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ギターと音楽に関する雑感

Fender Japan ST54-95LS

2013-03-31 | 楽器

Fender Japan ST54-95LS

エレキギターのリフィニッシュを去年しました。

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めんどくさいことは承知の上で、どうしても自分でやってみたかったのですけど、人にはお勧めできません。きちんとした設備とノウハウを持ったリペアショップにお願いするのが断然いいと思います。

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Fender Japan ST54-95LS は、USAクラプトンモデルと同じゴールドレースセンサー(当時)にミッドブーストサーキットを掲載したモデルで、色々と仕様の違いはあるものの、遠目に見れば充分にクラプトンモデルに見えます。ただ、誤解なきよう。これはクラプトン仕様を流用しただけで、ヘッドにクラプトンのサインもなければ、製品名にも名は冠していないので、クラプトンモデルではありません

97年3月に石橋渋谷の中古フロアで、ほとんど弾かれた形跡のない状態で売っていたのを買いました。

その前に、クラプトン仕様のモデルが欲しいと思ったキッカケが下の広告。

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この広告、ギターマガジンでは、

「神に選ばれた白は、ブルースに染まる」

というキャッチフレーズもついていて、そりゃカッコよく見えました。

とはいえ、当時学生だった僕はUSAモデルを買える余裕もなく、黒でもイイと、中古のジャパン製クラプトンモデル「モドキ」に飛びついたわけです。

0002_4ネックには「MADE IN JAPAN」とあり、97年中に「Crafted in Japan」に変更されているので、これはフジゲン製と考えられます。シリアルナンバーから察すると、Nからはじまるのは1993年~94年製だそうです。

http://www.fenderjapan.co.jp/support.html

サポートのページに記載があったので、(ほぼ)間違いないでしょう。

塗装はポリエステルで、それをどうしてもはがしたかったことと、何年も納戸にしまいこんでいたので、復活させたいと思ったのが、リフィニッシュの動機でした。

まずはパーツをすべて取り外し、塗装をはがすところから始めるわけですが、ネットで自前リフィニッシュをした方の報告を見ると、アイロンやドライヤーで熱してはがす方や、ヤスリでガリガリ削る方もいましたけど、僕は皮スキでパリパリとはがすことにしました。

それが、やり始めたらどうにもこうにも始末が悪すぎて困りました。ボディからはがれた破片は硬いし鋭利だし、部屋中のあちこちに飛び散ってしまいます。ラップで保護しながら進めても気休め程度だったので、後で掃除を徹底することにし、マスクを装着して小部屋に籠ることにしました。

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惨状。かといって、もう止められません。泣きたくなる気持ちをグッとこらえて、ひたすらパリパリはがしていきます。キャビティ内以外をはがしたところで力尽きました。

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一週間後、キャビティ内の塗装はがしにチャレンジするも、今度は今度でまた大変。表面のようにシーラーで平らにしてあるところと違い、きちんと整地されてないところに塗装が乗っているから、こびりついててはがれにくいんです。皮スキでガリガリするもほとんど意味がなかったので、サンドペーパーでゴシゴシと削る作業に変更しました。

0007けど、全部取りきると大きさも変わってしまいそうだったので、程いい所でケリをつけました。その余勢で、全体を覆っていたシーラーをサンドペーパーで落としていきます。

もう部屋の中で出来る作業ではないので、新聞紙をひいて外でゴシゴシ、ゴシゴシ・・・。

夏だったせいもあり汗だくになりながら、でも汗はボディに落とさないように慎重に進めます。この作業中は、もはや写真を撮る余裕などありません。

こうして、ようやく塗装を待つ状態になったので、マスキングテープでぐるぐる巻きにしたネックを取り付けました。

下地処理は、塗装を木が吸いこむことを防ぐためのプライマーだけにしようと思っていたので、ラッカーのプライマーを吹いて待ちます。液がダマにならないように薄く塗り、10分おいてまた薄く塗り・・・を繰り返し、1週間陰干しします。

ただ、ラッカーは硬化してしまえば無害らしいのですが、揮発成分は体に悪いみたいなので、陰干しするにも換気が必須です。

 

完全に硬化したら、少し荒目のペーパーで表面を撫でるように擦ります。これで塗装ノリをよくするわけです。

0009色は、出来るだけ黄ばまないホワイトにしたかったので、ラッカーではなくウレタンにしました。

ラッカーでの表面仕上げは、時間をかけて何回も吹かなければならず、更にクリアをその上から同じように吹いて・・・という作業が必要になります。

この作業には、時間的、身体的、いろんな意味で不安を覚えたので、吹くのはウレタンで1日限定! と決め込んでいたんです。

ネットで調べると、ウレタンスプレーの強靱さが良い意味で書かれていました。あまりに硬すぎて鳴りを阻害するのでは? とも思いましたが、クリアーを吹かないですし、一発で薄く仕上げれば問題ないだろうと、迷いはありませんでした。

初めてのウレタンスプレー吹き!

ラッカーと同じく、慎重に薄く重ね塗りをします。

何度かやっていると、玉が出来るところもありますが、そもそも売り物として考えてないし、サンディングシーラーの工程を外しているんだし、表面がボコボコになるのは承知の上です。

表面が全て白で覆われたら、1時間ほど待ちます。

その後、段差があって少し不安なところにはもう一度軽く吹いてからストップ。薄くてけっこう。そして1晩寝かせます。

0010翌日、完全硬化する前の段階で、水を含ませたスポンジヤスリで磨きます。

3日後、においがなくなり、完全硬化したようなので、コンパウンドで磨くことにしました。

つるっとした感触でツヤは出ますが、サンディングシーラーの工程を外しているから、いかんせん表面は木の凹凸がはっきり見えます。でもいいんです。

ネックは、塗装がシーラーだけのようなので、スポンジヤスリで撫でるように擦ったら、見事にマット仕上げが復活しました。

下地が出ない程度に削って終了です。

そして組み上げに入ります。

パーツは、一部で線をぶった切っていたので、仮結びをして、金具でピックアップをコツコツ叩き、音が出るかどうか試してみました。

すると、フロントピックアップから音が出ないことが判明。いろいろ原因はあるかもしれないけど・・・配線を間違ったか、セレクターの接点不良か?

悩んでもらちがあかなかったので、リペアショップに持ち込んだところ、店長から、「ピックアップ自体が死んでるよ」と言われて呆然。セレクターの問題では無かったのね・・・。

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【追記】

導電処理を全くしていなかったのでノイズが気になり始め、再びリペアショップに持ち込んで、配線も含め全チェックをしてもらったら、フロントピックアップは生きてました。でも、治してもらった後もピックアップ位置は以下のままにしています。

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しょうがないので、普通に配線をしてもらい、後でセンターとフロントの位置を入れ替えました。セレクターをセンターポジションにしたときにフロントが鳴り、センターとリアのハーフトーンのポジションで、フロントとリアのハーフトーンになります。

これはこれでいいかな。ハーフトーンは絶妙なコンプ感があっていい味出してます。

肝心の生音は・・・大きい!Dscn0240_2

これまで抑圧されていた、特に4弦・5弦の音が元気に鳴っています。

コードの響きも抜群。ローコードのA7が気持ちイイです。

でも、元々このギターは、3弦4フレの「B」を弾くと、ビビっているわけではないのに倍音が強く出て、遅れて出るピッキングハーモニクスみたいな魅力的な鳴りがあったのですが、それが無くなりました。なんか、少しさみしいですけど、仕方ないですね。

 

仕上がって半年、さすがにウレタンというべきか、なかなか強靭で、はがれることはないです。

何年も経ったらどうなるかなんてわかりませんが、それもこれも全部アジです。

学生時代から慣れ親しんでいたギターのせいか、ネックの握りが一番好きなので、これから出番が増えそうな気がします。ミッドブーストも便利ですし。

コメント
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