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大善人へ身魂磨き

神武天皇の兄 次男の巻

次男の稲飯命は神武東征に従うが、熊野に進んで行くときに暴風に遭い、

「我が先祖は天神、母は海神であるのに、どうして我を陸に苦しめ、また海に苦しめるのか」

と言って剣を抜いて海に入って行き、「鋤持(さいもち)の神」

になったとありました。


まるで、人身供養みたいな話しで、昔は実際に女性が嵐を抑えるため人身供養とかあったみたいですが、次男が何故に?と。。思いました。


ちなみに、


このサイモチの神ですが、神話にとしてでてきます。


その話がこちら。


火遠理命(ほおりのみこと)様、つまり、浦島太郎のモデルの山幸彦が地上へと帰る日に、海の神綿津見神(わたつみのかみ)様は、沢山の鰐(わに)を呼び集められ、

『鰐どもよ。今より、貴天孫が、地上へとお戻りになられる。誰が、いち早く、ここより陸地へと送り届け、直ぐ様、ここに報告に戻ることができるか。』

順番に鰐たちは答えていきます。

すると、

『私ならば、一日で陸地まで送り、帰ってくることができるでしょう。』

そう、一尋(ひとひろ)もある巨大な佐比持神(さひもちのかみ)が答えられたのでした。

『よろしい。お前が天孫をお送りして差し上げよ。しかし、海の中を進む時に、決して恐ろしい思いをさせてはならぬぞ。良いか、心してお送りせよ。』

と、声をかけて送り出されたのでした。


別れ間際に、火遠理命様は海の神に、深く感謝を述べられました。

そして、佐比持神の首に、身につけていた短剣を、紐でしっかりと括(くく)り付けられると、その背に跨られたのでございます。


火遠理命様を乗せた鰐、佐比持神はぐんぐん海の中を進んでいきます。そして言葉通りに、日暮れ前には陸地に着いたのでございました。


と、あり、サヒモチの神は、天孫である山幸彦をきちんと海から届ける海の神なのでした。


また、鰐に小刀をつけて帰したことから、「さい」とは刀剣を指すとも考えられ、鰐の歯の鋭い様に由来するとも言われています。


「日本書紀」神代上では「韓鋤(からさい)」、推古天皇20年条では「句禮能摩差比(クレイノウマサヒ)」などの表記があり、


また、マサヒの「ヒ」は朝鮮語の「ビダ、ベダ」(切る)と同じ意味であることから、

サイは、朝鮮半島と大陸から伝来した利剣を表すともいわれます。次男が、サイモチの神になった、、というのは剣を異国で手にいれた、今でいう利権を手に入れたとも言えるかも。


ワニに関しては、神話に沢山でてきます。

和珥氏の祖神は、鰐、和邇丸邇ともかきます。これにも、次男稲飯命と関係について示唆するものが多くあります。熊鰐と呼ばれた氏族も九州にいました。鰐は、因幡の白兎にもでてきて、うさぎを海から陸へ橋渡しします。浦島太郎は、竜宮から鰐に乗って還る話もあります。


鰐氏の話は神話に沢山あります。


嵯峨天皇の命により編纂された『新撰姓氏録』には、次男の稲飯命を、新羅王の祖であるとする異伝さえもあるようです。


新羅は、神功皇后の三韓征伐にもでてきます。新羅の王は「吾聞く、東に日本という神国有り。亦天皇という王あり。」と言い戦わずして降服し朝貢することを誓ったとされています。


その後、663年白村江の戦いでは、唐と新羅の連合国に倭国、中大兄皇子は大敗します。

しかし、その直後から役小角らは新羅の朝鮮半島統一に最大級の貢献をし(きん ゆしん、595年 - 673年と手を組みお互いの祖国を唐の大国支配から守ろうとします。

役小角は弟、のちの天武天皇を強くサポートします。百済寄りの政策をした兄(天智天皇)と新羅寄りの弟では、かなり血の確執があったことも示唆されていました。


古代から、日本からも朝鮮や中国へ、また、渡来人の多くは、中国や朝鮮経由で日本に入ってきます。中には、命からがら逃げた人もいたかもです。


隣国との因縁の深さは、脈々と繋がり一筋縄では解けないのかもです。

話しは飛躍しましたが、神武天皇の兄である次男は、海を越えた他国や異国との繋がりさえ感じさせる逸話のある人物でした。


海に囲まれた日本は難しい外国に囲まれているなぁと思います。隣国が隣国と手を携えたら、世界は少しずつ平和になるのになぁとも思いました。なかなか手強い国に囲まれてはいますが。


繋がって別れ、枝分かれしても、やはり、ずっと辿れば、どっかで繋がっている、気になる存在とは和するまで、人類みな兄弟と思えるまで出会い続ける、そういうものなのかもなぁと思ったのでした。

次は三男に続く


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