Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

相国寺の茶道具名品選

2007年12月15日 09時23分59秒 | 美術館・博物館etc.
『相国寺の禅林文化-室町から近世へ- 併催・館蔵茶道具名品選』
相国寺・承天閣美術館(京都) ※前期は終了、後期は2008/3/23まで。12/27-1/5は休館。

家元系の資料館(表千家北山会館、茶道資料館)と作家系の美術館(楽美術館、大西清右衛門美術館)は別として、大抵の茶道具美術館は明治から戦前までに財をなした近代茶人のコレクションで成り立っている。
良くも悪しくも、展示されているのは"美術品"、江戸時代から権力と財力によって、世の中を転々と流れて現在に至っている。

そこへいくと、相国寺にある茶道具は長い間"門外不出"で伝わった物ばかり。正倉院御物のような"人間の垢にはまみれてません"感を漂わせていた。
今までの美術館と較べると異色の存在。

 →※実はこの内容には訂正があります。こちら (2008.8.3追記)

まず、展示室に入ったら正面に堆朱倶利の天目台に載った天目茶碗があった。
安心する。
本来、天目茶碗は天目台に載っている。
天目茶碗の格が高ければ高いほど、天目台に凝らされた工芸のレベルもグレートアップしていき、観賞の楽しみも増す。

が、危険防止の理由からか、フツーの美術館では天目茶碗単独で展示されている場合が圧倒的に多い。
中にはふくささえ敷かれていない場合もあり、完全に茶道具から美術品になってしまったのかと、興ざめすることも多々あり。
だから、天目茶碗を本来の姿で見せてくれる"度量の大きさ"に感謝。
足利将軍家との関わりの深さなど背景に、歴史的に果たした役割の大きさがよくわかる展示ラインナップ。
織田信長や豊臣秀吉の朱印状、珍しい利休の一行書「弧舟載月」など見所満載な美術館。
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