
1990年から1991年にかけてのSPIDER-MANの3話完結のミニシリーズ、 Revenge of the Green Goblin (ROGG)を読み終えたので、早速レビュー。
筋書きをRoger Stern、画をRon Frenz、インクをPat Olliffe、George Rodrickが担当。
筋書きをさくっと紹介。精神病院での治療を終え退院したGreen GoblinことNorman Osborne。看護にあたっていた看護師Kolinaに恋に落ちる。また、彼はその一方でSPIDER-MAN に対し、綿密な計画を元に復讐計画を進める。その計画に没頭するあまり、NormanはKolinaに正体を知られたばかりか、彼女を傷つけてしまう。
いつものように、気に入ったシーン、台詞等を紹介。まずは、添付のROGG 1号の表紙。いつもだったらGoblinもSPIDER-MAN も出てこない表紙に物足りなさを感じるところだが、Goblinの武器カボチャ爆弾が、SPIDER-MAN のマスクの上に鎮座するデザインは秀逸。Lee Weeksの作品。彼の画がベタ塗りの背景で勿体ない気もする。だけど良いな。
今回はいつもと違いインクを入れている人の名前も載せた。コマによって、Frenzの画が時々凄い画に変わる時がある。特にROGG 1号冒頭のGoblinとSPIDER-MANの戦闘シーンはどれも丁寧で素晴らしい。どちらがインクを入れてるのかな。Frenzの画はSPIDER-MANとGoblinの戦いであれば十分魅力的。
この話、Kolinaという看護師と亡くなった妻Emilyと二人の姿を重ね、Normanが真剣に人を愛すことが出来るんだとわかる珍しい作品。若いKolinaに求めたのは、薬に頼ることなく、精神的なバランスを保つことなのかな。別の表現でcontrol sanityって言葉が使われている。
Goblinが仕鰍ッた第一弾の罠の歯磨き粉の中に仕込まれた化学物質により、Peterは何度も悪夢を見る。SPIDER-MANのマスクを脱ぐと中身はGoblinに変わるものだ。これが2話以降何度か繰り返される。単なる幻覚と思いきや、ここには重大な意味がかくされているんだね。即ち、Normanは自分自身が率いるカルト集団Order of Scrierの後継者を忠実な僕Donaldではなく、Peterに決めていたというもの。ここがクライマックスか。面白い。
また、この当時はちょうどMary Janeが死んだことになっている時期。喪失感でいっぱいのPeterに、そのタイミングを狙って攻撃をかけるGoblinは彼らしく狡猾だ。好きだね。悪はそうでなくちゃ。
一方、気に入らないことが2点。まずは、この話結局途中で終ってしまう。おそらく持っていて、読んだこともあると思うけど、通常のAmazing SPIDER-MANに続くんだよね。May伯母さんが死んじゃう話だっけ。いずれにせよ、3話も続いているんだから一応話を終わらせて欲しかった。
それから、この歯磨き粉や、第二の罠CDにまんまとひっかかっちゃうPeter。SPIDER Sense(SPIDER-MANの第六感)はどこに行っちゃったんだ。普通わかるでしょ、危険だって。