船と港と 港と船と

ども、「アルミダ２」です。


ちょっと前のエントリで、
わたしがギルマスを港に例えたことを覚えてらっしゃるでしょうか。



思うに、人には船と港と、二つのタイプがあるような気がします。

で、すべてのギルマスが港タイプとは思いません。
船タイプの人でも、ギルマスを務める方はいらっしゃるだろうけど、

なんとなく、船を停泊させてる港のほうがギルマスっぽい・・・


私はかつて一艘の小舟でした。
それこそ、クロノスという大海の中で波間に漂うだけの。

一度だけ、一つの港に停泊したことがあります。

ずっとその港に留まっていられると思っていました・・・


それが、ひょんなことから港になることになってしまいました。

堂々たる艦船ならばいざ知らず、小舟ごときが港になろうとするのですから、
身の程知らずもはなはだしく、
四苦八苦・試行錯誤・暗中模索・五里霧中・・・・
まぁ、そんなこんなで、やたらめったら時間がかかった気がします。

で、気がついたら今度は、どうやらすっかり鈍重な港になっていたようです。


このたび、ただ一隻の船にもどって、こちらにこないかと
ある港とそちらの船たちから申し込まれました。

それは、かつて、
私という港に停泊していた船たちでした。


いとおしい船たちです。
ともに在ることが出来れば、このうえなく幸せなはずでした。
そして、その申し出をうければ、それが叶う。
それはわかっていました、頭では。

ですが、肯じえなかった。

もはや、私は（出来はどうあれ）港として
岸壁に張り付いてしまっていたようなのです。


港がベリベリと岸壁から身をはがし、
河岸を変えようといっても・・・・・・・・

できるもんじゃありません。



船は動けますが
港は動けません。

留まるしか、ないんです




もうはや、いとしい船たちに去られ
誰にも省みられることのない、
寂しく廃れた港として、
屍のように、ただ在ろうと

一度は覚悟をきめました。



というよりも、港を整えようという気持ちになれませんでした。

疲れきって・・・・・・

あれほど気力がなくなったのは、クロノスを始めて初めてのことです。

かつて、母港とさだめた港を追い出されたときでさえ
波をやり過ごそうとする気力がありました。

（それでも引退という二文字が出てこないのが
　私の妙なところでして）

ですが、この港にとどまりたいという二隻の船がありました。

たった二隻ですが、それでも港は港です。








さて、このたび、我が畏友が、港となる決意を固めました。

彼は、自らをただ一隻の船と思いたがっていたようですが、
私には、いつか、この日がくるような気もしていました。

それを、あえて、彼を一隻の勇壮なる艦とみなしていたのは
そうすることで、自分が(身の程知らずでも）彼を
自分の側にとどめておけるかもしれないと
思っていたからでしょう。

そうしておきたかった・・・・・・

いや、だがしかし、
港はやはり、港なのです。


そして、彼は私を、一隻の船として、求めました。

私を、自分のうちに留めたいと思ってくれたのだと
思ってもいいのでしょうか・・・・・・


一隻の船にもどることができれば、どんなによかったでしょうか。


（それとも、
　港としてのおのれと、
　一隻の船としてのおのれと、
　両立できる方法があるのなら
　どなたか教えてください！）


ああ、ちがうな。
私たちは互いに、船と船でありたかった。

もどれたら、どんなにかいいだろう・・・
互いに、一隻の船と船、
クロノスの狩場という海を
ただ狩りに興じて進んでいた頃に。



・・・・とにかく、今は、

二つの港の、幸いと前途を祈るばかりなのです。

いやまあ、こちらギリギリ、むこう昇る朝日のごとき勢いと、
比較にならん感じなんですけどね。

・・・だが、むこうの、その素晴らしいものをあそこまで育てたのは
こちらの港であると、
自負しちゃったりなんか、しちゃってるんですけどね


うん、気力、もどってきたようなきがします！