
今年の前半に悪のSPIDER-MANの終了とともに幕を下ろした Superior SPIDER-MAN Team-up 。(レビューのリンクは下記) http://green.ap.teacup.com/amecomitoramen/989.html
その原型となったのが、このMarvel Team-up (MTU)だ。MTUはSPIDER-MANとMarvelのヒーローが月替わりでパートナーを組み悪人と戦うもの。同じ悪人と戦うのに、月が変わると出てくるヒーローが変わってしまうこともあり、お得なんだか、先月出て来たヒーローはどうなったんだかわからない何ともいい加減なシリーズ。Wikipediaによれば、1972年から1985年まで続いたと書いてある。そもそも、大好きなJohn Byrneの作品を集めるのが目的で買ったので、彼が担当したMTU 59号から62号までをレビュー。その後の作品も買ってある。(全部じゃないのが残念。)
画は件のByrneが担当している。筋書きはByrneと共にX-MENの中興の祖であるChris Claremont。インク入れはDave Hunt。中興の祖の最後の人物Terry Austinは担当していない。表紙は全部パッとしないのだが、MTU 59号のものにした。
さらっと、粗筋を紹介。MTU 59号、60号では、AVENGERSのメンバーYELLOW JACKET (“YJ”)とWASPがEquinoxなる火と氷が合体したような悪人に襲われる。そこにSPIDER-MANも参戦してこの悪人と戦う。61号、62号ではFANTASTIC FOUR (“FF”)のいないバクスタービルで前回までの戦いの後片付けをするSPIDER-MAN。そこにFFの力を真似たSuper Skrull (“SS”)が現れ彼を襲う。61号ではFFのメンバーHUMAN TORCHが、62号ではMs. MARVELが参戦しSSと戦う。
いつもの通り、好きなシーンや台詞等について書いていこう。まずは、Byrneの画。やはり良いものは良い。彼は後にFFを長らく担当することになる(232号~292号は持っているな。)。FFの基地バクスタービルの内装はJack KirbyへのHomageとも言える画で今読むからその画の楽しさを満喫できる気がする。
先々週レビューしたASM 4号にも出てくるAVENGERSの非常事態宣言Code Omega(Omegaはギリシア文字で最後の文字、だから最悪の状態ということなのだろう。)がここでも使用されている。
夫YJが死んでしまったと思ったWASPは愛する者を失った苦しみなどわからないだろうとSPIDER-MANにあたるのだが、その問いに対し、彼はGwenと叫ぶコマがある。ここは良いな。
全編を通じ、ニューヨーク市警のJean DeWolf警部が登場する。どうも彼らの役割はニューヨークで暴れるスーパーパワーを持った悪人達に対処するのが仕事のようなのだが、役立たずなのが良いな。Claremontは、少なくともわざとそう話を作っている。この女性警部は後に死んじゃうだが、キャラクター的には勿体ないな。今は渡辺警部がいるか。
後半部分は、あまり好きでない宇宙ものになったこと、SSの能力が前回の悪人Equinoxの能力と被っていたことから、ちょっと乗れなかった。62号で多少面白くなるかな。
突然SSが弱くなったり、強くなったり、因果関係がわかりにくい。無駄な説明も気になるな。
豪華客船の中の荷物の中に宇宙的な力をもった水晶があって、みたいな設定が唐突感ありあり。全然意味がわからない。そして、この物語の続きはMs. MARVELで読んでみたいな無責任オチは怒りを通り越して、逆に笑える。
SSをMTU 60号まで捕らえていたSoul Catcherなる古代の道具を最後は活かしてほしかったかな。