京都に到着したときにはすでに午後。
帰りの新幹線までには数時間しかありません。
急がなくちゃ。
とりあえず近辺をネットで調べて、駅から近いラーメンこがね家さんへ。
海苔に店名がプリントしてあったのが面白い。
京都はすごい人人人。
お昼過ぎという時間帯、荷物を預ける空きロッカーを探すのも大変でした。
時間が限られているので、目的地は東山周辺に絞り、まずは安井金比羅宮へ。
街中にありそれほど広くはない敷地でしたが、若い女の子たちが続々入っていく。
この岩をくぐると御利益があるということで、このための行列がすごい。
岩にびっしり貼り付けてあるのは願いごとを書いたお札。
三十分くらいは並んだかな。日によっては二時間待ちということもあるらしい!
神社の方が護摩を焚いていて、その煙が辺りにもうもうと立ち込め、目の前が真っ白になるほど。
並んでいた列の傍らには絵馬が大量に掛けられてあったのですが、そこに書かれている切実な願いごと(恨み言)のひとつひとつがまた恐ろしく、確かにこの邪気(?)はお護摩を大量に炊かねば払えないだろうなぁと思わず納得。
午前中に居た三輪の清らかな空気と、ここの空気のあまりの違いたるや・・・聖なる世界からドロドロの欲望渦巻く人間世界へ降りてきたようでした。
すっかり当てられて次に向かったのは、安井金比羅宮から少し歩いたところにある、六道珍皇寺。
六道の辻と彫られた碑からわかるように、ここはあの世とこの世の境目であり、お盆の発祥の地と言われている場所。
百人一首でも有名な平安時代の貴族、小野篁は実は冥途で閻魔様に仕えていたという伝説があり、あの世とこの世の行き来に使ったといわれる井戸がこのお寺の敷地内にあるのです。
わかりにくいけど、奥にあるのが小野篁冥途通いの井戸。
公開日にはすぐ近くまで行けるようなのですが、残念ながらこの日は格子越しに見学。
このお寺を知ったのは、スケラッコさんの「盆の国」という漫画の舞台になっていたことから。
作品にはお寺の名前は出てこないけれど、六堂町という(架空の)町に住む霊感の強い女の子がお盆の時期に井戸をくぐってやってきた冥界のものたちと出会うファンタジックかつセンチメンタルなホラーで、鐘や井戸など漫画に描かれている通りで感激でした。
御朱印をいただく為お寺の脇の玄関のブザーを鳴らしたら、中から「おとうさ~ん!御朱印~」と大声で呼ぶ奥さん?の声がしたのが一気に現世に引き戻される感じで面白かった。
先ほどの安井金比羅宮と打って変わってこちらは参拝客はほとんどおらず、心静かにお参りすることが出来ました。
せっかくここまで来たので、すぐそばの六波羅蜜寺へ足を伸ばす。
六原は、かつては平家の屋敷が立ち並んでいた場所。
今回は時間がなくて宝物殿に入れなかったのが残念でした。
空也上人像や清盛像、また見たかったなぁ。
ハッピーという言葉と六原のイメージのギャップが・・・
なんとも言えない物悲しさで、心惹かれる風景。
最後は八坂神社へ。
この頃には日も落ちてすっかり寒くなってきており、人は多いし疲れてきてるしでいささかグッタリ気味。
八坂神社、もしかしたら中まで入ったの初めてかもしれない。
まるでお祭りをやっているのか?と見まごう大盛況。国籍問わない人々でごったがえしていました。
静かな奈良から都会の京都へ行くと、いつもその人のパワーに圧倒されてしまう。
京都って独特です。
特にこの東山のなんともいえない重い空気。
すぐ山が迫っていて湿気が強いという地理的な要因なのかもしれないけれど、心なしかだんだん息苦しくなってくる。妖気が漂っているのか、それとも異界に連れ去られようとしているのか・・・
娘もすっかり体調悪くなってきて、少しカフェで休んでから駅へ戻ることに。
祇園はバス乗り場がいくつかあって迷い、新幹線の時間も迫ってきていてかなり焦りました。
次回はもう少し時間に余裕をもって訪れたい。行きたかったところ、まだいろいろあるのです。
今回いただいた御朱印。
前の御朱印帳がいっぱいになったちょうどいいタイミングで、大神神社で買い求めました。表紙に拝殿が刺繍されていて、とても綺麗。
大神神社
談山神社、狭井神社
安井金比羅宮、安倍文殊院
六波羅蜜寺、六道珍皇寺