goo blog サービス終了のお知らせ 

Just a Little Song For You

音楽、旅、映画、本、日々の記録

プーと大人になった僕

2018-10-08 10:00:00 | 映画


ユアン・マクレガー主演の「プーと大人になった僕」を観てきました。

イントロダクションの、クリストファー・ロビンがまだ少年時代のパートですでに涙腺が緩みます。
動くプーさんの可愛いこと。
ぎこちないというのとは違うけれど、のっそりとアナログな雰囲気を漂わせるプーさんの動き。
小さくて真っ黒でつぶらな瞳。
小首をかしげて、あのきょとんとした顔で見つめられたら、もう抱きしめるしかない。
「見えたものを言うゲーム」、私もよくやってたっけ。
所々で挿入されるくまのプーさんのテーマ曲が流れる度、胸がきゅんとします。

臆病でいつも不安でいっぱいのピグレットや、ネガティヴなイーヨー、お調子者のティガーなどそれぞれのキャラクターの言動が、暗いトーンの前半の物語に笑いを誘います。
クリストファー・ロビンの上司がいかにもわかりやすい悪役的存在で、終盤はディズニー映画らしいドタバタ展開。
それはそれで何も考えず楽しむことが出来ました。
キャラクターたちがロンドンの街中で暴れているところは、ある意味シュールでもあるかも・・・
それから、クリストファー・ロビンのロビンはミドルネームだと思っていたんだけど、どうやら苗字のようで、ロビンさんロビンさんと呼ばれていたのがなんだか可笑しかった。

自分のぬいぐるみや人形がこんな風に話し掛けてくれたらなぁ。
微動だにしないけれど、心ではいろいろ考えているんじゃないかと思っているのですけどね。





天使のいる図書館

2017-03-10 10:56:00 | 映画


奈良は葛城を舞台にした映画、「天使のいる図書館」を観てきました。

広陵町にある図書館のレファレンス担当の新人司書が主人公。
奈良、図書館というキーワードが並べば、観にいかないわけにはいきません!

葛城は二度ほどしか足を運んでないので、さすがに知らないところが多かったけれど、夕暮れ時の二上山や、ススキが揺れる葛城山など、胸がキュンキュンするような美しい景色がいっぱい。
途中出てきた一言主神社や当麻寺は前回行ったところでした。
主人公の小芝風花ちゃんの実家の神社は鴨津波神社かな?
御朱印いただくときに通されたところに似ていました。
宮司さんがお茶出してくださって、周辺の見どころを教えてもらったっけ。

死を前にした老女の香川京子が、かつての恋人・森本レオに逢いに来るというかなり切ないお話で、彼女が、一方的に別れを告げた、忘れられない恋人に恨まれているという思いをずっと抱えて生きてきたことを思うと、思わず涙してしまいました。
失恋した若者がカメラマンの夢をあきらめ、図書館の職員になっているという展開がまた、さもありなんというか。
香川京子さんは自然な年齢の重ね方で、気品があって今でもとても美しい。
小芝風花ちゃんはルックス、話し方とも少女漫画の主人公のようなキャラクター。
こんな可愛い司書さんがいたらいいな。

また図書館で働きたいという気持ちがむくむく膨らんでくる、ハートウォーミングな映画でした。






この世界の片隅に

2017-01-18 10:00:00 | 映画
2016年度のキネ旬1位、話題の映画「この世界の片隅に」を観てきました。

不思議な映画でした。
水彩画のようなタッチの映像世界が美しくて、ぼーっとしてながら観ていたせいか、伏線が自分の中で回収できず、理解しきれない部分がありました。できればもう一度観たい!
絵の上手な主人公すずさんの描く絵画の世界と、すずさんの現実の世界。
境目が曖昧としていて、現実だと思っていたことが、え?と覆されるときがある。
さっきまで一緒にいた人が、繋いでいた手が、次の瞬間には消えているときもある。

人生は常に生と死が隣り合わせになっているけれど、戦争はそれが最も顕著に表れるときなのかもしれません。
それも、酷い痛みを伴って。
もし、あのとき違う道を選んだならば、人生は違う方向に向かったのだろうか。
それとも、最終的には同じ着地点に着くのだろうか。
いずれにしても、今の自分を懸命に生きていくしかない。
そんなことも考えさせられる映画でした。
ただただ当たり前の日常をひたすらに生きていくこと、それが一番強いことであるように思います。

昨年末に亡くなった私の伯父が、当時広島の高等師範学校から呉に電車で向かっているときに原爆が落ち、急遽広島に戻って遺体の収容をしたという話を、子どもの頃よく聞かされていました。
二次放射能を浴びているからいつ死ぬかわからないと言いつつ、91歳まで生きた伯父。
きっとすずさんと同じくらいの年齢のはず。
彼女もきっと自身の人生を全うしたことでしょう。








BORN TO BE BLUE

2016-12-27 21:00:36 | 映画


ジャズトランぺッター、チェット・ベイカーの不遇時代を描いた映画、「ブルーに生まれついて」(BORN TO BE BLUE)を観てきました。

時代背景は1960年代半ば~70年代初頭。
ドラッグ漬けの日々と、ひとりの女性との出逢い。
かつての名声を少しずつ取り戻していく過程が、彼の音楽とともに、内省的に綴られていきます。
早世したミュージシャンを描いた映画は、たいていドラッグ漬けか大酒飲みで、そのくせとってもナイーヴで、いやナイーヴだからドラッグ漬けになるのか、とにかく大抵痛々しい。
ご多分に漏れずこの映画も、観ているのが辛くなるようなダメっぷりの主人公なのですが、ダメだからこその愛しさもあるわけで、美しい映像、音楽の素晴らしさも相まって、忘れられない映画のひとつとなりました。

チェット・ベイカーを演じているのはイーサン・ホーク。
この人、見た目はあんまり好みではないんだけど、どの映画で観てもいつもどこか惹かれるものがあり、この映画でもやっぱり人の心を打つような演技と、不思議なムードを漂わせている。
実際に歌も歌っているし、さすがにトランペットは当て振りでしょうけど、様になっていてカッコいい。
音楽もので、演奏してる姿がそれらしく見えない事ほどしらけることはないからね。




大好きな、My Funny Valentineのシーン。
チェット・ベイカー本人の甘い声とは少し違うけど、イーサン・ホークの歌声も素敵。
観終った後、映画館でサントラCDを購入してしまいました。



最小限の楽器で、心に沁みる響き。






ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2016-11-24 15:17:44 | 映画


封切り日、祝日、レディースデーとこれ以上ないくらいの好条件が揃った昨日、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を観てきました。

エディ・レッドメイン主演のハリー・ポッターシリーズ番外編。
ホグワーツ魔法学校の教科書である「幻の動物とその生息地」を書いた(という設定の)魔法動物学者、ニュート・スキャマンダ―を主人公とした物語です。

エディ・レッドメインは、ホーキング博士を描いた「博士と彼女のセオリー」で観て、とても繊細な演技に好感を持っていました。
「ファンタスティック・ビースト」を一緒に観に行った娘は、世界で初めて性転換手術をした男性の物語「リリーのすべて」を観て感動し、今夏舞台になったデンマークに旅行したほど。「レ・ミゼラブル」も観ていたし、彼に対する期待値はかなり大きかったです。

映画は中盤、活劇シーン(逃げた動物たちを探して捕獲するシーン)が若干長い印象で、やっぱりスピンオフ作品だから軸になるストーリーがないのかなぁなどと思っていたのですが、怒涛のような後半の展開に感動!涙腺緩みました。
やっぱりJ.K.ローリング氏は並大抵の人ではないですね。稀代のストーリーテラーだと思う。
真面目で一本気なティナ、お笑い担当?のコワルスキー、セクシーで可愛いクイニ―、そして最もハリー・ポッター的なキャラであるクリーデンスなど、キャラクターたちがとても魅力的。
1920年代のニューヨークが舞台なのも素敵。
ハリー・ポッターシリーズは終盤、とても重くて暗いエピソードが続いていたので、楽しいシーンの多い映画で嬉しかったです。

これ、シリーズ化されるようなので、今後どういう展開になっていくのかとっても楽しみ。
「幻の動物とその生息地」はちゃんと書籍化されていたのですね。早速注文しました。
こういう細かい設定がきちんと決められていて、そこからどんどん物語が派生していくところ、本当に素晴らしいと思うしマニアにはたまらないだろうな。

そうそう、書籍のほうの新作「ハリー・ポッターと呪いの子」は現在読んでいる途中。
読み飛ばしたらすぐ終わってしまうので、じっくり、かつチマチマと。これも良い話だなぁ。
SF的、というか量子力学的??なストーリーで、こちらもどう決着つくのか、ワクワクしています。