アメコミとラーメン

今回のゲストはカンフー野郎、Marvel Team-up (SPIDER-MAN)



続きを漸く手に入れることができたので、最後のMarvel Team-up (“MTU”)をレビュー。今回はMTU 63号と64号。

本題の前に、前回のMTUのレビューで取り上げたMTU 70号。http://green.ap.teacup.com/amecomitoramen/1023.html
どうも表紙に記憶があったのだが、どうしてかわかった。これ大昔に読んだことあった。(内容の記憶は全然なかった。)昔のSPIDER-MANの話を再録したMarvel Talesという漫画があり、それで読んだんだった。倉庫にあるアメコミを整理してて、偶然見つけた。(Marvel Talesは、Wikiediaによれば1964年から1994年まで発行されていて最初はSPIDER-MANの話の再録ではなかった。)無茶苦茶悔しい。

閑話休題。MTU 63号、64号の筋書きChris Claremont、画をJohn Byrneが担当。インク入れはDavid Hunt。この時代のByrneに鉛筆へのインク入れでは、Terry Austinが最強なのだが、Huntのインクもなかなかのもの。画がすっきりしている。

さらっと粗筋を紹介。MTU 63、64号で二話完結。今回のゲストはIRON FISTとMisty Knight。Mistyが潜入した船に乗るマフィアはIRON FISTの命を狙っている。殺し屋は、かつてIRON FISTに打ち負かされたSteel Serpent。二人は正々堂々と戦うのだが、IRON FISTは打ち負かされてしまう。そして、IRON FISTの力の源、刺青となっているShou Laoが奪われる。そして、SPIDER-MANの到着もむなしく、IRON FISTは生死の境をさまようことに。再度Steel SerpentはIRON FISTの命を奪うべく現れるのだが、最後はIRON FISTの勝利となる。

いつもの通り、好きなシーン等について書いていこう。正直この話が最近読んだClaremont とByrneのMTUの話の中で一番面白かった。前回までMTUを脱力系シリーズと書いたが、今回の作品のように、中には良いものがある。

この本の出版は1977年。Bruce Leeが映画「燃えよドラゴン」他で披露したカンフーのブームは、まだまだアメリカでは続いていた。だからこの2冊の副題は、Night of the DragonとDaughters of the Dragonだ。何でもDragonと付ければカンフー関連になる。

SPIDER-MANの台詞にも出てくるのだが、IRON FIST以外にも、MarvelにはMaster of Kung Fuなるカンフーヒーローシリーズがあった。その主人公Shang Chi、つい最近では、Amazing SPIDER-MAN のSpider Islandで重要な役割を担ってたよね。

面白いのだが、今回のSPIDER-MANは主役と言うよりゲスト扱い。話の中心が完全にIRON FIST。彼の戦闘シーンは相当迫力がある。あ、Mistyの戦闘シーンも良かった。流石Byrneだ。今回の敵はカンフー使いで、どうもSPIDER-MANの敵役と言うにはしっくり来ない。それがSPIDER-MANの出演シーンが少ない理由だな。書いていくうち、結局褒めるところは、アクションシーンだけだったのかと悟ってしまった。だけど、それだけでもお得な話だ。

「気合い」、「血」等日本語と思われる言葉を使っているかと思えば、上記のShou Lao(恐らく昇龍)は中国語。アメリカ人にとっては日本語でも中国語でも、どっちでも良いのか。読んでいる日本人のおいらもどうでも良い。また、敵役のSteel Serpentなんて辮髪だもんね。時代錯誤も甚だしい。

一つ残念だったのは、この話の前日談が、MTUではなくIRON FISTだという点。おかげでMistyとIRON FISTとの恋愛事情が、もう一歩わからない。わかっていたら、もっと面白いのに。
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