まったりブログ

日記であったり、趣味の小説書いたりしようかなと。。
でも更新頻度は不明だからまったりと♪

それから 2

2021-12-20 14:37:05 | 日記
試合前や試合後、それ以外の時でこんなに大勢のチームメイトと会話をしたのはこのチームに入って初めてのことだった。
酒に酔ってきていたチームメイト達は昔話にも華が咲き、高校当時の全国に行った時の話や遠征先での強豪校との試合の話など、僕からしたら羨ましい話でしかないような内容だったが、聞いているだけでもとても楽しかった。
1時間くらいが経過した頃だろうか。
一人のチームメイトが僕の隣の席へと移動してきて話かけてきた。
僕からしたら憧れでもある大学でも大学日本代表選抜としてやっていた人だ。
「この2年でめちゃくちゃうまくなったね~」
お世辞でもこの人から言われるとめちゃくちゃ嬉しい。
「うまくなった実感は全くないです。チームメイトうますぎなんで」
そんな話から始まり話題はすぐに進路へと変わった。
「大学行くの?」
「いや、大学は行かないです。多分就職します」
この頃の僕はサッカーで試合に出ることくらいしか真剣に考えていなかったため自分の進路は全く決めてはいなかったが、大学に行くという選択肢は最初からなかった。
「高校サッカーやってたらまた違う道に行けてたかもなのにもったいないよね
どういう意味かその時はよく分かっていなかったが、とりあえず今のチームでやっていることがもったいない。
その時の僕はそんな解釈の仕方をしたように思う。
「このチームのレベルの高さは分かってるんで今のチームで満足してますよ」
僕がそう答えたら
「確かにうちのチームはわりと強いよ。でも所詮は趣味の延長のチームだよ」
「もしこの先もサッカーをやる気があるのなら大学行って高いレベルでサッカーやるか、社会人になるつもりなら強いチームのセレクションとか受けてみたら?」
進路のことなど考えてもいなかったし、社会人になってもこのチームでサッカー出来るからと、他でどうこうという考えは正直全くなかった。
でもこの時初めてもっと高いレベルというものに興味を持ち始めていた。

新シーズンを迎え市内リーグも始まっていた。
スタメンの半分はチームから去ってはいたが、飲み会効果もあり新たにメンバーも増え、しっかりとした経験者も数人入りチームの人数は以前よりも逆に少し増えていた。
それでも前のシーズンまでとは違い、チーム力は格段と落ちてしまい市内リーグでもなかなか思うような試合が出来ないでいた。
1戦目、引き分け。
2戦目、負け。
3戦目以降は新たなチームメイトも少しずつ慣れ、チームとしては敗けはしなくなったがそれでも自分が望むサッカーが出来なくなっているのも事実だった。
そして2戦目での負けが僕がこのチームに入ってから初めての公式戦での負け試合。
リーグ戦だから切り替えればいいだけだが、負けたショックからか、思うようにいかないサッカーになっているからか自分自身のプレーも下降気味となっていた。
チームメイトから単純ミスが多すぎると注意を受けたこともあった。
チーム力の低下が自分自身のパフォーマンスの低下では全く意味がない。
誰のためにサッカーをやっているのか?
それでも僕は強いチームの中でどれだけのことをやれるのか試したい気持ちになっていた。
「セレクションを受けてみたら?」
あの言葉がずっと引っ掛かり日々悩む。
自分にそんな資格があるのか?
高校サッカーすらやっていないのに?
でも自分を試したい。
こんなことをずっと考えながら日々を送っていた。
そんなある日のリーグ戦。
たまたま試合を見に来ていた中学の同級生から話を聞いた。
「あいつセレクション受かったらしいよ」
他県にあるクラブチームで前に決勝で戦ったチームと同じ中国リーグに所属するチームのセレクションを受けて合格したという話を聞かされた。
誰かが受けたからとかでは決してない。
でも背中は押されたかもしれない。
とにかく自分を試したい。
僕の気持ちは固まった。