吾妻さくら病院

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吾妻さくら病院 薬局

2024-03-15 14:13:04 | 健康・病気
はじめまして。3月1日から吾妻さくら病院に勤務することになりました薬剤師の新井と申します。私は漢方や生薬の分野を得意としていますので、漢方薬について話をさせて頂きます。

元々、空気が乾燥している冬場、さらに花粉症の薬を服用していてのどが渇きやすい方は、喉の不調に悩まされているのではないでしょうか?まさに、今、私が悩まされています。

そんな方にお勧めの漢方薬が、今回紹介する“桔梗湯(キキョウトウ)”です。



桔梗湯はキキョウとカンゾウの2種類の生薬からなる漢方薬で、扁桃炎などの喉の痛みがある患者さんに使用されます。

桔梗

甘草

構成生薬のキキョウは、去痰鎮咳(きょたんちんがい)、排膿作用を持ち、他にも、他薬の働きを体の上の方に引き上げてくれる働き(舟楫)を持つ面白い生薬です。

今回紹介する桔梗湯以外では、風邪が治った後に咳や痰が続いてよく眠れないときに服用する竹茹温胆湯(チクジョウンタントウ)や、胃腸が弱い人向けの風邪薬の参蘇飲(ジンソイン)等の漢方薬にも配合されている他、漢方の大家・浅田宗伯先生が考案したと言われている浅田飴にも含まれています。

一般的に漢方薬は構成する生薬が少なければ少ないほど、作用が強くて直ぐに効くと言われており、桔梗湯も使用して直ぐに効果が現れるため、頓服薬として用いられます。
服用方法も特徴的で、お湯に溶かして冷ましてから、うがいしながら少しずつ飲み込みます。

他にうがいしてから飲み込む薬としては、甘草湯(カンゾウトウ)がありますが、甘草湯を使用しても痛みが取れない場合や痰が絡む場合は桔梗湯を用います。私は桔梗湯3包を溶かしたものを水筒に入れて持ち運び、のどの調子が悪いときに少しずつうがいしながら飲み込んでいます。

このように、喉の痛みをとる素晴らしい薬ですが、もちろん、副作用には注意が必要です。カンゾウを含む処方のため、偽アルドステロン症という副作用が生じることがあります。特に、他の漢方薬と併用する場合や利尿薬等を服用している場合はこの副作用が生じやすくなりますので、服用に際しては薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

さて、漢方薬と言えば(株)ツムラ【4540】が有名ですが、先週、2024年度薬価基準改定で漢方薬の大幅な薬価引き上げが明らかになり、株価が急騰しました。コロナ禍になってから、「治療薬の無いウイルス疾患なら葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(まおうとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)等の売り上げが伸びて株価が上がるはず」と考えて株を買い増していましたが、設備投資がかさんで株価は下がる一方。下がるたびに打診買いしながらどこまで下がるのか不安に思っていましたが、今回の急騰で大幅なプラスに。
ツムラさん、この調子で頑張ってください。

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