帰ってきたら、ロボが死んでた
京都から帰ってきてちょっとしてから、体中で呼吸してたりしてて、ちょっと痛々しかったけど、エサはしっかり食っていた。
おとといの夜から、かなり呼吸が荒くなり、どう見ても苦しそうだったけどエサはしっかり食ってた。
昨日の夜、エサはいつもの70%くらいしか減ってなかった。動きが鈍くて、目が見えてないみたいだった。水飲むのも、探し当ててやっとこさ飲むって感じだった。
もう長くないな。
りんごを少しあげた。すぐに食べたので、もう少しあげた。指を噛んできた。
まだ力はあるのかな、と思ったけど、動きが明らかにやばそうだった。
メガネくんからのアドバイスで、ピンクの小屋を入れて、寝た。
今朝、ピンクの部屋ではなく、いつものへこんだ場所で荒く息をしていた。エサはほとんど減ってなかった。
帰ってきたら、りんごあげるからね、と出かけた。
帰ってきたら、ロボが死んでた
ピンクの部屋へ入り、端の方に寄りかかるみたいにしている姿が見えた。
呼吸が全然荒くなくて、突然治る訳ないし、いよいよかなと思って、水槽を揺らした。
反応がなかった。
もう少し強く、水槽を揺らした。
反応がなかった。
メガネくんに、「ロボが死んじゃったみたい」と言った。ピンクの部屋をあけてみたけど、反応がなかった。
片目を開けたまま、まったく動かない。
メガネくんはシャワーを浴びて、あたしは茶碗を洗って、ロボの終の寝床を牛乳パックで作った。
メガネくんがシャワーから出てくるのを待って、最後の寝床をロボが気に入るようにいつもの新聞紙と、ペレットと、お水の代わりにキャベツを入れた。
もし生き返ったら、キャベツを水代わりにすればいいと思ったから。
ロボを初めて持ち上げた。
温かくないし、固かった。
4本足で立ったまま、少し腰をかがめて、その姿のまま魔法がかかったように心臓が止まったみたいだった。
片目が開いてるから、まるで
お尻のウンチをなるべく取って、新聞紙を取って、手のひらに置いた。
初めて、ロボを遠慮なく撫でた。
メガネくんも、初めてロボを遠慮なく撫でた。
毛が柔らかかった。全然嫌がらなかった。
みなくんは泣いた。
メガネくんも泣いた。
苦しそうだったから、もう死んでもいいよ、頑張らなくてもいいよ、と思っていた。
あたしは京都へ行き、楽しんできた。
今日も、楽しいこともあった。
もし、京都の前にロボが死んでたら、旅は違ったものになっていたし、今朝、ロボが死んでいたら、出かけなかったかもしれない。
この小さいロボが、渾身の力で今日、あたしたちを見送るために頑張ってくれたような気がした。
メガネママの線香を借りた。
水槽は撤去した。
あたしには、ロボが寝返りをうち、新聞紙が軽くこすれる微かな音が今も聞こえる。
でも、ペレットを漁る音も、ペレットを齧る音も、もう聞こえてこなかった。
京都から帰ってきてちょっとしてから、体中で呼吸してたりしてて、ちょっと痛々しかったけど、エサはしっかり食っていた。
おとといの夜から、かなり呼吸が荒くなり、どう見ても苦しそうだったけどエサはしっかり食ってた。
昨日の夜、エサはいつもの70%くらいしか減ってなかった。動きが鈍くて、目が見えてないみたいだった。水飲むのも、探し当ててやっとこさ飲むって感じだった。
もう長くないな。
りんごを少しあげた。すぐに食べたので、もう少しあげた。指を噛んできた。
まだ力はあるのかな、と思ったけど、動きが明らかにやばそうだった。
メガネくんからのアドバイスで、ピンクの小屋を入れて、寝た。
今朝、ピンクの部屋ではなく、いつものへこんだ場所で荒く息をしていた。エサはほとんど減ってなかった。
帰ってきたら、りんごあげるからね、と出かけた。
帰ってきたら、ロボが死んでた
ピンクの部屋へ入り、端の方に寄りかかるみたいにしている姿が見えた。
呼吸が全然荒くなくて、突然治る訳ないし、いよいよかなと思って、水槽を揺らした。
反応がなかった。
もう少し強く、水槽を揺らした。
反応がなかった。
メガネくんに、「ロボが死んじゃったみたい」と言った。ピンクの部屋をあけてみたけど、反応がなかった。
片目を開けたまま、まったく動かない。
メガネくんはシャワーを浴びて、あたしは茶碗を洗って、ロボの終の寝床を牛乳パックで作った。
メガネくんがシャワーから出てくるのを待って、最後の寝床をロボが気に入るようにいつもの新聞紙と、ペレットと、お水の代わりにキャベツを入れた。
もし生き返ったら、キャベツを水代わりにすればいいと思ったから。
ロボを初めて持ち上げた。
温かくないし、固かった。
4本足で立ったまま、少し腰をかがめて、その姿のまま魔法がかかったように心臓が止まったみたいだった。
片目が開いてるから、まるで
お尻のウンチをなるべく取って、新聞紙を取って、手のひらに置いた。
初めて、ロボを遠慮なく撫でた。
メガネくんも、初めてロボを遠慮なく撫でた。
毛が柔らかかった。全然嫌がらなかった。
みなくんは泣いた。
メガネくんも泣いた。
苦しそうだったから、もう死んでもいいよ、頑張らなくてもいいよ、と思っていた。
あたしは京都へ行き、楽しんできた。
今日も、楽しいこともあった。
もし、京都の前にロボが死んでたら、旅は違ったものになっていたし、今朝、ロボが死んでいたら、出かけなかったかもしれない。
この小さいロボが、渾身の力で今日、あたしたちを見送るために頑張ってくれたような気がした。
メガネママの線香を借りた。
水槽は撤去した。
あたしには、ロボが寝返りをうち、新聞紙が軽くこすれる微かな音が今も聞こえる。
でも、ペレットを漁る音も、ペレットを齧る音も、もう聞こえてこなかった。