grow 徒然日記

花と緑・・・ときどき犬

千は風になって

2023-08-03 21:04:39 | 日記
千は息を引き取ったとき、大きく息を吐いた。


千。私の大切なチワワの女の子。

 私の住む街のシンボルは、姫路城。千は、その姫路城のお姫様に因んで名づけました。うちの千はとても気が強くわがままなお姫様でしたが、そのわがままのおかげで“千姫の小径”やお城周りが私と千のお散歩コースとなったのでした。
 育て方の問題ですが、とにかく一般的な道路は歩かない。リードも嫌い。これはもう安全で快適な道しかない。ということで、千をバッグに入れて私が歩き、快適な場所でのみ千姫様がお散歩なさるという形式が日常でした。

 “フルコース”は、だいたい1時間は回るコースなので、平日仕事前の早朝散歩では短縮コースばかりでしたが、千が亡くなる前に初めて早朝のフルコースで見た景色はまるで別の場所。いつもは、鬱蒼とした原生林が、朝日に照らされとても美しく水面に反射していました。


 千の大好きな大手前の芝のある広場。
 千は自分にはもう歩く力がないことを分かっていて、お散歩バッグからでようともせず、穏やかに優しく微笑んでいるかのように見えました。







お散歩中に出会う猫たち。
 







 彼女の病名は、リンパ腫。
 そのことに気づいたときには病状は進行していたようで、脾臓摘出手術を受けるも、一時的には回復したかに見えましたが、その後は闘病生活を一緒に頑張ることも叶いませんでした。



 打つ手がないとの病院の助言で退院し、自宅に酸素室をレンタルで設置していましたが、千は、最後のフルコースのお散歩の二日後の朝に、私の胸の上でいつものように眠りにつくように、深くため息のような息を吐いてもう起きることのない眠りに入ってしまいました。

千が生まれて、初めて家に迎えた朝を思い出したんじゃないかっていう表情で、その日の朝も、この日の朝も千の隣で目覚めた私を見る表情はあの頃のまま。





千が歩いた“千姫の小径”



千のお兄ちゃん役の月磨呂とよく行っていた公園も、千のお気に入り。こちらも数日前に立ち寄り、バッグの中から心地よさそうに空気を満喫しているようでした。



月磨呂が天国へ行ってからは、千と二人でお散歩したこの公園。少しは月磨呂を思い出したのだろうか。
あの時は、風が吹いて月磨呂を感じた。



いつの日か、風が吹いて千を感じたい。















再開、再会☆

2016-12-09 18:51:49 | 日記
皆さまこんにちは。
鮮やかに色をたたえた葉も徐々に舞い落ち、季節のバトンが冬へと渡りゆくこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

growは再始動いたしました。約一年半。

“フレッシュモミを使ったクリスマスリースレッスン”を開催しました。

以前のブログを読み返していたら、クリスマスの時期にこのレッスンをし損ねたことを綴っている自分も発見し、実は、今回で願いをひとつ実現したのだと思いました。

手作りのリースには他ではないある意味での厚みがあり、ぬくもりがあります。
見本のリースを作ってみて、本当に久しぶりの手作りリースに『おぉ~』と再会感が。


市場で名前も姿も不思議なアンデスの実たちに出会い、やわらかいナチュラルなリースを目指しました。



リース作りにはシンプルすぎる材料かな、とも思いましたが、私自身レッスンにもブランクがあったのでちょうど良い内容となり、ご参加いただいた方々も花材に愛着をもってひとつひとつ丁寧に扱われている様子でした。



リースはスワッグとは違い、飾りとしてだけの役割ではなく神秘的な意味合いがあります。
過去と、現在と、未来とを、時計回りに束ねて“永遠”を作りあげる。(葉の方向性としての時計回り。作成のときは反対回りになります。)

矢印がへなちょこですが、このような感じです。➜➜↓


皆さん『あ!未来が!』『現在にべっぴんさんを!』などリースを束ねながら過去はこのパーツ、未来にはこのパーツ、四時の位置ではこの素材、としっかり法則を守られて、作り終えたらとっても清々しい笑顔をされていたのでひとつの修行を越えたかのごとし。

私も、残ったモミと、チビリースの土台でその後もくもくと何体かリースを作りましたが、『過去、現在、未来…過去、現在、…』と繰り返すうちに無の境地の修行僧がごとしでした。


アドベントリースはクリスマスの4週前から飾ります。
また、リースレッスンしたいものです。












最終回☆彡

2015-07-21 15:02:20 | 日記
皆さまこんにちは

ようやく梅雨もあけて、一気に蒸し暑~い真夏日が続きますいかがお過ごしでしょうか


先日、お笑い芸人のピースの又吉さんが芥川賞を受賞されました
素晴らし快挙
まだ読んでないのですが、 ”火花” 読むのが楽しみです

又吉さんって、風貌も芸術家そのものな雰囲気お持ちですよネ、ご自身でもベートーベンの髪型と彼の根底にある気質みたいなモノを比較したコメントが添えられていて、面白いナと思いました

その人それぞれの個性に合った雰囲気やスタイルって、年々構築されていきますが、逆に雰囲気を変えることで話し方などのノリをガラッと変える”ズラ将棋士”佐藤紳哉 六段のインタビューが面白すぎました

真面目な一番の前にソレやるというギャップな場面構成が面白さに拍車をかけていて、しかもチョット噛む。。という。
そしてご本人の真面目さの本質はやはり隠し切れてないあたりがツボでした

何気に笑えるので、YouTubeでも ”佐藤六段 ヅラインタビュー” あたりでヒットするのでクスっとしたい方は是非ごらんくださいませ



日常、いろんな事や、物や、人に、絡みながら時間レールがひかれていて、目の前にはいつも”道”が用意されているもので、それを自分の道だと気づくか気づかないか決めるかはタイミングだったりもしますね

ナゼか最近よく脳裏に浮かぶコトバ★

”配られたカードで勝負するっきゃないのさ・・ それがどういう意味であれ”
byスヌーピー☆


晴れたり、雨が降ったり、台風が来たり、花が咲いたり、風が吹いたり。。

弱ってるナ~と思いながら放置していたミニバラが、パワフルに咲いたり



皆さま、若きプラントハンター、西畠清順さんをご存知でしょうか?
数年前に情熱大陸にも出演されていて、彼の扱う植物は世界的なレベルで素晴らしい植物ばかり
取り扱うプロジェクトの多さやクオリティーの高さはズバぬけています。

数年前、よく彼のブログを拝見していて、植物への情熱、仕事の内容の凄さに付け加え、スパイシーな茶目っ気がたっぷりでとても楽しい内容の数々でした

ご自身でも、「ブログという根っこ的プロジェクトが人生を変えた、人生のターニングポイントだった」と ”教えてくれたのは植物でした” という著書に書かれていました

その本の ”花の章” に 『 ”念ずれば花ひらく” は始まりの合図 』 と記されています。

念じていれば、いつかその想いが叶う。。というのではなくて、スタートラインに立てるというもの



花が咲くというのは、やがて結実して次の生命の始まりの合図なのだと、私自身でも日頃から花に触れては思うところであったのに、彼の著書を見て、活字でそのことに触れて、改めて再認識することが出来ました


咲く花には咲く花のタイミングが☆
” 人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する ”
ガウディの言葉ですね




” 歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀のかい
月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す ”








二月に、月磨呂を想って千とベソかいてた公園も、シロツメクサが咲き乱れ、木々も青々と生い茂りパワー全開

小さい頃は、しょっちゅうシロツメクサで花輪を作って遊んでいたけれど、どうしても結び目がマスターできなくて
今なら出来そうですけども






grow徒然日記も、フときづけば49話となりました☆

『世界には、まだまだ詩となるべき美しいものが満ちているはずであり、自分はそれに気がついていないだけ。
それを見つけることができたなら、忘れていた詩を作れるようになる。』


”唄を忘れたカナリア”を作詞した西条八十は、子供の心を知る人で、子供たちの心に希望を与えようとしてこの”カナリア”を作詞したのだそうです。


花や樹木も、まだまだ世界中で生い茂り、咲き誇るべき場所がたくさんあるはず。

歴史上のプラントハンター達のおかげで私たちは今、見ることの叶わないはずだった花や植物にふれています。
とても有難いことで、これからも、それら素敵な連鎖がなされると願います。



これまでお読み頂いた皆さま、ありがとうございます

この回をもちまして、grow徒然日記は、一時終了です


また再開できる日を私自身も、楽しみに



愉快な仲間たちを増やして。。☆



それでは皆様、これからも、彩り多き素敵な日々を

























ありえる★

2015-06-30 12:32:30 | 日記
皆さまこんにちは夏は目前いかがお過ごしでしょうか

文というのは、読むのも書くのも面白くて、最近久しぶりに買った本が私の中で大ヒットとなりました☆
映画「電車男」を企画・プロデュースされた河村元気さんの作「億男」。
面白すぎて、いっきに読んでしまいましたし、心に残るモノがありましたネ

チャップリンの名言から始まるのですが、いわく。

「人生に必要なもの、それは勇気と、想像力と、ほんのすこしのお金さ」


ところで、『あり得る』
皆さまは、どうお読みになりましたか?
「ありうる」が正しいのだそうですが、ふだん会話の中でも「ありえる」って話すことの方が多いし、PCに“ありえる”で変換キーを押しても→“あり得る”に、ちゃんと変換されます。

中学校の時に国語で習った五段活用でいうところの、「ありえない」の未然形の下一段活用だったら“ありえる”が存在する特殊な例なのだそうです。
なので、“ありえる”は、「ありえなーい!」とは、言い切れないもの。


見出し画像は、我が家の“アリエル”★
燕がきてから、空が来たのだから、地には千、水も何かいるデショ。などと思い購入したベタ。
ベタは、オスとメスだと美しいのはオスなので、メスはあまり人気がないのですが、数いるベタの中から出会い選びだしたラッキーガールがアリエルです
ひとなつこくて可愛いくて、なにより購入時に彼女がいる容器を持ったときに、ビビビッと親指に電流が走りました
恋愛のビビビは聞いたことあるけど、ベタにビビビですかと嬉しいような悲しいようなキモチでアリエルとのお付き合い開始です。



★☆★
デンマークの童話作家アンデルセンの有名すぎる作品“人魚姫”は皆さんご存知ですね

美しい姿と、美しい声をもつ人魚姫は、ある日難破した船から王子を助けましたが、偶然通りかかった娘が王子を介抱したために王子はその娘が命の恩人だと思う。
王子に恋心を抱いた人魚姫は、魔女からその美しい声と引き換えに人間の足を手に入れる。ナイフでえぐられるような痛みとともに。
命を救ったのは自分だといいたくても伝えられないまま、やがて王子はその娘と結婚することに。
王子が他の女性と結婚するのならば、姫は海の泡となって消えてしまう。。そこで姫の姉たちが自分の髪と引き換えに魔女からもらった短剣を姫に差出し、「王子の流した血で人魚にもどれる。」というのですが、人魚姫は愛する王子を殺せずに海の泡となりました。


幼心に切なすぎるストーリーを絵本でみて、哀しくなりましたが、人魚姫にもハッピーエンドがありえた!

ウォルトディズニーが贈る人魚姫アリエルは、セバスチャン達の活躍により声も取り戻して王子様とのハッピーエンド
いまやこちらの方が有名でしょうか
そう、何をするにも大切なのはセバスチャン達なのかも
すべての事は“ありえる”

可能性に満ちていて、最近のお気に入りの言葉です


千が人なつこくなることも、ありえる







私が姫路マラソンに参加できて、完走もしくは、いいセンいくとも、ありえる





ちなみに、燕は巣立ったものの、ふと気づけばまた一羽、巣で“温めポーズ”をしていました
先日卵も孵ってチビちゃん達がヒヨヒヨかぼそく鳴きはじめたと思ったら、あっという間に顔をピヨっと出してます
またもピーピーピーピーおねだり声を聞く日々です

鳥の声ってきれいだナって思います
“迦陵頻伽”(かりょうびんが)という上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物がいます。
その声はとても美しく、“妙音鳥”ともいわれ、日本では美しい芸者や花魁(おいらん)のことを指してこの名で呼ぶこともあったそうです。
(せとうちじゃくちょう予備軍とお呼びください


「人魚姫は泡となり、海に溶け込み、やがては地球温暖化により蒸発して空高く上昇して迦陵頻伽として生まれ変わり、その美しい声を取り戻したとさ。」
めでたし☆めでたし☆




前回の問題の答え★
C.イタヤカエデ(葉のカタチから推測するに。。ですが)

ちなみに、A.はクスノキ B.はイチョウ


それでは皆さま、ひとときの涼やかな日々を





セレンディピティ☆

2015-06-29 14:29:13 | 日記
“セレンディピティ”

探していたものとは違うものばかり発見してしまう能力。




皆さまこんにちは
六月も終わりに近づき、いよいよホントの一年の半分の時期になりました
暑さを感じるなかでも吹く風は心地よく、、素敵な日々を過ごされていることと思います


先日、他県からの来客があり姫路をプチ案内していた際に痛烈に、でもなんか可笑しく爽快に感じたことがあります。
それが、セレンディピティ


姫路城の裏手に、“男山千姫天満宮”という小さなお社があり、姫路城の西北に位置します。
本多忠刻と再婚した千姫が、本多家の繁栄を願って建立し、千姫が過ごす西ノ丸長局の廊下から朝夕拝まれていたと言われています。

姫路市の厄年の男性は、厄年にこの男山に上る。と以前に聞いていて、私は千姫天満宮には参詣していたのですが、急坂の階段の頂上に男山神社のようなものが存在して千姫天満宮とそれとは別物だと思い込んでいていたのです。

なので、男でもないし、厄でもないからあの階段を登ることはないナ。と思っていたのに、来客者が「厄年なので登りたい」と申し出たので「いってらっしゃい。」
と言ったのですが、そんなワケにもいかず私も男を上げる()べく登ることに。。


何段あるのか、なんせ急な階段で、しかもピンヒール
ここでコケて転がり落ちたらシヌ。。と思い手すりにしがみつきながら一歩一歩登り、大好きな珍獣ハンターのイモトちゃんがマッターホルンを登頂したシーンを思い出しつつ、「彼女、本気ですごいナ!」と尊敬しながら一歩一歩、「ナゼ男でもないのにこんな目にホントに男らしくなったらどうしよぅ」などとブツブツ思いながらガクガクの足と心で頂上まで到着

『アレ
そこには、あるであろうはずのお社がナイ!ナンニモナイ!

少し段の高い所に芝生がひかれていて麦わら帽子をかぶったオジサンが、丁寧にちょんちょんと芝のお手入れをしていました

「あのぅ、ここに男山のお社は、、というか、ここって姫路の厄年の男性が上るアレですょネ!?」
などと半分錯乱したことを尋ねると、「ん?そんなのないょ」とオジサン。

うそ。というか私がウソをついてしまった。またもや断片的に覚えていたことを言って間違ってた
「ゴメーン!」と言うと、「でも気持ちいぃネ!」と言ってくれたので落ち着いて景色をみると、超絶景
姫路城をこんな高いところからこんな角度で見るのは初めて。

なんか可笑しくなってアハハハハ!と笑ってしまいました

目指していたものはなくて、けど目指していたよりも、もっとずっと素敵な発見があって、神様のちょっとした遊びみたいに思えました。

“人生ってコレと似たようなモンょ、覚えときなさ~ぃ”と言われている様ナ

ゼエゼエ、悶々しながらでも目的をもって一歩一歩登っている事実があって、そこには登りきらないと分からない何かがあって、その道中や自分自身が積み重ねたものが“何か”を形成しているのだから、そこにこそ大切なものが詰まっていて、それが各々の階段なのかナと。

ちょっぴり先に人生とはなんぞや。を見せてくれたよぅナ
なのでガクガクの足で、汗した額で、姫路城の絶景で、風がとことん気持ちよくて大笑いしてスカーっとしました

それでフと、前に本でみたフレーズを思い出したのです



“「セレンディピティ」とは、探していたものとは違うものばかりを発見してしまう能力のことです。

 では、発見したものが役に立たないか、というと決してそうではありません。

 むしろ、探していたものよりもずっと見つけたもののほうが「真実を捉えている」事があります。”




見出し画像はセレンディピティトリオ。
千とワインとゼラニューム

メジャーを買いにいったホームセンターで出会った千。
バースデープレゼントを買いにいったワインショップで出会ったトロ・ボー。
卍郎と月磨呂にお供えする花を買いにいった園芸店で出会ったワインレッドのアイビーゼラニューム。

TOLLOT-BEAUT トロ・ボーは、女性ワイナリーから生産されていて、ボトルのシェイプからこだわりをもって作られたその味は優美で力強いもの。
2012年は当たり年だそうで、千の生まれ年でもあるので、また機会があったら入手したいものです



素敵なセレンディピティな出会いがありますよう

それでは皆さま初夏の、爽快な日々を