まったりブログ

日記であったり、趣味の小説書いたりしようかなと。。
でも更新頻度は不明だからまったりと♪

一抹の不安

2021-12-27 14:38:12 | 日記
セレクションまで残り1ヶ月をきっていたある日の学校での出来事。
授業中にトイレへと行きたくなり授業を抜け出しトイレへと行った。
みんなが授業を受けている中、堂々と教室から出ていける解放感は嫌いじゃない。
用を足し手を洗っていた時のことだった。
何の前触れもなく突然胸が苦しくなった。
正直この時の記憶は胸だったのか心臓だったのかは定かではないところだが、突然苦しくなり周りの景色の色が黄色か黄土色がかったような色へと変わっていき目眩がしたからかその場に立っていられなくなりトイレの床へと倒れこんだ。
倒れこんでから心臓の鼓動がめちゃくちゃ早くなっていたことにも気がついた。
何が何だかわからないがとにかく苦しい。
僕はその場から10分くらい動けなくなっていた。
実際には長く感じていただけでほんの数分だったのかもしれない。
それでも倒れてから心臓の鼓動が通常くらいに戻るまでの間はかなり苦しくとてつもなく長く感じた。
授業中のため誰もトイレにくることもない。
助けすら求められない状況の中で僕はただ苦しくこのまま死んでしまうのでは?
そんな恐怖にすらおちいっていた。
幸いにも10分?くらいでおさまり立ち上がれるようになると今までの何もなかったかのような状態へと戻ったため僕はこのことを学校では誰にも話すことなくそのまま教室へと戻っていった。

教室へと戻り席についてからしばらくは放心状態に近い状態でさっきの出来事を考えていた。
今まで一度だってあんなことになったことはない。
たまたまそうなっただけなのか?
それなら今後も気にする必要はないが、たまたま突然あんなことになるものなのか?
セレクションを間近に控え、自分自身の今後の運命を左右するかもしれない大切な時期にこんなことになるとは。
もしかしたらセレクションを控え気持ちがナーバスになりストレスからこうなってしまったのかもしれない。
最初はそう思うようにした。
でも実際には一度きりで終わりはしなかった。
セレクションまでの1ヶ月弱で3回。
同じような症状が起きてしまった。
家での自主練中。
そして学校帰りの自転車の運転中。

さすがに不安になり僕は親にも事情を説明し病院へと行った。
何か体の中で異変がある。
早く治してセレクションに専念したい。
その気持ちが大きかった。
病院へ行き診察をし、検査もいくつか行ったが、結局その時には原因にたどりつくものは何一つ分からなかった。
病院の先生によれば、症状が起きている状態でないと詳しく調べようがないと言う。
かなりの不安を抱えながら僕はセレクションを迎えることとなった。


やるべきこと

2021-12-24 11:14:49 | 日記
セレクションを受けることに決めてからはまたサッカーに集中する気持ちが強く芽生えていた。
リーグ戦でもこれまでとは集中力が違っていたからか、細かいミスもあまりしなくなりプレーも去年のリーグ以上のプレーが見せられるようにもなっていた。
スタメンの半分がチームを去り自分自身がチームを引っ張っていく。
そういう気持ちが芽生えたのもこの頃からだったと思う。
セレクションを受けようと考えたら今のリーグ戦と自主練だけではとうてい足りない。
僕は思いきって他の社会人チームの人に話かけいくつかのチームで練習にだけ参加させてもらえるようにした。
自主練では絶対に補えない対人プレー。
どうしてもそこはしっかりやっておきたかったので、曜日ごとに参加するチームの練習を変えていきながら更に技術面も磨いていった。
この頃には高校の部活でやっていたバスケも完全に引退したためサッカーだけに専念出来る環境も整っていた。

セレクションを受けたいと思ったチームは一つだけだった。
僕はこのセレクション情報を知りすぐに応募した。
注意書きに人数があまりに多い場合は書類選考も行う場合があるため場合によってはセレクションに参加出来ない可能性もありますとあった。
中学、高校と学生としての実績はまるでない。
自分自身のサッカー歴を詳しく書けば大半は社会人チームのことを書くしかなかった。
そのため書類選考となれば落選もある。
それも覚悟での応募だった。

応募してから1ヶ月くらいだろうか。
セレクションを受けたいチームからの通知が来ていた。
内容は。。セレクションへの案内だった。
日付や場所、選考内容など詳しく記載されているものが送られてきた。
ようやく自分を試せる。
このチームにたくさんの人がセレクションを受けにいくことは分かっていた。
当時人気のサッカー雑誌にデカデカとセレクションを行う旨を書いていたし、何より今は九州リーグに所属していますが、今後のJリーグ入りを目指すチーム作りをするためセレクションを実施するとある。
これ読んで興味が湧かないわけがなかった。
セレクションは夏休み前の最後の週末に行われる。
僕の人生を左右するかもしれない戦いが始まろうとしていた。
セレクションまで残り1ヶ月。


それから 2

2021-12-20 14:37:05 | 日記
試合前や試合後、それ以外の時でこんなに大勢のチームメイトと会話をしたのはこのチームに入って初めてのことだった。
酒に酔ってきていたチームメイト達は昔話にも華が咲き、高校当時の全国に行った時の話や遠征先での強豪校との試合の話など、僕からしたら羨ましい話でしかないような内容だったが、聞いているだけでもとても楽しかった。
1時間くらいが経過した頃だろうか。
一人のチームメイトが僕の隣の席へと移動してきて話かけてきた。
僕からしたら憧れでもある大学でも大学日本代表選抜としてやっていた人だ。
「この2年でめちゃくちゃうまくなったね~」
お世辞でもこの人から言われるとめちゃくちゃ嬉しい。
「うまくなった実感は全くないです。チームメイトうますぎなんで」
そんな話から始まり話題はすぐに進路へと変わった。
「大学行くの?」
「いや、大学は行かないです。多分就職します」
この頃の僕はサッカーで試合に出ることくらいしか真剣に考えていなかったため自分の進路は全く決めてはいなかったが、大学に行くという選択肢は最初からなかった。
「高校サッカーやってたらまた違う道に行けてたかもなのにもったいないよね
どういう意味かその時はよく分かっていなかったが、とりあえず今のチームでやっていることがもったいない。
その時の僕はそんな解釈の仕方をしたように思う。
「このチームのレベルの高さは分かってるんで今のチームで満足してますよ」
僕がそう答えたら
「確かにうちのチームはわりと強いよ。でも所詮は趣味の延長のチームだよ」
「もしこの先もサッカーをやる気があるのなら大学行って高いレベルでサッカーやるか、社会人になるつもりなら強いチームのセレクションとか受けてみたら?」
進路のことなど考えてもいなかったし、社会人になってもこのチームでサッカー出来るからと、他でどうこうという考えは正直全くなかった。
でもこの時初めてもっと高いレベルというものに興味を持ち始めていた。

新シーズンを迎え市内リーグも始まっていた。
スタメンの半分はチームから去ってはいたが、飲み会効果もあり新たにメンバーも増え、しっかりとした経験者も数人入りチームの人数は以前よりも逆に少し増えていた。
それでも前のシーズンまでとは違い、チーム力は格段と落ちてしまい市内リーグでもなかなか思うような試合が出来ないでいた。
1戦目、引き分け。
2戦目、負け。
3戦目以降は新たなチームメイトも少しずつ慣れ、チームとしては敗けはしなくなったがそれでも自分が望むサッカーが出来なくなっているのも事実だった。
そして2戦目での負けが僕がこのチームに入ってから初めての公式戦での負け試合。
リーグ戦だから切り替えればいいだけだが、負けたショックからか、思うようにいかないサッカーになっているからか自分自身のプレーも下降気味となっていた。
チームメイトから単純ミスが多すぎると注意を受けたこともあった。
チーム力の低下が自分自身のパフォーマンスの低下では全く意味がない。
誰のためにサッカーをやっているのか?
それでも僕は強いチームの中でどれだけのことをやれるのか試したい気持ちになっていた。
「セレクションを受けてみたら?」
あの言葉がずっと引っ掛かり日々悩む。
自分にそんな資格があるのか?
高校サッカーすらやっていないのに?
でも自分を試したい。
こんなことをずっと考えながら日々を送っていた。
そんなある日のリーグ戦。
たまたま試合を見に来ていた中学の同級生から話を聞いた。
「あいつセレクション受かったらしいよ」
他県にあるクラブチームで前に決勝で戦ったチームと同じ中国リーグに所属するチームのセレクションを受けて合格したという話を聞かされた。
誰かが受けたからとかでは決してない。
でも背中は押されたかもしれない。
とにかく自分を試したい。
僕の気持ちは固まった。


それから

2021-12-17 14:35:37 | 日記
県NO.1チームという実績を手に入れ、市内リーグではこれまで以上に個人個人へのあたりが厳しくなっていた。
このチームを倒せれば自分達のチームも県の上位にいける。
そう思われていたかは分からないが、とにかく対戦するチーム全てが闘志剥き出しで勝ちにきていることが伝わってきていた。
それでも市内リーグでは無敗を誇っているうちのチームは簡単にはやられない。
それどころかみんなレベルの高い大会を経験し更に成長しているようにすら思えた。
自分自身もあの大会からいつもの市内リーグに戻った時には相手チームの力の差をかなり感じた上、相手のあたりが厳しくても余裕をもってプレーすることが出来ていた。
その結果、市内リーグは2年連続全勝優勝。
そして自分自身はFWの選手を差し置いて気付いたら市内リーグ得点王となっていた。
10番を背負っての2年目のシーズン。
県大会優勝。
市内リーグ優勝。
市内リーグ得点王。
まだ高校2年生だった僕はこの年を生涯忘れることが出来ないほど最高のシーズンとなった。
ずっとこのチームでサッカーをやっていけたら。
この頃はそんな風にも思っていた。

市内リーグも無事終わり、次のシーズンが始まるまでの数ヶ月は試合も全くなくチームメイトと顔を合わせることもなかった。
ひたすら自主練をし、スタミナや個人技を磨いていく。
そしてひたすらイメージトレーニングを繰り返していた。
この頃の僕は一人でいつでも出来ることとして空いている時間はイメージトレーニングをすることが多かった。
こういう展開を作るために味方に指示をだしこう動かす。
そして自分はこう動いていく。
相手がこうきたら自分の動きを変えていく。
いくつものイメージを繰り返すことが必ず実践でも役に立つ時がくる。
実際、このイメージトレーニングをした通りの実践も何度も経験していた。
だからイメージトレーニングというものは今でも自分自身からしたら大切なトレーニングの一つだと断言出来る。

3月も半ばを過ぎたある日。
久しぶりにチームのキャプテンから連絡がきた。
市内リーグの新シーズンが始まるまでにはまだ1ヶ月以上ある。
こんなに早く連絡がくるのは珍しいとは思っていたが、思っていたような用件とは違っていた。
チームメイトみんなで集まるから週末に来れないかという誘いだった。
普段はまだ高校生ということもありそんな誘いは一度もなかったが。せっかく集まるということで参加をすることにした。

週末。
場所は駅前にある居酒屋。
親や知り合いなどとは一緒に来たことはあったが、自分一人で入っていく居酒屋はこの日が初めてだった。
時間ちょうどに店に入ったが、もうみんなすでに集まっていて
「一番若いのが大トリできた」
誰かにこんなことを言われ冷やかされたが、愛想笑いだけ浮かべ空いている席へとついた。
基本的にいじられることは苦手で、どちらかといえば同年代に対してはいじる側。
そのため周りがみんな自分よりも年上という場所にいることはなかったためこんな時にどう対応していいのかも戸惑った。
ついてすぐに宴会が始まりこの日の集まりの理由がすぐに分かった。
大きな理由が2つあった。
1つはこの3月末で転勤する人が多くいて、スタメンだったメンバーの半分くらいは次の赴任先が近場ではないためチームに参加出来なくなるためチームを去るということ。
そしてもう1つは、その抜けていくメンバーの補充が出来なければチームが存続出来ないという話だった。
確かに人数ギリギリでやる試合も多い。
実際チームに登録している人は20人くらいはいるのだが、2年チームにいてほとんど見たことがない人もいた。
試合には来たいらしいが、どうしても部活や先生としての仕事も多くありなかなか来れない人もいるらしい。
だから今回の集まりはまずは転勤になる人とチームを去っていく人のための飲み会。
そして抜けていくメンバーを補充するため各学校で声をかけてほしいという、チームのメンバーを増やしましょうという飲み会でもあった。


2年目のシーズン 5

2021-12-15 14:43:17 | 日記
ハーフウェーラインよりも手前からの味方からの裏へのスルーパス。
多少強引なパスだったが、足の速い交代したメンバーなら追い付ける。
ここしかないという絶妙なパスとなった。
後はうまくトラップしてそのままシュートにもっていくだけ。
だが、トラップが乱れディフェンスに追い付かれシュートにもっていけない。
そこへフォローし走りこんでいた僕はパスを要求し足元へのパスがきた。
パスを受ける前に顔を上げると前にDF1人とGK。
どんな形でもいいのでゴールにねじこみたかった。
パスを受ける瞬間の僕の中でのイメージはDFをふりきれなくてもワンフェイントを入れてそのままシュートすることだった。
仮にフェイントを入れずにシュートを打てばDFに当たってしまう。
おまけにゴールへの角度も悪くGKに簡単にキャッチされるかもしれない。
だからといって周りのメンバーは他に近くにいないし、もしキープしてもたつけば奪われカウンターの恐れもある。
結局僕はパスを受けた瞬間、イメージ通りにワンフェイント入れてDFとの間を作り出し空いたコースにおもいきりシュートを打った。
その瞬間、これまで走りまわっていたツケがきてしまい、蹴った瞬間に足をつり倒れこんでしまったためシュートの行方が見れなかった。
結局シュートはGKに弾かれコーナーキックとなっていた。
この勝負処で決めるしかない。
すぐにチームメイトに足を伸ばしてもらいながらこのコーナーキックに賭けた。

足を伸ばしてもらいながら言われた。
「これ最後のチャンスかもしれん。狙えると思ったら迷わず打ってくれ」
多分ジャンプをしたらまた足がつってしまう。
それくらい足の限界が近いことが分かっていた。
そうなればコーナーキックでの競り合いでは何の役にも立たない。
延長戦に入れば今の状態だとメンバーチェンジをするしかない。
だからこのコーナーキックがほんとに自分にとっては最後のチャンスだと思っていた。
だから普段はコーナーキックの時には僕が蹴りにいくか中で競り合う形のポジションにいくのだが、今回は相手DFがはじいた時を想定しペナルティエリアの外に待機してチャンスを待った。
コーナーキック。
味方からの絶妙なキックだったが、相手GKが飛び出しボールをパンチング。
そのボールが落下点を狙っていた僕の足元へと転がってきた。
「迷わず打て」
そう言われていたが、実際ボールが転がってくると正直迷った。
ペナルティエリア外。
しかもシュートコースも見当たらない。
その混戦の中、一つだけ分かっていたこと。
パンチングして飛び出したGKがまだ戻りきれていない。
僕は自分のキックの精度を信じシュートを打った。
右も左もDFがポストにはりついていた。
狙ったのは飛び出したGKの上を超えていくゴール真ん中へのループシュートだった。
ループシュートじたいは試合では何度も決めていて好きなプレーでもあったが、ペナルティエリア外からは多分初めて打つ。
そのため精度も距離感もかなり不安はあったが、打った瞬間シュートが入ることを確信するくらい綺麗なループシュートを打つことが出来た。
一瞬、敵も味方もどこに蹴ったんだとばかりに周りの動きが止まったが、その間にボールはゴールへと吸い込まれていく。
半分ガッツポーズをしかけたが、このシュートは惜しくもクロスバーに当たってしまう。
その跳ね返りを味方がヘディングで押し込んだ。
1-0。
ついに試合が動いた瞬間だった。
自分じゃなくてもいい。
誰が決めてもチームのゴール。
僕は点を決めてくれたチームメイトの元に駆け寄りもみくちゃにするつもりが、逆に僕が他のチームメイトにもみくちゃにされ祝福してもらった。
「ナイス判断」
「最高のループやった」
「お前はほんまループが好きやな~」
みんなようやく決まった得点に笑顔で疲れも忘れるくらいに僕自身も嬉しかった。

ところがそこから試合終了までの5分。
ロスタイムを含めても6~7分。
この間の相手の猛攻が凄まじかった。
絶対に追い付くという気迫とどんな形でもゴールを奪うという執念のようなものすら感じ怒濤の攻撃をしかけてくる。
うちのチームは足が動かなくなりそうなメンバーが何人もいる中、相手チームはそれを感じさせないくらい激しく動いている。
必死の思いでボールを何とかクリアをしてもまた相手のボールになる。
正直いつゴールを奪われてもおかしくないくらいの攻撃が続いたが最後のところで何とか凌ぐ。
そして、ようやくタイムアップ。

試合終了後、喜びをチームメイトで分かち合うというよりもまず初めにようやく終わったという安心感からかみんなその場に座りこんだ。
正確にはその場から動けなくなったといったほうが正しかったかもしれない。
それほど疲労し力尽きるまで戦っていた。
何人かの人は試合終了と同時に足をつり動けなくなっていた。
それを相手のチームの選手が足を伸ばしてくれていた。
元々はチームメイトだったということもあり試合後はお互いに笑顔で会話していた。
それを眺めながら高校時代共に戦ったメンバーが敵チームとして県で優勝を争う。
そんな羨ましいことはない。
僕はそう思いながらその会話をしているメンバー達を見ていた。

後から知ったことだが、試合後にチームで記念撮影がありそれがどの新聞だったかは不明だが、わりと大きめに掲載されていたらしい。
もちろん個人の名前入りで。
当時はまだ若くそれが掲載されたことを知っても何とも思わなかったが、今にして思えばその写真をきちんと額に入れて飾っておけばよかったと後悔している。
こうして記憶にある限りでは最初で最後の大会となったこの大会で優勝し県1位を獲得することが出来た。