土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

09.10.4新堀川

2009-10-08 07:30:00 | 高知の宝「浦戸湾」
 2009年10月4日、第5回新堀川生き物観察会がひらかれました。


画像:横堀公園横をかるぽーとに向かって流れる新堀川、川の中にみえる緑はコアマモ群落。



 新堀川は江の口川から新堀小学校前まで道路拡張のためその下敷きになってしまいました。
 この道路の下にはシオマネキの生息地があり、コアマモ群落のあるみごとな自然の宝庫でした。



 江戸時代、舟をつけ荷物を揚げ下ろす石の階段(がんぎ)など貴重な遺跡も埋められてしまいました。
 道路をつくるため絶滅危惧種であるシオマネキは拉致されてどこかに捨てられ(移殖という説明)てしまいました。また同じように絶滅危惧種であるコアマモは引っこ抜かれ(移植という説明)てしまいました。
 いまどきこれほどの乱暴な公共工事というのは聞いたことがありません。さすが高知の土木事業というのはすごい。立派なものです。

 絶滅危惧種への、こうした方向を示した学者たちの専門家会議というのもすごい。ここまでやってしまうともう「お見事!」というしかありません。みなさんは「御用学者の鏡」として後世まで、歴史に残ることでしょう。


 画像:巣穴から出てこようとしているシオマネキ

 これほど痛めつけられたのですから心配していましたがそこはどっこい。昔のまま、わずかに残されている新堀川にはコアマモ(一番上の画像参照)もシオマネキも立派に生きていました。

 

 橋の上からシオマネキを観察、右岸にも左岸にもシオマネキはおりました。8匹以上を確認。望遠鏡でかわるがわる覗いてお食事の様子などを見せてもらいました。またコアマモ群落を見ていると色々な魚が泳ぎ、ときには大きなボラ、スズキなどが姿を見せてくれました。びっくりするほどたくさんいたのはマハゼです。時間があればハゼ釣りを楽しみたいと思ったものです。そして、圧巻はエガニ。茂ったコアマモのなかから全身を現し、観察しているみんなをびっくりさせました。
 「で でかい!」。
「あれが1キロ1万円!」など下世話な声も。


 画像:左から阪元匡祥さん、筆者、成川 順さん
 
 豊かに茂った海草コアマモの中をネットで探り生き物を採集しました。一番多かったのがガンテンイシヨウジというヨウジウオの一種、準絶滅危惧種とされているギマが2匹、またカワアナゴも。アカメも次々ととれました。


 画像:採集された生き物を覗き込む未来の自然科学者?

 採集した生き物の同定をしてくれたのは2006年の第一回目から参加し、高知大学学生のときから町田先生のもとで浦戸湾の魚を研究テーマにしてきた阪本匡祥さん。
 「これは何?」「これは?」「これは??」子供の疑問に丁寧に答えていました。


 画像:いつもの逆立ちのポーズをとったアカメのこども


 画像:中央手前で斜めにポーズをとっているのがガンテンイシヨウジ

 この日の観察会で、採集された生き物は
●アカメ(9尾) ●ヒナハゼ ●シマイサキ(スミヒキ)●ガンテンイシヨウジ ●ミズクラゲ ●カワアナゴ ●ギマ ●ウシエビ ●マハゼ ●アイゴ ●ウロハゼ ●アベハゼ  などでした。

 視認された魚類他

●チヌ ●スズキ ●ボラ ●エガ二 ●シオマネキ8個体(♂6個体 ♀2個体) ●トビハゼなど。


 画像:放流する成川さん

 採集した生き物はすべて元の場所に放流しました。


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2 コメント

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Unknown (amego)
2009-10-11 11:57:15
新堀川の豊かさをあらためて確信しました。土佐が誇る浦戸湾最奥部の生態系の豊かさですね。コアマモの群落が生き延び、アカメ、シオマネキ、イトヨウジ、トビハゼ、エガ二までが生息していることは驚嘆すべきことではないでしょうか。「アカメの国」の関係者、浦戸湾を守る会の皆さんの熱意とたゆまぬ努力に対して心から敬意を表します。
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Unknown (akame)
2009-10-12 19:37:29
 世界広しといえどわが浦戸湾はオンリーワン。

 高知県は豊かな自然が宝物。どこにでもある道路にしてしまうのは何とももったいないですね。

 かるぽーとからすぐ、はりまや橋から東へ400メートルの街のど真ん中に、これほど豊かな自然がある高知県はすごいです。これを自慢しないで何を自慢するのでしょう。
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