定年夫婦のイタリア・スイス旅日記

あこがれのローマ,ルネッサンス発祥の地フィレンツェ,そしてツェルマットへ

フィレンツェ3日目

2012-05-31 00:28:00 | 日記
2012.5.30(水)

 フィレンツェも今日で3日目だ。今日も早く(7時30分)朝食を取り,ホテルを7時45分に出発して,アカデミア美術館に徒歩で向かう。約30で到着する。予約済みの入り口に並び,チケット売り場に行くと,この券では入れないという。予約しているのに何事だろう。言葉も通じないし,チケット売り場で困っていると,中から親切な男の係の人が出てきて,かわいそうに思ったのだろうか,チケットを渡し中に入れてくれた。イタリア人は,女より男の人が親切なのか(?)
 オーディオガイドを借りようとすると,日本語のものはないと言われ,仕方なく中に入る。この中には,ミケランジェロ未完の作品の『奴隷』,そして有名な『ダヴィデの像』があり楽しみにしていた所だ。シニョーリア広場のレプリカと比べると,やはり本物は迫力が違うような気がする。右足に重心をかけ,右手に石を持ち,相手をにらみつけている像からは,困難なものに立ち向かっていく覇気を感じさせ,見る者に勇気を与える。
 次に,捨て子養育院絵画館に入る。ここには,リッピの作品があり写真に撮ることが出来た。次に,サン・マルコ美術館に行き,フラ・アンジェリコの『受胎告知』を見る。その後,レストランに入り,パスタで腹ごしらえをし,午後にはメディチ家礼拝堂,サン・ロレンツォ教会を見て,中央市場に行く。中央市場に行く通りには革細工や服を扱う露天が並んでいて,見ていてるだけでも楽しい。中央市場というので,外の市場なのかなと思っていたが,大きな建物の中に色々な売り場が並んでいて,日本語の表示をして,日本人の売り子のいる所もある。日本人の観光客が多いのだろう。その中には食堂もあり二人でペンネを一人分を取り分けて食べる。市場でトイレに入ろうとすると,入り口の所に男の人が立っていて,二人で1ユーロの金を取られる。
 そこから,駅前のサンタマリア・ノヴェッラ教会に寄り,ホテルまで歩く。今日の一日,大変歩いた。昨晩,足のまめを絞っっていたので幾分楽になったが,妻が大変だ。疲れてくると,途端に機嫌が悪くなる。口も聞かずに黙々とホテルに歩く。4時過ぎホテルに入り,シャワーを浴びると,少し元気が出てきて,気分も良くなってきた。夜の7時から現地ツアー「フィレンツェの夜景とトスカーナ料理ナイトツアー」に申し込んでいるので,楽しみだ。
 タクシーで駅前の集合場所に行くと,たった3人のみのツアーであったが,トスカーナ地方の田舎の風景を堪能しながらバスで素敵ななレストランに移動する。前菜に生ハムやチーズブルスケッタ,第1の皿はパスタで妻はラビオリを選ぶ。第2の皿は,ビスティッカというステーキであった。赤ワインもおいしく,満足の食事である。でも,そろそろ日本食も恋しい時期になってきた。
 岐路,ミケランジェロ広場により,フィレンツェの町の夜景を見学する。大聖堂を中心に素晴らしい眺めである。500年前,ここから,世界を動かすような大天才達が多く出できたことに,改めて驚愕せざるを得ない。
 ルネッサンスの足跡を,芸術作品を通して見てみたいという今回の旅であった。教会に支配されていた中世の画一的な人間観や自然観を,一人一人の人間の心の有り様を重視し,感情をいかに芸術作品の上に昇華していくかという,多様性を見たような気がする。そこには,ギリシャ・ローマ時代の芸術を復興したこと,メディチ家という大パトロンがいたことも大きい要因であった。
 娘からの書き込みで,今までの行動を反省しなければならない。旅をするということは,何歳になっても,自分を見つめることであることを痛感した。