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トリアージュ(トリアージ)…救命救急の最初の砦

2005-05-31 | さいえんす
 報道によると、今日、県立中央病院で大地震を想定した初のトリアージュ訓練が行われた。トリアージュ(triage)はフランス語で『選別』の意味。救命救急の用語では、大災害などで多数の負傷者が発生したときに、負傷者の命のレベルを判断し、治療すべき負傷者を『選別』すること。救える命を効率的に救うために、多数の患者の中から、至急な治療を要する患者を選別する。START法という方法で行われ、負傷者を命のレベルに応じて4段階に分ける。呼吸、循環、意識レベルの3つの観点から判断し、トリアージュタッグを付けてゆく。

優先順位タッグ色分類備考
赤(Ⅰ)最優先治療群緊急の治療を要するもの
黄(Ⅱ)待機的治療群多少処置が遅れても生命に影響ないもの
緑(Ⅲ)保留群軽度の症状のもの
黒(0)死亡群治療を施しても回復の見込みのないもの


 トリアージュで一人当たりにかけられる時間は1分足らず、迅速さが要求される。また、通常であれば全力を挙げて治療すべき心肺停止の患者に対して、災害現場のトリアージュでは黒タッグ―――回復の見込みがなく、治療しない―――を付けねばならない。苦渋の決断。防げる死は、防がねばならない…。トリアージュの最大の使命との葛藤でもある。

 本格的なトリアージュが国内で最初に行われたのは、JR福知山線で快速列車が脱線転覆した、尼崎事故であるといわれている。多数の負傷者の容態を瞬時に判断し、救える命は救う。大破した車両の中から運び出された負傷者たちを診て、タッグを付けてゆく。これは阪神大震災の際の苦い経験を繰り返さないためである。いつ、どこで起こるかわからない大災害、それに対する備えは万全だろうか?今更になってトリアージュ訓練を開始しているのでは遅い。トリアージュのような大切な訓練は、もっと多く行われてもいいのではなかろうか。そなえよ、つねに。

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2 Comments

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人権?それとも・・・ (天照白雪)
2005-06-01 03:58:37
トリアージュとはナポレオン統治下のフランス軍において(記録上)初めて(?)実施された医療体系だとか?

人道上の観点から言えば「助かる可能性のある命を見捨てるとは何事だ!」となるのだろうが、現実はそこまで甘ったるくは無いんですよね。

大規模な災害or紛争において多数の負傷者が出た場合、最大数助かる命を助けるにはこの方法が最適なんでしょう。助からないと判断された方には申し訳ありませんけど、非ヒューマニスト(いわゆるひとでなしか?)の観点から言えば、最小限の犠牲で最大公約数の命を救うことが出来たわけで尊い犠牲であると言えるわけです。

まぁ、実際そんな事件や事故、災害が起こるなんて、実際起きてみるまで考えても見ませんがね。

そういえば阪神大震災当時ではトリアージュがうまく機能せず、軽症者が大病院に集めたり、重症患者が小さな病院に集まったりして死者数を増やしてしまったとか言われているが、本当に、氏の言う通りにこのシステムは重要なものだと認識せざるを得ないだろう。

乱文、失礼しました。
阪神大震災の教訓 (雪うさぎ)
2005-06-02 00:33:48
 おっしゃるとおり、国内におけるトリアージュは阪神大震災の反省を期に検討されたものです。

医療現場で治療すべき負傷者がわからない…そんな事が起こってしまうんですよね、現実問題として。

トリアージュは病院で訓練ばかりしていてもいけないんですよね、ホントは。

病院に搬送する前の現場でも、トリアージュを行わねばならないんですよね。

救出したらすぐにトリアージュ…これが理想ですが、日本の災害対策の実情では出来ているところは多くありません。

とにかく、災害は忘れた頃にやってくる…と。

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