トウキョウ◎アワー

ふるさとの自然が、愛しい。
懐かしいとよく似てるけど、ちょっと違う。
帰りたいと思うか、思わないかだ。

ばあちゃん

2016-04-07 22:54:49 | Weblog


私の祖母は、4月5日で98歳になった。
どこまでもしゃべりずきで、よくわからない根性があって、父のことが大好きな人だ。

その祖母が昨年秋に転んで、大腿骨を折ってしまった。
それから転げ落ちる様に体力も気力も落ちてしまっている。
それでも兄が毎日お見舞いへ行くと、お土産に持って行ったどら焼きは美味しそうに食べていたらしい。

私はいつものように日々を過ごしていて、すっかり祖母の誕生日を忘れていた。
夜に兄から写真が送られてきて、
甥っ子が書いた祖母の絵と、その下でにこりともしないで目を閉じた祖母が写っていた。
人とはこんなにも弱っていくものなんだということを思い出した。
人とは死んでいくものだったと、はたと思い、果たして私は彼女に何をしてあげられただろうかと思った。

保育園の頃は祖母の三輪車の後ろの荷台にゆられて送り迎えをしてもらった。
漕ぎ出しが大変らしく、ハンドルを大きく左右にふって、ゆっくり前に進む祖母の背中を見ていた。
近所でも有名なほど元気な人で、私の結婚式ではアポなしで民謡をご披露し両家の度肝を抜いたりもした。

そんな人でも老いるのだ。
そんな人でも死にゆくのだ。

長くも短い人生をどう生きるか。
このシンプルな問いを老人や故郷はいつも与えてくれる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿