Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

古伊万里

2009年12月24日 07時29分35秒 | 美術館・博物館etc.
昨日は朝イチで映画『のだめカンタービレ』を観賞後、
散歩も兼ねて目黒の東京都庭園美術館へ。
『パリに咲いた古伊万里の華』を観賞。
(最終日ということもあって、けっこう混んでいた)

今年はオランダ東インド会社がヨーロッパに向けて
公式に日本磁器の輸出を開始してから、350年目の節目の年にあたるそうだ。

ヨーロッパの王侯貴族の宮殿を飾った美しい古伊万里がズラリ。
会場の庭園美術館も旧朝香宮[あさかのみや]邸。
20世紀前半と時代は下るけど、ヨーロッパのアール・デコ様式の建築物。
だから、雰囲気がマッチしていて臨場感が感じる展示になっていたと思う。

古伊万里そのものは戸栗美術館をはじめ、ここ数年いろいろ見てきたから、
特に目新しい印象はなかったし、
もとから茶道具の磁器の展示はなかったから、あくまで“参考”。

※先日購入した「ぐるっとパス」の中に企画展OKでチケットがあったから。
 港区は来月めぐる予定だったけど、庭美の出し物は興味がない分野だったので、
 どうせなら、観たい展覧会に行っておこうと。
 ちなみに、一般入場券は800円。
 先日の三井記念美術館の特別展が1,200円だったから、
 単純計算すると、既にパスの元手(2,000円)はとってしまった。

余談だが、
初期伊万里(←17世紀前半、つまり欧州輸出が始まる前)には茶道具がある。
つまり、有田磁器は欧州輸出が本格的になったことで完全に茶道具から手を引いたワケだ。
輸入が始まった頃、急激な需要に対応しきれずに国産向けの磁器も輸出したそうで、
あきらかに菓子器や懐石料理を盛れそうな鉢も展示してあった。

中国との競争も熾烈だったようで、やがて景徳鎮の量に圧倒されて
日本製の需要は減っていくそうなんだけどね。
景徳鎮には茶道具や懐石道具に転用できる品が多いんだけどなぁ。
あ、日本向けに生産した製品なのかも。
(やっぱ、生産量がすごかったのネ)

それでも、輸出することで製品の質が向上されていく過程がよくわかった。
そういえば、今年はじめにサントリー美術館で欧州に輸出された漆器展を観た。
こちら
あれと似てるなぁ。

今回の展覧会、東京での会期は終了してしまったけど、
来夏(7月17日~10月3日)に熱海のMOA美術館に巡回するそうだ。
見逃した方はどうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« vol.98茶の湯とは | トップ | vol.99もとよりも… »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館etc.」カテゴリの最新記事