情です。だがここ数年、静岡高校はOBを中心として『静高復活』を狙って入試改革を断行。再び野球部の強化に乗り出しました。すると、その成果は徐々にではありますが確実に出始めています。2015年には村木投手・鈴木選手などの好選手を擁して東海大会を秋春と制覇し、春夏連続の甲子園へ。あの準優勝時をほうふつとさせる鋭い打線は、今後の活躍を期待できるものとして、注目を浴びています。この選抜でも、秋の東海大会を制しての出場だけに、期待も高まっています。十分に優勝を狙える力を備えたこのチーム。躍進を狙っています。




東海代表   至学館(愛知)     初出場
                          夏1度出場 甲子園通算 0勝1敗  

2006年に創部された新しい学校である至学館。元祖野球どころの愛知県にあって、中京大中京・東邦・愛工大名電らの強豪の分厚い壁を破って甲子園に初めてたどり着いたのが2011年でした。このとき話題になったのが、まずはその校歌。Jポップ調のそのメロディー、甲子園に流れた時は『待ってました』とばかり観衆も聞きほれていましたっけ。そして麻王監督。確かこの時、娘さんも野球部にかかわっていて(マネージャーだったかな?) 一風変わった”父娘鷹”として有名になりましたね。しかしワタシ。それ以上にこの学校についてのイメージは持っていません。それはそうです。まだ1度しか、その試合っぷりを見たことないんですものね。今年のチームは、愛知県大会や東海大会で、何度も追い詰められながらその都度しのぎ、逆転し、何とか切り抜けてここまでたどり着いた粘りのチームのようです。このところ、強豪校の分厚い壁を破り、愛知県からも新興のチームが甲子園に出場してくることが、ちらほらとみられるようになってきました。弥冨、愛知啓成、成章、豊川、豊橋工などがあげられるのですが、そのどの学校も甲子園への登場は一度っきりに終わっています(今のところ)。しかし、至学館はこの春、2度目の大舞台にたどり着きました。これから名門校になっていく過程として、この選抜はとても大切な舞台になると思われます。何とか初勝利・・・・・関係者は願っていることでしょう。




北信越代表   福井工大福井(福井)   5度目(2年連続)
                                   夏7度出場 甲子園通算 6勝11敗   

昨年からの連続出場ですので、昨年の記事を。今年は、昨年成し遂げられなかった初戦突破を狙いますが、昨年よりも数段戦力的には上回っているように感じられますので、期待は大きいですね。

昨年の記事⇒
01年から現在の大須賀監督が就任して、もう15年になります。大須賀監督は『社会人野球の名将』として名をはせた監督で、そのことでかなり話題を呼びましたが、やはり簡単にチームの強化を図ることはできないと見えて、過去5度の甲子園では、わずか2勝を挙げるにとどまっています。福井工大福井というよりも、ワタシは福井高校という方がいまだに通りがいい学校ですが、印象に残っているのは76年のチームですね。このチーム、さほど注目もされなかったのですが選抜で輝きを放ちました。初戦で注目の好投手と言われた東海大一の太田投手を打ち崩すと、2回戦では優勝候補の天理を1点差で撃破。8強まで進出したのです。夏も連続で甲子園に出場。1勝をあげ、チーム力の高さを伺わせてくれました。敗れた試合は、春は崇徳・黒田、夏は海星・酒井と『大会NO1』の本格派に、手も足も出ずに抑え込まれたという同じような試合展開でしたが、かえってすっきりと甲子園を去るという感じだったのが印象に残っています。今年は、その時以来の甲子園2勝、8強進出を狙っての甲子園参戦ですね。

 

北信越代表   高岡商(富山)     5度目(7年ぶり)
                                夏17度出場 甲子園通算 8勝21敗   

この高岡商も、北陸のチームとしては老舗の名門校。戦前から富山県初の代表校として、甲子園の土を踏むチームです。早稲田カラーの白地にエンジのユニフォームは伝統を感じさせ、富山商と並んで県内の人気を二分するチームです。1960年代からずっと、名門としての名に恥じない戦績を残していて、夏は実に17度の出場を誇ります。特に出色なのは、落ち込んだ時期が少ないというところ。60年代、70年代、80年代、90年代、00年代、10年代と各ディケードで必ず代表の座を射止めている安定感は、公立の名門校としての矜持を感じさせます。高岡商のチームで印象に残っているのは、1982年の2回戦。大会屈指と言われた剛腕・秋村投手擁する宇部商と対戦した高岡商は、その秋村に9回まで完ぺきに抑えられ敗色濃厚。しかしエースの下手投げ・横森投手が相手に1点しか与えずしっかりとついていった力投にナインが土壇場で応え、最終回に3点を奪って逆転勝ち。ランナー3塁でワイルドピッチ(?)を投じた秋村と三塁ランナーのホームベース上でのクロスプレー、今でも覚えています。劇的な勝利でした。そしてもう一つは一昨年夏の関東一との対戦。あっという間に0-8とリードされた4回に見せた大反撃。いまだに脳裏に浮かびますね。ものすごい迫力で、さしものオコエもタジタジでした。そんな印象に残る試合をいくつか見せてくれている高岡商ですが、まだ甲子園で2勝を挙げたことはありません。この記録を見てワタシも意外でした。富山県勢としては、あの村椿投手の魚津高校や、昭和61年の”新湊旋風”の新湊高校、近年ではライバルの富山商や富山第一など、印象深い戦いぶりを見せるチームも多く、老舗の高岡商としては、ここいらでなんとしても『富山の高校野球界をリードするのは俺たちだ』ということを見せたいところでしょう。波に乗って上位まで駆け上がる姿、ワタシも見てみたいです。



(つづく)


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