下請法は、海外の会社との取引に適用されるのでしょうか。
海外の会社との取引という場合、①親事業者が海外の会社で、
下請事業者が日本の会社の場合、②親事業者が日本の会社で、
下請事業者が日本の会社の場合の2通りがあります。
まず、①親事業者が海外の会社で、下請事業者が日本の会社
の場合
中小企業庁HP
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/shitauke/110/1_1.htm
Q13で、「外国の法律に基づき設立された企業が日本国内
に在住する企業に発注した場合、この外国企業に対して下請代
金法が適用されるかについては、外国で行われた行為又は外国
に在住する企業に対して、自国の下請代金法を適用できるかと
いう、「域外適用」の問題が生じます。
下請代金法の趣旨が日本の下請事業者の不利益を擁護しよう
とするものである以上、外国企業に対しても下請代金法を適用
すべきという考え方もありますが、現時点においては、国は運
用上、海外法人の取締まりを行っていません。」と説明されて
います。
確かに、下請法の趣旨からすれば、外国の親事業者にも適用
すべきだと考えられますが、下請法10条では罰則を規定して
います。さすがに、このような罰則を適用するのは難しいで
しょう。
罰則については、難しいとしても、現在、海外法人の取締り
を行っていないだけですから、日本国内の下請事業者としては、
親事業者が海外の会社でも、積極的に公正取引委員会・中小企
業庁を動かして、公正な取引の実現を図っていくべきでしょう。
次に、②親事業者が日本の会社で、下請事業者が日本の会社
の場合ですが、下請法1条には、「親事業者の下請事業者に対
する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護
し、もって国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。」
と規定され、日本国内の下請事業者の利益を保護すると限定し
ていないことから、海外の下請事業者も保護すると解釈するこ
とも可能です。日本企業の関わる取引の公正さを確保すること
を目的とするわけです。
しかし、日本の法律で、海外の下請事業者を保護するとい
うのは、一般人としては、理解し難いのではないでしょうか。
この問題について、参考となる情報は見当たりません。
ただ、公正取引委員会の職員が執筆している「下請法の実務
[第3版]」60頁で、下請法2条4項の「役務提供委託」の例
として、「旅行代理店が、顧客から請け負う海外旅行における
現地のホテル等の手配を手配業者に委託すること。」と説明し
ています。
旅行業界で、海外旅行の現地ホテル等の手配は、現地の業者
が行うようです。そうすると、公正取引委員会は、下請事業者
が海外の会社の場合にも、下請法を適用することを考えている
のかもしれません。
念のため、海外の下請事業者と取引をしている日本の親事業
者は、注意をしていた方がいいと思います。
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海外の会社との取引という場合、①親事業者が海外の会社で、
下請事業者が日本の会社の場合、②親事業者が日本の会社で、
下請事業者が日本の会社の場合の2通りがあります。
まず、①親事業者が海外の会社で、下請事業者が日本の会社
の場合
中小企業庁HP
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/shitauke/110/1_1.htm
Q13で、「外国の法律に基づき設立された企業が日本国内
に在住する企業に発注した場合、この外国企業に対して下請代
金法が適用されるかについては、外国で行われた行為又は外国
に在住する企業に対して、自国の下請代金法を適用できるかと
いう、「域外適用」の問題が生じます。
下請代金法の趣旨が日本の下請事業者の不利益を擁護しよう
とするものである以上、外国企業に対しても下請代金法を適用
すべきという考え方もありますが、現時点においては、国は運
用上、海外法人の取締まりを行っていません。」と説明されて
います。
確かに、下請法の趣旨からすれば、外国の親事業者にも適用
すべきだと考えられますが、下請法10条では罰則を規定して
います。さすがに、このような罰則を適用するのは難しいで
しょう。
罰則については、難しいとしても、現在、海外法人の取締り
を行っていないだけですから、日本国内の下請事業者としては、
親事業者が海外の会社でも、積極的に公正取引委員会・中小企
業庁を動かして、公正な取引の実現を図っていくべきでしょう。
次に、②親事業者が日本の会社で、下請事業者が日本の会社
の場合ですが、下請法1条には、「親事業者の下請事業者に対
する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護
し、もって国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。」
と規定され、日本国内の下請事業者の利益を保護すると限定し
ていないことから、海外の下請事業者も保護すると解釈するこ
とも可能です。日本企業の関わる取引の公正さを確保すること
を目的とするわけです。
しかし、日本の法律で、海外の下請事業者を保護するとい
うのは、一般人としては、理解し難いのではないでしょうか。
この問題について、参考となる情報は見当たりません。
ただ、公正取引委員会の職員が執筆している「下請法の実務
[第3版]」60頁で、下請法2条4項の「役務提供委託」の例
として、「旅行代理店が、顧客から請け負う海外旅行における
現地のホテル等の手配を手配業者に委託すること。」と説明し
ています。
旅行業界で、海外旅行の現地ホテル等の手配は、現地の業者
が行うようです。そうすると、公正取引委員会は、下請事業者
が海外の会社の場合にも、下請法を適用することを考えている
のかもしれません。
念のため、海外の下請事業者と取引をしている日本の親事業
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