今年最後にして、
アマ球界の『目指すべき大会』であるビッグイベント、
明治神宮大会が明日開幕します。
大学生にとっては、
『年間2大大会』のうちの一つ。
6月の全日本大学選手権と並び、
明確なる『目指すべき大会』で、
4年生にとっては最後の大会となります。
そして高校生にとっても、
激戦の秋季大会を優勝という最高の形で飾った各地区代表が、
その勢いに乗って戦う”プレ選抜大会”であり、
興味深い戦いとなります。
トーナメント表は以下の通りです。
【大学の部】
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2016/2016jingu_college.html
【高校の部】
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2016/2016jingu_highschool.html
大学の部では、
なんといっても注目されるのは明大と桜美林大。
明大には柳、桜美林大には佐々木と、
この秋のドラフトで堂々の1位指名を受けた両投手を擁し、
日本一に照準を絞っています。
明大は春の全日本では悔しさを味わっていますから、
捲土重来の気持ちも強いでしょう。
一方の桜美林大にとっては、
”全国”と名の付く大会は全くの初陣ですから、
普段通りの戦い方ができるかがカギかと思われます。
東都代表の日大は本当に久しぶりの登場。
ここ10年ぐらいのイメージとしては、
日大は東都の2部というイメージが残っているので、
優勝と聞いても何かピンときませんが、
今季は投打の歯車がかみ合って、
戦国東都を制しました。
その力がどこまで全国の舞台で発揮できるのか、
注目しています。
組み合わせを見ると、
明大は初戦で関西1位の関西大、
それに勝つと上武大がいるブロックとなるので、
なかなか気の抜けない戦いになりそうです。
しかしこの秋はエース柳に加えてドラ2の評価を受けた2番手の星が成長して、
がっちりと2本柱が形成できているので、
この大会でもその力を発揮できるでしょう。
ロースコアのゲームをきっちり勝ちきれれば、
優勝へは一番近い位置にいると思われます。
桜美林大は日程的に、
初戦を戦った翌日に日大戦が組まれ、
それを突破できても決勝という3連戦になったので、
厳しい日程にどうアジャストしていくのかがカギになるでしょうね。
佐々木以外ではやはり全国大会では厳しいと思われるので、
佐々木の使い方をどうするのか?
初戦温存で、準決勝から登場という形をとることができれば、
優勝への道筋がしっかり見えてくると思いますが、
果たしてどうなるのか。
ちなみにこの大会の予選となった『関東地区大学野球選手権』では、
初戦の創価大戦では佐々木が1失点完投。
田中とのドラ1対決を制すと、
中1日の準決勝・中央学院大戦でも佐々木が先発。
これも1失点完投で春の全日本準優勝の強豪を葬り去りました。
逆に決勝では佐々木は登板しなかったのですが、
強打の上武大に初回5失点。
やはり『佐々木頼み』のチーム構成ですので、
佐々木の登板をどこにしてローテを組むのか?
『1戦必勝』のトーナメント型起用をするのか、
それとも一気に『日本一』を目指してローテを組むのか?
面白いですね。
ワタシの見立てでは、
佐々木は各大学のどんな強打線でも、
まず1失点までには抑えるだろうということを予想しています。
『佐々木が投げれば、どこにも負けない』
という自信をもって桜美林大が優勝を狙ってほしいと思います。
一方の高校の部。
昨年はこの明治神宮大会で、
それまでまったく無印だった四国代表の高松商がまさかの優勝を飾り、
その勢いに乗って選抜でも準優勝まで駆け上がり、
まさに『名門復活』を遂げた年でした。
やはり各校ともに地区大会を制してきた強豪なので、
選抜を見据えてしっかりとした戦いが繰り広げられるのが例年のこと。
そして優勝校の地区には選抜の選考で【明治神宮枠】が与えられるため、
各地区の『微妙な立ち位置』の学校は、
まさにかたずをのんで見守るという大会です。
今年も力のあるチーム、話題のチームなど、
かなり楽しみな大会になることは間違いありません。
あの清宮の早実が東京を制して出場を決めれば、
夏の選手権優勝校の作新学院もメンバーをガラッと入れ替えながら貫禄の出場。
先の国体で”初めての全国制覇”を成し遂げた履正社の勢いも止まりません。
『実力NO1』と言われるのは仙台育英。
この明治神宮大会では4年前、2年前と2年ごとに優勝を飾っており、
今年3度目の正直を狙います。
楽しみな対戦としては、
初戦で激突する作新学院vs明徳義塾。
夏の選手権大会準決勝の再現となりました。
作新がこのときは圧勝しましたが、
作新はその時のメンバーはほぼ全員が入れ替わったのに対し、
明徳はその時のメンバーがズラッと残って、
リベンジを果たす気が満々です。
このほかでも、
九州大会で3連続完封の離れ業を演じた福岡大大濠の三浦投手にも注目しています。
3連続完封といっても、
その中に鹿児島実とあの秀岳館も含まれてますから、
この投手の安定感、並みではなさそうです。
作新vs明徳の勝者が、
この三浦投手と激突するのですから、
ワクワク感が半端じゃないですね。
ということで、
木枯らし1号も吹いてとても寒い今週の東京ですが、
【野球ウェザー】じゃなく【フットボールウェザー】の中で繰り広げられる熱い戦いもまたオツなもの。
どこが『秋の日本一』を獲得するのか、
高校、大学ともに楽しみなトーナメントです。