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札幌・円山生活日記

映画『ゴールデンカムイ』 の聖地めぐり(後編)~野外博物館「北海道開拓の村」~

北海道開基百年を記念して開設された「北海道開拓の村」。明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を54haもの敷地に移築復元・再現した野外博物館です。人気漫画や実写映画版『ゴールデンカムイ』に同村の建物が度々登場し作中の世界観が味わえる『聖地』です。また同村では2月17日(土)~3月20日(水・祝)の予定で季節展示「ひな飾り」を開催中です。

「北海道開拓の村」で映画『ゴールデンカムイ』 の聖地めぐりの(前編)に続いて(後編)です。映画の続編として今秋から配信されるというWOWOWドラマに登場しそうな村内の建物を少し紹介します。 

地下鉄東西線「新さっぽろ駅」よりJR北海道バスで約20分の「北海道開拓村」。村内の全52建物中33の建造物が漫画単行本『ゴールデンカムイ』に使われているという『聖地』です。もちろん実写映画版でも多くのシーンに利用され続編のWOWOWドラマでも同様でしょう。 

【連続ドラマW ゴールデンカムイ —北海道刺青囚人争奪編—】
映画『ゴールデンカムイ』の続編はWOWOWにて今秋より「連続ドラマW ゴールデンカムイ —北海道刺青囚人争奪編—」として配信されます。

映画版で元陸軍兵・杉元佐一役を演じた山﨑賢人さん、相棒のアイヌ娘・アシㇼパ役の山田杏奈さんはじめメインキャラクター全員が続投。ドラマシリーズ版からはキロランケ役の池内博之さん、インカラマッ役高橋メアリージュンさん、家永カノ役の桜井ユキさん、奥山夏太郎役の塩野瑛久さんなどが登場されるそうです。新メンバーの登場シーンで「北海道開拓の村」の建物を考えると先ずはここでしょう。

【旧浦河支庁庁舎】
桜井ユキさんが演じる家永カノが女将に扮して登場する「札幌世界ホテル」です。明治30年(1897)に北海道庁が郡区役所制度を廃止し支庁制度を設けた結果として浦河村に置かれた「旧浦河支庁庁舎」がモデルです。女将が客を案内するピンク色に塗装された階段が怪しげに見えます。
2階にある事務室は日高で牧場を経営するエディー・ダン家の応接室として使われています。

【旧開拓使爾志通洋造家】

そのエディー・ダン家の外観モデルは開拓使の官舎として建てられた「旧開拓使爾志通洋造家」。外観に白ペンキが塗られていたことから俗称「白官舎」。杉本一行がアシㇼパさんの祖母の大切なアイヌ衣装を取り返しにいく場面に登場します。


【旧近藤医院】
「旧近藤医院」は明治35年(1902年)に古平町で開業した近藤清吉が建てた病院で昭和33年(1958年)まで使われたとか。
内部の病室はキロランケの爆弾に引火して爆発炎上した「札幌世界ホテル」で負傷した家永カノが不敗の牛山に見守られてやすむ場面で登場します。
また建物の外観は網走監獄での戦闘で頭を撃ち抜かれた杉元が治療を受けていた病院として使われています。こちらの診察室も外科医でもある家永カノが杉本の治療後に座っていたシーンを彷彿させます。


なお建物入口脇の受付奥の調剤室は刺青人皮を偽造することで鶴見中尉に協力する剥製師の江渡貝くんちの工房として使われています(江渡貝くんの家の外観は「北海道大学植物園博物館」がモデル)。

【旧山本理髪店】

円山「裏参道」沿いの「床屋さん」として親しまれ昭和61年(1986年)まで営業していたという「旧山本理髪店」。漫画『ゴールデンカムイ』では茨戸の宿場町で理髪店を経営する山本の店として登場。内部に置かれた人形は尾形百之助の髭にあたるシーンそのものです。

【旧札幌農学校寄宿舎(恵迪寮)】

明治36年(1903年)に新築された寄宿舎を復元した「旧札幌農学校寄宿舎(恵迪寮)」の応接室は「陸軍第七師団」の旭川連隊司令部に連行された白石を奪還に行く場面に登場します。他のモデルの建物もそうですが大学の寄宿舎を軍隊の司令部として使うとは作者の創造力・想像力に感服します。

【旧広瀬写真館】

大正から昭和の時代に岩見沢市内で営業していた「旧広瀬写真館」。劇中で登場する土方歳三の有名な洋装姿の写真を撮影したとされる田本研造が営む「田本写真館」のモデルです。杉本とアシㇼパさんの2ショットや谷垣源次郎のふんどし姿での写真撮影などのシーンがあります。展示物も充実していて見応えある『聖地』です。

【旧浦河公会会堂】
明治期に浦河町に開かれた「旧浦河公会会堂」。物語の終盤でアシㇼパさんがソフィアとともに鶴見中尉に監禁される場面で登場します。
2階から見ると奥の祭壇脇には鶴見中尉がタイトルの「いわば…ゴールデンカムイか」とつぶやく際に座っていた背もたれが特徴的なベンチが確認できます。

以上で「聖地」めぐりは終了。今回は時間の関係もあり市街地群が中心で農村群、漁村群、山村群は十分に周れませんでした。またの機会があれば他の聖地もめぐりたいところです。
「旧札幌停車場」まで戻ってきました。続いてひな人形めぐりに参ります。ありがとうございました。

「北海道開拓の村」
札幌市厚別区厚別町小野幌50番1 011-898-2692 E-mai:info@kaitaku.or.jp
開村時間
4月1日~4月30日
午前9時~午後4時30分(入村は午後4時まで)
休館:毎週月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日が休館)
5月1日~9月30日
午前9時~午後5時(入村は午後4時30分まで)
無 休
10月1日~3月31日
午前9時~午後4時30分(入村は午後4時まで)
休館:毎週月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日が休村)、年末年始(12月29日~1月3日)
(2024.3.7)

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