小さないのちが、数日前までお腹にいた。
守りたかったが、守りきれなかった、かよわい命だったけれど。
「赤ちゃん、お空にかえっていったんだよ。バイバイってしたんだよ。」
娘に伝えると、いやだ!やーだー!と言いながら、
私の気持ちを代弁してくれるかのように大泣きしてくれた娘。
それでも理解はしたようで、
数日経った夜。
「おなかにいた赤ちゃん、おとこの子だったの?おんなの子だったの?」
と聞いてきた。
「女の子だったみたいよ。」
「おんなの子って、いもうとって言うんでしょ。この間お母さん教えてくれたからね。」
「そうね、あまねはおねえちゃんだね。」
「うん、2さいの時はわかんなかったけど、4さいはわかるよ。」
成長する娘との会話はどんどん面白くなってくる。
「おなかにいた赤ちゃん、どうしておそらに帰っちゃったんだろうね?」
と聞くと
「あかちゃん用のちっちゃいケータイ忘れちゃったんじゃない?」
だって。
そうか、あの子は携帯を忘れてきたのか。
取りに帰って、そしてまた、お腹に戻ってきてくれるといいなあ。