私の母は1日に2回掃除をしていた。
朝と夕。
ふき掃除も毎回していた。
そして私が代わりに掃除をする時も
自分と同じようにすることを要求した。
だから私にとって掃除とは
ものすごく面倒で時間のかかる憂鬱な家事だった。
大人になって
世間ではそれが当たり前というわけではないと知った時はホッとしたが、
掃除の呪縛は想像以上に私をがんじがらめにしていた。
昔と違って今の暮らしは家の中が土埃で大変なことになることはないし、
子供が大きくなれば家もそれほど汚れない、
毎日掃除をしなくても全然平気だ。
それでも、何だか後ろめたい。
いつ掃除したっけ、
掃除をしなくていいのか、
掃除しなくちゃ、
と強迫観念にかられる。
それは家が汚れているかいないかとは全く無関係なのだ。
そこで、掃除をした日はカレンダーに記入しておくようにした。
掃除しなくちゃと不安になったらそれを見て、
大丈夫まだ掃除しなくていいんだよと自分に言い聞かせる。
子供の頃に植え付けられた習慣はかくも長く人の心を縛るものなのか。
ちょっと恐ろしい。
さて当の母だが、自分が忙しくなってからは掃除をサボってばかりだった。
そして歳をとるとほとんど掃除をしなくなった。
家にはいつも綿ぼこりが飛んでいた。
なんなんだよ。
本当に迷惑な話だ。
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