Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

DV MARK DV MICRO 50 CMT Ciro Manna Signature

2018-07-02 21:47:38 | AMPLIFIERS

ここ数年使用していたトランジスタアンプの1985年製のフェンダージャパンサイドキック65が逝ってしまいました。最近、リバーブにノイズが乗ったり電源スイッチ作動時のノイズが気になってはいましたがドン!というと音と共に反応無しに。経年劣化で基板不良といったところです。原因究明の修理もいいですが今までお疲れ様ということで引退になった次第です。

しかし、現在は手軽で軽量で大きい出力のトランジスタアンプがありません。ランチボックス等の飛び道具的なのは別として普通のコンボサイズのトランジスタアンプです。ギターアンプでのメインストリームというと真空管アンプですが高品質をうたいすぎたブティックアンプはナチュラルな真空管本来の歪を求めすぎて低出力化になりホールライブでは音量が足りません。音量を求めると重量が増し油断するとツインリバーブ並みになってしまいます。60W前後の出力で15kgMAXのコンボアンプは昔のモノを選択しないといけなくなりそれは現実問題故障との闘い。ペダルの世界的国産メーカーが真空管に頼らないビンテージライクなトランジスタアンプを数々出していますが楽器店に展示していないという状況。メーカー的にもやる気が無いらしくデモ機もありません。有名ギタリストの専用シグネーチャーパーツも大々的に宣伝していますがそのギタリストがライブでは使用していないということから契約上だけの話。実用的で手軽なトランジスタコンボアンプは市場に必要とされていないことが浮き彫りです。

そんな中、今まで気にもしていなかったスイッチング電源のコンパクトギターヘッドアンプが密かに熱くなっています。この分野はかなり前からベースアンプの世界では一つのジャンル化されていました。ギタリストは50年以上前にデビューした真空管アンプのスタイルを大事に支持してきました。ある意味、新しい技術を否定するというのがギタリストなので真空管と重いトランスへのこだわりを捨てられなかったことが新しいアンプの開発を送らせてしまったことにつながりました。本家メーカーも新しいトライをしていますがことごとくよろしくないコンセプトとデザインに笑うしかありません。

 

さて、このイタリアからのDV MARKというメーカーはベースアンプ界では超有名なMARK BASSのギター部門。ハイゲインからJAZZまでカバーする商品群は全てのジャンルのギタリストを網羅する勢い。50Wという実用的な出力とプレキシを彷彿するパネルデザイン。プリに6205という小型真空管が仕込んでありビンテージ支持にもしっかりアピール。イタリアのハイテクギタリスト「Ciro Manna」のシグネーチャーモデルとして出されたのがDV MICRO 50 CMT 。重量1.9kgとギグバックのポケットに入る大きさは体に優しい。JAZZギタリストからの支持が強いコンボアンプが多数あることからベースアンプからのフラットでPAアンプ的なトーンを想像していましたがそれは全くの逆。クリーンチャンネルとオーバードライブチャンネルは使い分けが可能でオーバードライブはまさにエキゾティックのSL DRIVEに通じるシャープなプレキシトーン。歪最小でバイト感満載のチューブクランチとギターヴォリュームに対してのレスポンスは最高です。クリーンはトレブルのコントロールでブラックフェイスフェンダーから80年代ブギーの質感も自由。スタンダードチューブアンプの愛好者も納得のハズレ無しのコントロールが再現できます。50Wでもかなり広いヘッドルームを体感出来てペダルの再現力も素晴らしい。スプリングリバーブをしっかりモディファイしたデジタルリバーブも優れもの。鳴らすキャビネットでもまた別物に変貌する雰囲気もあります。

引退したサイドキック65もヘッドアンプ部分やリバーブタンクも取り払いスピーカーキャビネットとして生まれ変わりました。アンプノブ部分と後面上部を新たにトーレックスを貼ったパネルで塞ぎ容量が増したキャビネットで載せるのは定番のエミネンス・トンカー。スピーカーケーブルはゲインの大きいLAVA CABLEのTEPHRA。コンボアンプよりひと手間かかりますが弾いててニヤリとしてしまうアンプに久々出会いました。

メーカーサイトを見るとかなりのラインナップがありますが日本国内の正規ディーラーの扱いアイテムは少しだけ。受注オーダーモノも多く注文しても入荷半年待ち。これだけ動画サイトに試奏が上がっているのでそこからトーンや使い勝手を想像するしかないのですが新しい機材の検討はその想像力が無いと話になりません。手に取っての品定めは過去の話で実際にマニアックな機材は直輸入品を通販で購入というパターンが一般的になってしまいました。入手したけどイメージと違う場合は別に売ってしまうというスタイルは商品の流通を活性化させているのかもしれません。

さてこのDV MARKは試してみたいハイゲインアンプやチューブプリ入り1チャンネル250Wアンプ、センスのいいキャビネット等匂いのするもの多数。ジャンルをかかわらず新進気鋭のギタリストがモニターしているところが面白いですね。今更3大ギタリストといっても通じませんので。今後注目していきたい株ナンバー1のアンプメーカー。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (後輩のベーシストC)
2018-07-03 23:38:02
お疲れさまです。

ついに禁断の領域に踏み込みましたね(笑)。
同社のベースアンプヘッドよりちょっと大きいくらいでしょうか?

イタリア物は車と同じで突然ブッ壊れることがあるので、並行輸入モノには手を出さないのが賢明かと思います。
返信する
いつもありがとうございます。 (junglewah)
2018-07-04 10:15:52
お疲れ様です。
踏込みました。この個体は正規品ですが何せ
イタリアですからね。観察が必要です。
しかし、音はオイシイところを狙っています。

当分研究してみますね。


返信する

コメントを投稿