今回はチョトまじめなお話
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20061025014.html?C=S
今日はこのニュースがどうにも気になった。
要約すると
・生徒の「受験に必要な1科目に絞り勉強したい」という要望を聞き入れ
・2科目履修する必要がある地理歴史の授業を1科目しか受けていない(世界史が未修)
というもの。
"受験に関係の無い勉強はしたくない"・"社会人になっても直接役に立たない教科"
といった生徒の考えも
なんだかなーだけど、
教育のプロたる教師がそれを認めて実行してしまうところが…だめぼ。
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ここで、ある人物を紹介
井上成美(最後の海軍大将)
太平洋戦争中、親米英・非戦派だった井上は閑職である海軍兵学校校長に転出する。
(海軍兵学校-海軍の幹部を養成する学校:現在の
海上自衛隊幹部候補生学校にあたる)
戦時中、敵国語でもある英語を兵学校の教科及び入試科目から廃止し、もっと実戦に直接役立つ科目に時間を振り向けるべきとの意見が兵学校内で強くなると井上は
(陸軍士官学校が早々に英語を廃止したため、優秀な人材を陸軍に取られてしまうとの懸念もあった)
「いやしくも世界を相手にする海軍士官が事実上の世界語である英語を知らぬで良いということはあり得ない。外国語のひとつも習得しようという意気のない者は海軍には必要ない」
とたしなめ、兵学校の英語教育は従来どおりと決定した。
(太平洋戦争の敗戦を予想し、戦後日本の再建を担いうる人材を育てるつもりだったと言われる)
さらには海軍士官として直接・直ちに役に立つ軍事学の時間を削除してまでも、広い知識と常識・合理的な判断能力を養うために普通学(数学や物理・もちろん世界史)の時間を確保したという。
そんな井上校長のところへ、
鈴木貫太郎(同じく海軍軍人・のちに総理大臣となり、太平洋戦争を終結させる)が訪ねてきた折、
耳の遠い鈴木が大声で井上に
「いいか、兵学校の教育の成果が現れるのは、二十年後だぞ、井上君」
井上は我が意を得たりと深く頷いていたそうな。
つまり、
・1年2年程度の短期的視点ではなく、10年20年先を見越し
・幅広い知識と技術を身につけたるための基礎教育の充実
を目指したのである。
ちなみに
終戦後、井上は横須賀の長井に引きこもり、世に出ることは無かったが
近所の子供たちにのために自宅に英語塾を開いた。(
詳しくはここ)
(興味のある方は新潮文庫の『井上成美』阿川弘之著:お勧めです)
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この問題、たぶん高岡南高校に止まらず他の都道府県まで含めて広範囲にわたることになるであろう。
(世界史の教科書は買ったが、使った覚えが無い - という人、まわりにたくさん居ますから)
"受験のための勉強"しか出来なかった彼らの20年後はいかに。