大関豪栄道 いま輝きの時

大関豪栄道が絶好調です。

一昨日は大関・稀勢の里を、
そして昨日は横綱・鶴竜を完璧に倒し切り、
無傷の12連勝を飾りました。

追ってくるのは横綱・日馬富士をはじめとした2敗の3人だけとなり、
今日にも優勝決定の可能性もあるポジションに位置しました。

豪栄道は、
長く大器と言われ大関の座を射止めましたが、
優勝の経験はもちろんありません。

大関に上がった時も3場所の合計が32勝であったため、
ワタシは『何をそんなに焦ってあげようとしているのかなあ・・・・』
とやや懐疑的に見ていました。

そして案の定、
大関に上がってからというもの、
まったく優勝争いに絡むことがないどころか、
勝ち越しにも四苦八苦。

昇進から9場所連続の一ケタ勝利で、
『大関と名乗るのはおこがましい』
とまで感じていました。

しかし初場所で同じ大関の琴奨菊が初優勝を飾ったのが彼の中の何かを変えたのか、
続く春場所は12勝と初めての二けた勝利を飾り、
『一皮むけたか？』
と思われました。

しかしながら続く春場所では9勝、名古屋場所では負け越しと苦しい土俵が続き、
すっかり世間からは『忘れられた存在』になりかけた今場所。。。。。

何がどう変わったのか、
初日から好調。

動きが抜群によく、
悪い癖である引き技を封印して我慢してでも前に出続ける相撲をつづけ、
この日まで12連勝を飾っています。

今場所は、
場所前に白鵬が休場。

いやがうえにも稀勢の里の綱取りがクローズアップされていましたが、
その稀勢の里は”持ち前の気の弱さ”を土俵上でいかんなく発揮して序盤で2敗。

そして連覇を狙う横綱・日馬富士にも序盤で土がつくという展開で、
俄然この好調な豪栄道が輝きを増してきました。

そして一昨日、昨日と強敵に対して、
まったくひるむことなく堂々と連勝。

元来気が強く、
そして大舞台の経験も学生時代から踏んでいるので、
ビビるということとは無縁の性格。

そのあたりが、
稀勢の里とはちょっと違うところなのかなあと思います。

日本勢の優勝が久しく途絶えていた今年初めまでの大相撲。

しかし初場所で琴奨菊が優勝して風穴を開け、
今場所また豪栄道が優勝することになれば、
一気に土俵は盛り上がりを見せてくることでしょう。

豪栄道が今場所土俵上で見せる自信に満ちた表情は、
彼が今、相撲人生で一番『輝きの時』を迎えている、
というような気がします。

初場所の琴奨菊と、
本当にそっくりです。

さて、
残り3日。

プレッシャーもかかってくるとは思いますが、
果たしてどんな優勝争いになってくるのでしょうか。

まずは今日の大一番、
豪栄道vs日馬富士
これを注目しましょう。

そして日馬富士と同じく2敗で豪栄道を追う2人、
高安と遠藤にも注目です。

高安は今場所是が非でも12勝以上、
できれば13勝挙げてほしいところ。
そうすれば九州場所は、
完全な『大関とり』の場所となります。

豪栄道が大関に上がった時が直近3場所を32勝ですから、
高安はそれを上回ることが絶対条件となってくるでしょう。

先場所が11勝ですから、
今場所12勝か13勝を挙げれば、
かなり来場所が楽になってくるはず。

がんばってほしいです。

そして長いケガの”ブランク”から復活を遂げてきているのが、
10勝を挙げた遠藤です。
こちらもこれからスパークするためには、
最後まで今場所は優勝争いに絡みたいところです。

動きのキレ、
かなり戻ってきていますね。

ところで十両の安美錦、
何とか6番勝って来場所の十両残留は確保できたようです。
よかった、よかった。
本来は幕内上位で戦う力のある力士ですから、
ケガを癒してまた上昇気流に乗ってほしいです。

そして十両の幕尻でもがき苦しんでいた北太樹。
今場所負け越して幕下転落となったら、
さすがに引退となるだろうなと思ってハラハラ見ていましたが、
何とか昨日勝ち越しを決めて、
現役続行となりそうでホッとしています。

今場所の出だしが1勝4敗だったので、
半ば覚悟していたのですが、
そこからまさかの7連勝！
まだまだ『オレは終わらんぞ！』という意地を見せてくれました。

ワタシにとっての【ご当地力士】なもんですから、
応援しています。

ということで残り3日。
面白くなりそうですね。
白鵬のいない『戦国場所』。
いかが相成りますか。