土曜日のJリーグ。
首位を爆走する川崎フロンターレは、
地元等々力でFC東京を迎え撃ちました。
FC東京といえば、
先のルバンカップ準決勝で対決し、
地元等々力でまさかの完封負けを喫した相手。
まさに相手にとって不足無しのこの試合で、
フロンターレは先発に”レジェンド”中村憲剛を起用してきました。
久しぶりに先発でピッチに立った中村。
しかしそのプレーには、
年齢もケガも関係ない、
全く衰えを知らない輝きに満ちていました。
今年のフロンターレ、
三苫、脇坂ら新加入の選手がうまくチームに融合し、
ケンゴ不在の中でもしっかりとしたサッカーを見せて首位をまさに爆走。
新時代を強く感じさせてはいましたが、
それでも背番号14がピッチに入ると、
「何かやってくれる」というワクワク感と輝きに満ちたプレーの数々がチームを盛り上げ、
その健在ぶりをアピールしていました。
この日の試合を2-0で勝ち切った後、
インタビューに答えるケンゴの姿も、
いつもと変わらぬイメージでした。
しかし翌日。
まさかの引退発表。
余力を十分に残したままでの引退は、
年齢のこともあり今年での引退という事を決めていたという、
中村憲剛ならではの美学があふれたものでした。
まさにファンから愛される、
今どき珍しい18年もの間フロンターレ一筋というフランチャイズプレーヤーは、
本当に惜しまれつつ今季でピッチを去ることになりました。
ワタシも寂しくなるなあと思いつつ、
そのケンゴのかっこいい引き際の美学に酔って、
このニュースを受け入れていました。
しかしその後、
今度は野球界から、
この美学とは真逆なニュースが流れてきました。
それは、
同じく40歳を迎える西武の松坂大輔の、
来シーズンの現役続行のニュースです。
松坂大輔は、
西武ライオンズにとっては、
それはそれは大事な選手であることに疑いの余地はありません。
たたき上げではなく、
高校時代からだれもが知る日本の大スター。
西武に入団すると、
初年度から16勝を挙げて衝撃をもたらすと、
次年度から06年までずっとエースとしてチームの屋台骨を支えました。
この頃の松坂は、
本当に『西武に来てくれてよかった』と心から思える存在でした。
そしてポスティングでMLBへ挑戦。
昨日KO勝ちを飾った井上尚弥張りに、
「彼には日本は狭すぎる!!舞台は世界だ!!!」
と感じさせてくれる存在でしたので、
西武ファンも寂しさよりもワクワク感いっぱいで彼を送り出したものでした。
しかしアメリカでは度重なるケガで彼の本領を発揮することはかなわず。
舞台を再度日本に移した時、
古巣の球団である西武は、
その獲得合戦に参加できるほどの余裕はなく、
ただ他球団との交渉を黙って見守るしかありませんでした。
その頃はまだライバルと呼べる存在だった(?)SBへ入団した松坂。
しかし巨大契約を結んだもののそのパフォーマンスは、
それに見合ったものではなく3年が経過したご自由契約へ。
そこでかつての恩師、森繁和が監督を務める中日に移籍。
かつてとは全く違う投げ方に驚愕しながらも、
ぬるーい思いで見守っていたファンに向かい、
わずか1シーズンではあったものの少し復活した姿を見せ、
彼の晩節が幸せなものになるよう願わずにはいられませんでした。
だが再度ケガに見舞われ、
「今度こそ引退だろう」と思われたものの、
今年に入って古巣の西武が自由契約になった彼の獲得に手を挙げ、
多くのファンに疑問視されながら獲得を行い、
辻監督は開幕第2戦に先発させると明言するに至りました。
しかしながらコロナ禍でその計画はとん挫。
松坂はまたしても故障を発症、
40歳になる年を迎えてもなお手術を行い現役を続行すると宣言。
その後ファンにもマスコミにも全くといって良いほど動向が知られないまま、
秋を迎えて今日に至っているという訳です。
「肩、ひじ、ひざなどの故障が癒えてコンディションが整えば、
彼は必ず10勝ぐらいの活躍は見せてくれるはず!!」
そんな展望があるならば、
ファンも黙って彼のリハビリを見守ることでしょう。
しかしいったいどんなことになっているかは知らされず、
歳だけはどんどん重ねていきつつ、
一向に良くなるという兆しを感じさせてくれるリリースもないまま、
「来年も契約します」
ということでは、なんだかモヤモヤとしたもののみが残ります。
中村憲剛が見事なプレーを見せた試合の翌日に、
「まだまだできるよ~」
とファンに本当に惜しまれながらピッチを去る決断を下したのとどうしても比較しちゃうのですが、
やっぱり松坂に対しては「これ以上、どんな論理で現役を続けると言っているのだろうか?」
と訝しい目で見ることを余儀なくさせられてしまいますね。
引退には二つの道があるとよく言われます。
「惜しまれながら引退する」のと、
「ボロボロになるまでやって引退する」という二つの道です。
昔のことを言うと恐縮ですが、
長嶋や王などが、
「まだやめるなよ~」と言われながらグラウンドを去ったのが前者で(何せ王さんなんか、30本ホームランを打った年に引退ですからね。驚きます。)、
一方野村さんなどのように、最晩年に何球団もを渡り歩いて引退を決意したのが後者と言えるでしょう。
しかし後者の野村さんだって、
「ボロボロになって」というのは、
何年も試合に出ることもできないで・・・・・・というのとは違います。
西武での現役最後の年、
大事な試合では先発の捕手として試合に出ていましたよ。
松坂は野村さんなどと比べても、
はっきり言うと「どうなのかなあ・・・・・」
なんて思わざるを得ない状況だと思うんです。
一方同僚の内海も、
38歳になりますが来年の契約を更新するようです。
内海については、
まだまだ投げられるという事を今季も見せてくれましたし、
若手にいろいろとアドバイスする姿などが散見されて、
「内海は若手にいい影響を与えているんだなあ」
なんていう思いも強く持ったりします。
しかし松坂のそういう姿は、
正直あまり目にすることはありません。
マスコミ嫌いなのかどうなのか、
SBの時代も中日の時代も、
そういう姿がニュースソースに乗ること、あまりないですよね。
ファンへの対応というよりも、
なんかいつも「雲隠れ」してしまっているというイメージすらあります。
そこにファンへの誤解を生む部分もあると思いますので、
年に何度かは、
キッチリ「今時分はどういう状況で、どんな感じのリハビリをやっているのか」ぐらいは、
「自分の言葉で」語ってもいいように思いますがね。
ワタシらのように松坂がすごかった時代を知っているファンはまだ許容していますが、
彼のいい時代を知らないファンは、なぜ彼だけこんなに優遇されているのだか、
全く分からないと思いますよ。
いずれにしても、
レジェンドと言われるような一世を風靡したスポーツ選手は、
その引き際、とても大切だと思います。
「あとで後悔することがないように」
最後までやり抜くというと聞こえはとてもいいのですが、
ファンがヤキモキして、ちょっと頭に角が生えてきてしまっているという事だけは、
心にとめておいた方が良いような気がしますね。
決断の時だと思うよ、松坂。
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球児の時以上に驚きましたよ。
大けがの影響もあるでしょうが、まだまだやれるっしょ。。。
とはいっても、いつのまにやら40歳ですもんね。
残念です…
あの穏やかな雰囲気がなんともいえず、大好きでした。
初優勝の時、ピッチに突っ伏して涙している姿、思い出しただけでウルっと来てしまいます。
何はともあれフロンターレ一筋、本当にお疲れ様でしたという気持ちでいっぱいですね。
それから尚弥
言うことなしですね。最高です!
もうね、相手からすればまぐれ、偶然以外に勝てませんよ。あんなパフォーマンスされちゃあね。
とっととカシメロぶっ倒してくれ!
ついでにリゴンドーも。
もうすでに次の試合が楽しみでなりません。
PS
入場曲が元に戻ってよかったー!笑
布袋の曲はあんときだけだったんですね。
まじホッとしました。
憲剛の引退、本当に驚きました。
何せ前日、素晴らしいプレーを見せて「この試合のMVP」という感じだったものですからね。
でも、聞けば聞くほどケンゴのアスリートとしての生きざまはかっこいい。マジ惚れしちゃいます。
川崎の中村憲剛、そして野球の西武の栗山巧、この二人の『ワタシにとってのフランチャイズプレーヤー』のカッコイイ生き様は、ホント「応援していてよかったなあ」と思わせてくれます。
ふたりとも、ゆくゆくはチームの指揮官として、また青いユニフォームを身にまとってくれるはず……そんなこと思っています。
さて、井上尚弥については、言う事ありません。まさに彼の第2章そのものの、「鮮烈1RKO」よりももっと凄みを感じさせてくれた「技術満載、理詰めのKO」のすごさたるや。。。。。。まさに「日本ボクシングが生んだ、史上最強のボクサー」そのものです。
もう、日本では年一の「花興行」だけで十分、あとは世界のリングで羽ばたいてほしいと、心底思ってしまいました。
ところで、村田のタイトル戦の発表、あるあるなんていわれていたけれど、結局ありませんでしたね。どうなるんでしょうか。。。。