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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

夏の甲子園を振り返って

2009年08月26日 | 高校野球

第91回全国高校野球選手権大会

昨日、中京大中京高校の7回めの優勝を持って、
幕を閉じました。

今年の大会も、
いろいろとドラマがありました。

そのドラマが凝縮された、
決勝の最終回、
日本文理の怒涛の反撃だったと思います。

この大会を振り返ってみましょう。


強豪・好投手が集まり、盛り上がった大会

今年の春のセンバツでは、
長崎の清峰高校が、長崎県勢として初の優勝。
歓喜の渦に包まれました。

その清峰は地区予選で敗れ去りましたが、
そのほかの全国の強豪は、
ほぼ出揃った今大会でした。

大会前の注目は、
なんといっても花巻東の菊池投手。

150キロに届くストレートとスライダーで、
センバツでは堂々の準優勝。

最後の夏の狙いは、
真紅の大旗しかありませんでした。

この菊池投手のほかにも、
智弁和歌山の岡田投手、
敦賀気比の山田投手、
酒田南の安井投手、
興南の島袋投手など、
左腕に好投手が揃った大会でした。

もちろん右腕にも、
常葉橘の庄司投手、
明豊の今宮投手、
西条の秋山投手、
中京大中京の堂林投手など、
キラ星のごとく好投手が並ぶという大会でした。

投手陣のレベルは、
物凄い高さだったといえるかもしれません。

昨今の甲子園では、
MAX140キロの速球を投げるのは当たり前。
130キロ台では、
見た目に遅く感じます。
(まあ、実際には球速が投手の質を決めるわけではありませんが。先日、高校野球を見た後プロの試合を見に行って、130キロ台後半しか投げない投手が無失点に抑えるのを見ました。球の質がいいため、見た目凄く速く感じるのですが、球速表示は138キロとか136キロとかばかり。打者の体感も違うでしょう。球速表示だけに頼った見方をしていると、投手の本質を見誤ると思いますがね。)

いままでは、
私が実際に見た中でも、
日南学園の寺原(現横浜)の155キロが最高。
140キロ台終盤はあまりお目にかかりませんでしたが。

今大会は、
菊池が155キロを投げたほかにも、
今宮が154キロ、
庄司も148キロ。
そのほかの投手でも、
なんてことない2番手が143、とか144とかを表示して、
場内を驚かせていました。

【球速のスピード化】
は間違いなく進んでいますね。


最後は打線の力が勝負を決めた

しかしながら、
最後の勝負は打線の力が決めたようになりました。
優勝した中京大中京、
打線の力は、歴代優勝校の中でも光っていました。
とにかく、
全員の振りの速さが段違い。

たまたま春のセンバツ時のビデオ(敗れた報徳学園戦)のビデオが傍らにあったので、見比べて見ましたが、「春~夏にどんな練習をつんだんだろうか?」と思うほど、振りの鋭さは違っていました。わずか3ヶ月あまりの間に、こんなに成長できるものなんですね。

準優勝の日本文理も、
驚くような打線を作り上げましたね。

監督自ら、秋の段階では【火縄銃打線】と銘打ったぐらい【嘆き】の打線だったのが、
夏の集大成を迎え【マシンガン打線】に成長を遂げ、打つわ打つわのお祭り騒ぎでした。

この両チームだけでなく、
県岐阜商や九州国際大付など、
鋭い打球を飛ばすチームが多かったですね。
初戦で敗れはしたものの、
花巻東・菊池から3HRを放った長崎日大の打線も強烈な印象を残しました。
明豊も、
毎試合【大会屈指】の好投手と当たりながら、
終盤にことごとく打ち砕いてきた打線は見事でした。

その一方で、
小技を駆使して得点力を挙げる花巻東のキレのある攻撃も、
異彩を放っていました。


1球への執念が、大会を盛り上げる

そんな大会の中で、
1球への執念が勝負を分けた試合が何試合もありました。
好勝負として語り継がれるであろう【中京大中京vs日本文理】の決勝以外にも、【花巻東vs明豊】【帝京vs九州国際大付】、序盤でも【中京大中京vs関西学院】や【立正大湘南vs華陵】など、想い出に残る勝負がたくさん展開されました。

立正大湘南・後藤選手の、
大ファインプレーの直後に放ったサヨナラホームランは、
今大会の華だったでしょう。

1球への執念は、
主に地方大会でよく見かけられる光景だと思っていましたが、
甲子園でも一投一打にかける物凄い執念の気迫が、
見られた大会でもありました。

それだけ僅差の試合が多かったということも言えます。


代表地区やユニフォームで
野球が出来る時代ではない


それから、
今大会に限らず近年の高校野球では、
本当に地域差がなくなってきたと思います。

今大会の日本文理、花巻東を見るまでもなく、
『○○県代表だから』強い!
『××県代表だから』弱い!
はもう、全く通用しません。

連覇の駒大苫小牧に始まって、
一昨年の佐賀北、センバツの清峰。
今大会の日本文理、花巻東。

すべて、
かつて『弱小県』『野球不毛の地』
といわれた県の代表です。

おまけに、
選手の構成はほとんどが地元出身。

野球留学が悪いといっているのではありません。
そうでないチームでも、
こうやって甲子園で十分優勝を争うことが出来るということなんです。

これらのチーム。
いろいろな情報によると、
『情熱を持った指導者』が、
『猛練習を課している』
チームなんですね。

言葉を変えると、
『高い目標を持って鍛え上げられたチーム』
ということがいえるでしょう。

とかく負けたときに、
『県のレベルが・・・・』
という嘆きを指導者から聞くことがありますが、
『いやいや、そういうことじゃあないんだよ』
ということを、
如実にあらわしていると思います。

特に最近では、
小学校の学童野球が隆盛を誇り、
そこから中学では、
各県にシニア、ボーイズ、ポニーなど、
硬式のチームが準備されています。
もちろん軟式のチームもたくさんあります。
そして高校へ・・・・・。

子供たちが、思い切って野球が出来る環境が整ってきているといえるでしょう。
そして、
そうして草の根で野球を指導する指導者達の質も、
かつてと比較すると『雲泥の差』といえるかもしれません。
『きちっと野球を教えられている人たち』
が野球の現場に戻ってきて、
『小さい頃からしっかりと教えていく』
という環境があればこそ、
地域の格差はなくなってきているのではないかと感じているのです。

そういう意味で、
今年の『花巻東』の選手達、
『日本文理』の選手達には、
将来何らかの形で、
野球に携わって欲しいと思っています。

あの素晴らしい舞台で、
素晴らしい野球を披露した選手達が、
次世代にもその野球を伝えて欲しいと願っています。

小学生などの時代から『全国』などのひのき舞台を踏んでいる選手達は、
少々のことではビビらなくなっていますね。

かつては、
PL、天理、広島商、中京などは、
その名前とユニフォームで相手をビビらせ、
試合が始まる前から相手を呑んでかかっていました。

しかし今では、
どのチームもそんなことはどこ吹く風。
相手がどこであろうと、
キチンとした試合をやってきます。

そのあたりも、
地域差がなくなってきた原因のひとつかもしれません。


覇気の足りなかった関東勢、近畿勢、四国勢
今後どう巻き返してくるのか


高校野球の代名詞ともいわれ、強豪地区として名を馳せてきた関東、近畿、四国の代表が、今大会ではまさかの敗退を繰り返しました。

ベスト8の顔ぶれを見ても、
関東でわずかに帝京が勝ち上がった他は、東海2、九州2、東北・北信越・中国各1となりました。
この3地区がこんなに負けたのは、初めての出来事かもしれませんね。

しかし大会前の予想では、
Aクラスのチームに、帝京、日大三、PL学園、智弁和歌山、天理、西条などが上がり、これらのチームが優勝争いをすると見られていましたが、負けた試合を見るといずれも『力で押し切られた』試合ばかりでした。

今大会を見ていると、
前述のように『代表の地区で強さが決まるわけではない』ということが顕著になってきたように思います。

このところ進境著しい『九州』『東北』地区に、
新たに『北信越』地区も加わり、
今後も激しいバトルが繰り広げられるようになって来るでしょう。

ちなみに、
サッカーの世界でも、
全国高校サッカーでは、過去3年間で
『広島皆実』『流通経済大柏』『盛岡商』
が優勝しています。

『国見』『市立船橋』『静岡勢』
一辺倒の大会ではなく、
群雄割拠になってきていますね。

同じことが、
高校野球の世界でも起き始めています。


さて、
秋季大会も各地で開幕しています。

今年甲子園で見た2年生、1年生の選手達に、
甲子園で再会できるのでしょうか?

はたまた、
新しい選手が、
次から次に出てくるのでしょうか。

来年の春のセンバツまで半年。
そして夏の大会まで10ヶ月。

長いようで短い、この期間。

鍛えに鍛えて、
明日の『中京大中京』になるチームは、
どこだ!!!

 


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