
Spectacular SPIDER-MAN (“Spec”)の先月分307号、今月到着した308号についてレビュー。
筋書きをChip Zdarsky、307号の画をAdam KubertとJuan Frigeriが、308号の画をChris Bachaloがそれぞれ担当。添付画像はSpec 307号の表紙を選んだCully HamnerとMorry Hollowellの作品。Kubertの画に似ている。
さて粗筋。漸く別の時間軸から戻ってきたSPIDER-MAN。敵は、人工知能Vedomi。過去に戻ってVedomiの仲間から手に入れたカプセルを使いSPIDER-MANはVedomiを地球から立ち去らせようとするが、立ちはだかるのはTinkerer。308号ではSandmanが出現。しかし彼は人間の形に砂をまとめることができず瀕死の状態。SPIDER-MANは彼と話す。
気に入ったシーン、台詞を紹介。人類への不信感からVedomiに味方するTinkerer。それに対し、SPIDER-MANは彼のこれまでの生い立ちをTinkererと共有する。二人とも同じように肉親を失っている。方や人類を憎み、方やそれがきっかけとなり責任感に目覚める。そこにTinkererが心を打たれるわけだ。ここだな、ぐっと来るのは。そして、その共有をKubertとFrigeriが上手に画に落とし込んでいる。このページは綺麗。
一番のお気に入りが最終シーン。Vedomiを唐キため協力してくれたPeterの妹Theresa。彼女をMay伯母さんに紹介しようと家の前まで来たPeterだが、Theresaは伯母さんと会わない。前述の責任感が、ここでも言葉にこそ出されないが、Theresaの自首することへと繋がるわけだ。
ベタながら、Theresaの”My big brother saved the world.”って台詞は何か好きだな。
続いて308号。なんと言ってもこの号は、今年亡くなったSteve DitkoへのHomageの詰まったもの。最初の2ページなんてDitkoの画をコラージュしている。それが凄く綺麗。(最後の2ページにも使われている。)もしかしたら、亡くなった後に差し替えたんじゃないかと勘ぐってしまう。
そんな贅沢なページの使い方をしているので、物語の進行は非常に遅い。何が起こっているかさっぱりわからん。
J Jonah Jameson (“JJJ”)の台詞に笑った。SPIDER-MANとSandman。かつて二人のことを社会の敵とJJJは見做していた。現在のJJJは、二人は別の道を歩んでいると断言する。Peterに何故かと聞かれた答。”You have me, JJJ to keep you on the straight and narrow.”つまりJJJがPeterの側にいてしっかり見張っているから大丈夫なんだってこと。流石JJJ。どこまでも自分が一番。ちなみにkeep以下は熟語で正直で倫理的な行動をする(この場合行動させる)みないな意味。勉強になる。