図書館で借りている本の返却期限がきた。その中で「風穴をあける」谷川俊太郎の中で気にいった文章があったので、書きとめておきたい。……「ほそい がらす」と題された八木重吉の短詩に接した。
ほそい
がらすが
ぴいん と
われました
「細いガラスがぴいんと割れました」と表記すれば、この四行はたちまち散文の中に埋もれかねない。この四行を辛うじて詩にしているもの、それは作者の意志ではないかと私は思った。すでに存在している「詩」を選ぶというよりは、これが詩だと闇雲に主張することで、ある言葉の連なりを他から区別する。……なるほどこれは美術でもいえることだ。
ほそい
がらすが
ぴいん と
われました
「細いガラスがぴいんと割れました」と表記すれば、この四行はたちまち散文の中に埋もれかねない。この四行を辛うじて詩にしているもの、それは作者の意志ではないかと私は思った。すでに存在している「詩」を選ぶというよりは、これが詩だと闇雲に主張することで、ある言葉の連なりを他から区別する。……なるほどこれは美術でもいえることだ。
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