ドキュメンタリー映画「ふたつの祖国、ひとつの愛 イ・ジョンソプの妻」を見て来ました
私の最愛の天下第一等
大事な大事な私だけの天使
すばらしい君へ
一日でも早く君のそばへとんで行きたい
君を愛し愛し又愛し熱愛し
心にうつった人生のすべて
君にあいたい心はいっぱい
長い長いポポ(キス)を
おうけとりください
わたしの大切な大切な
あなたへ
お別れして今日で
ちょうど一年になります
こんなにも長く
離れ離れになっていようとは
全然考えていませんでしたのに
どんなささいなことでも
あなたの日常のことを知りたいのが
妻としての心情ですもの
それはそれは
首を長くしてお待ちしております
国交なき日韓で夫と妻の間で交わされた恋文200通
フライヤーより
牛の絵で知られる韓国の国民的画家、イ・ジュンソプ
その妻、山本方子(まさこ)は、ジュンソプの東京留学中に出会い、恋におちジュンソプの故郷・元山(北朝鮮)で1945年結婚式を挙げる。
南北分断の混乱の中、ジュンソプ達は南へ避難。釜山、済州島、貧しい難民生活の中、体調をくずした子供達と方子は一時的なつもりで日本へ。直後、国交がなくなり、再会を夢見、家族4人で暮らす日に希望を託し、交わした手紙……。
ジュンソプは1956年39歳の若さで誰にも看取られずに肝炎と栄養失調で亡くなります。
方子はこの時、34歳、東京の実家で二人の男の子を女手ひとつで育て、哀しみの姿は見せなったそうです。
70年代に評価が高まり、一枚3億円超えの値がつく程になったジュンソクの絵。
2013年に渡韓し、ソウル美術館に飾られたジュンソプの絵を見る方子。
貧しい済州島時代に住んでいた2畳程しかない自宅を再訪する姿に胸がしめつけられます。
ジュンソプの作品や手紙に描かれた絵は家族と共に暮らしたい、その願いが込められたものがたくさんあります。
韓流ブームの最中でも、私が知ることのなかった日韓の夫婦の物語。
苦労話や涙もなくインタビューに答える92歳(撮影時)の方子さんの姿に、時代の波にもまれながらも一筋に愛し愛された人の静かな情熱を感じ胸が一杯になりました。
大阪では第七芸術劇場(十三)で上映中です。
はるみ
<スマイルパワー イ・ビョンホンさん はるみのHappydays>