
Facebookで繋がっているBob Laytonさんは、自分が担当した作品の画を紹介してくれる。そのうちの一作HULK Annual 7号を買って読んだので早速レビュー。10年振りくらいでHULKネタ。
1978年の作品。ページ数が多いのに60セント。安い。それを11ドルで買ったが、高いけど状態が悪くないのでまずまずか。筋書は、Roger SternとJohn Byrne、画もByrne、インクをLaytonが担当している。Laytonがインクを入れるとByrneの画も別物に見えるな。ICE MANの表情なんかLaytonの力がによるところが大きく良いな。
ミュータント殺しロボットSentinelの進化形Master MoldがANGELとICE MANを襲った。助けを求めるため、ニューメキシコのガンマ線基地にいるHULKの元へと向かったANGEL。HULKとMaster Moldとの戦場は、ニューメキシコから宇宙空間にあるMaster Moldの基地へと移る。
前半部分のDoc SamsonとHULKのやり取りは面白いな。その中のHULKの台詞、”Samson, you talk too much.”お喋りなやつが嫌いなんだよねHULKは。
その割には、結構HULKはお喋りだ。ICE MANへの自信に満ちた一言が好きかな。”Hulk told you he doesn’t care if the robot (Master Moldのこと) hears him.”
それから笑っちゃうのは、HULKは無茶苦茶強いのに、閉所恐撫ヌ。この伏線は、後半部分でMaster Moldに透明なカプセルに閉じ込められた時にも使われる。ミュータントBlobを閉じ込めるために作られたカプセルなのだが、HULKの前にはこんなものなんの役にも立たないところが良い。
カプセルが架空の物質”plasteel”で出来ているというわけのわからない設定も良し。1970年代らしい。それで言えば、Master Moldの基地には核融合の動力源がある。
Steven Langの死の間際、彼の遺志とSentinelが合体してMaster Moldとなったはずが、実はSteven Langは死んでなかったという現実。これ落語の粗忽長屋と似ているな。粗忽長屋のサゲ(オチのこと)は、自分の死体を自分が担いでいるというナンセンスなもの。
同性愛者であることを最近Coming-outしたICE MAN。この当時はガールフレンドと仲良くなることに一生懸命。やはり、取って付けた設定変更は駄目だね。この物語のオチは、そのガールフレンドはICE MANにそれ程夢中じゃないところ。
全体的には一話完結で、前回からの話に左右されることはないのだが、内容はあまりなく緩い展開。ほとんどがByrneが作ったのかな。Sternは台詞だけかな。